五領域『表現』から考えたくるみ組の保育

健康(第1人間関係(第2回)  、環境(第3回)言葉( 第4回)と、国から施行されている「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」の5領域に沿って、くるみ組の保育を紹介しています。

 

今回はその5つ目、『表現』についてです。

表現領域の目標は『感じたことや考えた事を自分なりに表現することを通して、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かにする。』となっています。

 

 

 

ねらい1:身体の諸感覚の経験を豊かにし、様々な感覚を味わう。


「感覚」といったら、①視覚 ②聴覚 ③味覚 ④嗅覚 ⑤触覚という5感ですが、中鶴先生の活動のもと、⑥前庭覚 ⑦固有覚の7感の感覚活動を大事にしています。子どもの成長、発達応じた感覚遊びを多岐にわたって展開しています。

 

前庭覚とは?

自分の身体の傾きやスピード、回転を感じる感覚です。受容器は、耳の奥にある耳石器と三半規管です。

主なはたらきには、覚醒、抗重力姿勢、バランス、眼球運動、身体の機能の把握(運動企画、しがみつく、ジャンプ、のぼる)があります。

固有覚とは?

自分の身体の位置や動き、力の入れ具合を感じる感覚です。筋肉や関節の中に受容器があります。

主なはたらきには、力加減、運動コントロール、抗重力姿勢、バランス、情緒の安定、身体の地図・機能の把握(自分の身体の輪郭、ボディイメージ)があります。

7感を意識した遊びとは?

毎日の保育活動が感覚遊びで、ブログやポートフォリオ等でお伝えしています。

様々な素材に触れ感性を育む、身体機能を高める、自発性を引き出す、友だちとの関りの中で自己主張できるようになることを、くるみ組では大切にしています。

 

 

 

 

ねらい2:感じたことや考えたことなどを自分なりに表現しようとする。


子どもにとって、心揺さぶられる経験や感動の体験が、表現の始まりです。不思議や発見、驚きや感動などを言葉やしぐさで表したり、模倣したり、体全体を使って表現したりします。

のはら園の斜面を登っては、降りるをくりかえし、地面の凹凸や下る際のスリル感を全身で楽しむM君。その横では、友達が木に隠れてかくれんぼをしていました。

その様子が、М君の目にも止まったようです。斜面を下りながら椿の木をがある方へ。木を触ったり、顔をそっと近づけて木の温もりを全身で感じている様子がありました。「木」とつぶやき嬉しそうな表情を見せるM君。しばらくの間、木々に触れながら斜面歩きを楽しんでいました。友達していることを真似したり、木登り体験を通じてその感覚の心地よさを知っているからこその表現だと感じました。

 

 

ねらい3:生活や遊びの様々な体験を通して、イメージや感性が豊かになる。


最近、子ども達の遊びに変化が見られます。以前はなかった、友だちとイメージを共有しながら、複数でごっこ遊びをする姿があります。豊かな日常体験があるからこそ、イメージをしたり想像の世界を表現できるのだと思います。

 

・野菜収穫では、「大きいのはどれかな?」と言いながらよく観察し、自分なりに考えて、カブを抜く子ども姿がありました。これまでの経験から大小のイメージがあるからこそできる発言です。「大きいのがいい!」という目的を持ち、自分の感覚で探そうと試行錯誤する姿に、幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿、「思考力の芽生え」「数量や図形などへの関心・感覚」「自然との関わり・生命尊重」「豊かな感性と表現」の根っこの部分が育まれていることを感じました。

・芋ほりでは、なかなか抜けない友だちの姿を見て、「手伝ってあげるよ!」と、声をかけ「うんとこしょ、どっこいしょ!」と、絵本で見た場面を表現する姿がありました。絵本を読んでもらうことにより、絵本の世界をイメージする力が育まれ、周囲の人からの優しさを感じて生活しているからこその姿だと捉えます。これからも、受容的な関りのなかで、自信を持って表現することや達成感を感じられるような経験を大切にしていきます。

 

 

文責:山崎