かけっこをきっかけとした心の成長(年長組)

今年度の運動会では、かけっこのみ全員参加です。

 

どうして全員参加?

かけっこは自分の力を最大限に出力する競技です。

皆さんは競争は好きですか?得手不得手もあるかもしれませんが、年長組になるとかけっこは”楽しく走る”ではなく、”勝ちたい”という気持ちを抱くようになり、他者を意識した競争意識の芽生えに繋がります。(10の姿:自立心・思考力の芽生え・共同性)

他者を意識するきっかけになると捉え、かけっこは全員参加の競技にしました。

 

どんなコースで走る?

今年の年長組は昨年度(年中組で)直線で走りました。その経験から、「どんなコースで走りたい?」と聞くと、「直線!」と、即答です。

いろいろなコースがある事を伝えるために、保育者が「直線コース・円形コースがあるよ」と提示すると、少し興味が湧いてきたようで、実際に走ることになりました。

 

 

 

保育者の見解では、

【直線】 = 力(速さ)勝負

【円形】 = コーナーや直線が混ざることで”体の使い方”・”走り方”・”速さ”が問われる

と考え、保育者は子ども達の経験を見守りました。

 

 

コーナーで走ろう!

4月下旬は毎日のようにかけっこをしました。

ここで、

  1. 直線だと何度走っても順番が変わらない・・・。
  2. 円形コースで走ると毎回順番が変わる!

ということに子ども達が気付きました。

これに気付いたことをきっかけに、満場一致でコーナーで走ることに決まりました。

 

走順はどうやって決めたの?

走順は保育者が決めました。

一般的には”名前順”や、”身長順”で分けるかけっこですが、今回のかけっこでは”10の姿”にもある自立心:「諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信を持って行動する」を達成するために、保育士が一人ひとりの運動能力・技術・体の使い方・気持ちなどを相互に見極め、あと少し頑張れば追いつけるかもしれないという走順を組み立てました。

 

あと少しで追いつくかも…。

自分にも1位がとれるかもしれない…。

頑張りたい!

その気持ちを引き出し、育むことをかけっこのねらいにしています。

 

 

色々な気持ちを抱いています

大人は今までの経験で色々な勝負や争い、競争を経験していますね。

幼稚園~高校までをカウントすると、15回以上のかけっこを経験していることになります。

大人にとっての”かけっこ”は、自分自身の想像・経験が重なり、固定概念があります。しかし、年長組の子ども達にとって、円形コースかけっこは初めての経験かもしれません。

 

”走るってたのしい…”

”みんなの前で走るって恥ずかしい…”

”勝ちたかった、負けて悔しい…”

”勝って嬉しい!”

 

今回の運動会で色々な気持ちを抱くことでしょう。

 

1番もいれば3番もいます。私達保育者は順位がすべてではないと考えています。

頑張れば良い。最後まで走り切れば良い。とも考えていません。

かけっこ練習を通して頑張れば何かが変わるかもしれない、変わった!という経験を重ねています。

子ども達の心に新しい気持ちの芽生えていることが手に取るように分かります。

 

 

いよいよ本番です。

子ども達の心の成長を願いながら当日を迎えます。そして、運動会終了後もこの気持ちが育まれることを願っています。

 

文責:水之浦