子どもアドボカシー研修~「こどもぬきでこどものことをきめないで!」【2歳児 年少少 くるみ組】

7月よりもさらに暑さが増し、なかなか戸外に出る機会が少ない子どもたちですが、毎日元気いっぱい!

くるみ組のテラスの前の木陰で水遊びをしたり、寒天やシャボン玉の感覚遊びをしたりと、毎日活動内容を考えながら過ごしています。

また、クラスで飼育しているカブトムシの様子を観察し、命を見守る活動も大切にしています。2歳児はまだ自分の気持ちはまだ上手く伝えられないことが多いのですが、「ねぇ○○さん、かぶとむし○○だねぇ」「ごはんたべてるね」など、思ったことを大人に伝えるようになってきました。そんな子ども達の「きもち」。心で思ったこと、感じたことを私達保育者はどのように受け止め、どうやって伝えていけたらいいのかと思い、この「子どもアドボカシー」の学びを深めました。

 

先月は、「意見表明権」という子どもの権利条約の中から学んだことを共有しました。前回のブログはこちらをご覧ください。

子どもアドボカシー研修~「意見表明権」って何だろう?【2歳児  年少少 くるみ組】

 

今回は、「子どもの気持ちを受け止める」「子どもの気持ちを表現(代弁)する」を学んだ中で、子どもたちの様子や保育者との関わりについて、錦ヶ丘での活動と交えながらお伝えします。

 

「こどもぬきでこどものことをきめないで」


この言葉を聞いて、皆さんどう感じられますか?

「こどもが自分のことを決めるなんてできるわけがない」

「そうよね、子どもだって気持ちがあるよね」

「いろんな気持ち受けとめたいよね」

「でも決めるとなるとね…」

などなど、様々な考えが出てくることでしょう。

錦ヶ丘では、「子ども主体の保育」を心掛け、子ども達が自分で考え、試行錯誤しながら自分達の考えを実践できるようになることを目指して保育に取り組んでいます。

しかし、子どもが望むからと言ってなんでもOKなわけではありません。出来る事、出来ない事、出来ないならなぜできないのか一緒に考えながら、保育の中で様々な活動に取り組んでいます。ですので、「こどもぬきでこどものことをきめないで」という言葉は、私自身「そうだよね」とストンと腑に落ちる言葉でしたし、実際、毎日心掛けている事でもあります。

今、2歳児のくるみ組の子ども達は会話ができるようになった子が多く、表情でも言葉でも、今感じていることをストレートに表現してくれます。私たち保育者にとってはとても嬉しい成長です。

子ども達の気持ちを受け止めながら、「どうしようか?」と問いかけ、気持ちを聞きながら受け止め、時には気持ちを切り替えたりする機会を増やし、一緒に過ごしています。

子ども達もどんどん成長しています。そうすると、大人の雰囲気などを察知し、うまく自分の気持ちを言えなくなったりするようになってきます。当たり前の成長過程ですが、「伝えられない」というもどかしさはこれからどうしていけばいいのか、私達保育者や大人の関わり方が重要になってきます。

また、現在、色々な環境で暮らしている子ども達がこの日本でもたくさんいます。

事情があって両親と一緒に過ごせない子、残念ですが両親がいても虐待を受けている子。様々な大人の事情で施設などで過ごす子どもたちはたくさんいます。両親揃っていても、大人の考えだけで養育されている子もきっといることでしょう。そのような境遇で過ごさざるえない子ども達のために、子ども達の気持ちを伝えたい!という考えの下、この「子どもアドボカシー」という「子どもの気持ちを代弁し、伝える」考えが浸透してきているのです。

研修の中で、施設等でも子ども達の気持ちが通じることなく、大人だけで子どもの人生が左右されることがあるという現状を知りました。

ただ、大人は子どもの事を考えて、子どもにとってこれが良い環境だと考えての結論だとしても、本当にその措置に子どもの気持ちが反映されているのか…それで子どもの最善の利益になっているのか…と思うと、大人と子どもの利害の一致はなかなか難しいものだと感じます。

それでも、子どもたちの最善の利益を守ろうと立ち上がり、活動を始めたのが「訪問アドボカシー」です。子どもたちのために施設を訪問し、信頼関係を気づいていく中で、他の大人には伝えられないような子ども達の気持ちを代弁する活動が、大阪で始まっています。詳しくはこちらをご覧ください。

https://childadvocacy2020.jimdofree.com/

 

今、私たち保育者にできること


では、保育の現場でできることはなにがあるでしょうか。

前回でのブログでもお伝えしましたが、保護者の次に一番身近にいる私達保育者は、色々な場面で子ども達の気持ちを聞いています。

  1. 言葉が発せない乳幼児(0・1歳児)には、表情を読み取ったり、話しかけたりしながら気持ちを共感したり代弁して伝えたりする。
  2. 少し発語や発話が出来るようになったこどもには、気持ちを伝えてくれたことを一緒に喜んだり、共感したりして気持ちを共有する。
  3. 会話ができるようになった子どもは、会話を通して子ども達の気持ちや意見を聞き、共感したり、どうしたら良いか一緒に考えたりする。

以上のように、発達段階においての援助の仕方を工夫しています。

このような関わり方を通し、色々な活動の中で、子どもたちの最善の利益を考えています。それは「楽しいこと」「学ぶこと」「知ること」等たくさんあります。

私達保育者は、子ども達が体験、経験することで感じる気持ちを受け止め、その気持ちを一緒に共感、共有し、傾聴しながら子ども達の育ちを支えていきたいと思っています。そして、子どもたちが大きくなっても自分の気持ちや意見をしっかりと発言し、行動できる人になるよう育ちを支えていきたいです

こどもぬきで子どものことを決めないように、大人も関わり方は大事ですね。

ご家庭でも、大人の気持ちも受け止めて欲しい。でもまず「あなたはどうしたいの?」「どう思っているの?」という事を引き出しつつ、大人と一緒に考えていくことで、お互いの考えを理解し、尊重しながら過ごしていけば、人として一緒に成長していけるのではないかと思います。

文責:桑元