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2023.04.26

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安全に心地よく眠るために(0.1.2歳児)

令和5年度が始まり、早1ヶ月が経とうとしています。

ましゅまろはうすに12名、くるみ組に6名の新しい子ども達が加わり、0〜2歳児43名で4月を過ごしました。

昨年度も錦ヶ丘で過ごし、進級した子ども達。別の園に通っていて、新しく錦ヶ丘に転園してきた子ども達。

生まれてからの時間をおうちで過ごし、錦ヶ丘で初めての社会生活を経験する子ども達。

どの子にとっても新しい環境、新しい生活です。

新しい環境に涙しつつ、少しずつ好きな遊びを見つけたり、安心できる大人ができはじめたりと、子ども達はそれぞれのペースで生活に慣れていっています。

 

0〜2歳児の子ども達の一日を一文で表すと、まさに『食う・寝る・遊ぶ』。その中でも『食べる〜寝る』の流れは、一日の中でも活動が目まぐるしく変わっていく時間です。

そんなバタバタした時間ではありますが、一人ひとりのペースで、心ゆくまで沢山遊んで、お腹が空いて沢山食べて、満たされてぐっすり眠ることを大切にしていきたいと考えています。

まだまだ、まとまって長い時間眠れる子どもばかりではありませんし、日によっては全然眠らない子どももいます。

一方で、子どもによっては、ご飯を食べる間もなく泣き疲れて眠ってしまう子どもも… 寝顔を見ながら、「毎日よく頑張ってるね」と心がじんわりとするものです。

 

そんな子ども達の「眠る」時間。実は、とても危険な時間でもあります。

ご存知の方も多い『乳幼児突然死症候群、通称:SIDS』。

そのはっきりした原因は未だ不明と言われていますが、うつ伏せ寝、保護者の喫煙、人工栄養児などが関係しており、特に生後6か月まではリスクが高いと言われています。

また、SIDSだけでなく、窒息や転落などの危険もあるのが、乳幼児の睡眠です。

 

先日、ましゅまろはうすの職員で、保育の安全研究センターの掛札逸美さんの『睡眠中の子どもの命を守る~新年度の今こそ、絶対に守るべきこと』という研修を受講しました。

新年度である今、慣れない環境は、子ども達にとってもちろんストレスが高い状態です。つまり、SIDSの危険が高まる時期でもあります。

そんなタイミングで受講したこの研修をもとに、今までの午睡時の見守りを見直し、職員で改めて睡眠中の見守りの重要性を確認しました。

 

今回のブログでは、午睡の見守りの取り組みについてお伝えします。

 

寝かしつけは仰向け寝

胸元に温かさを感じられるうつ伏せ寝が好きな子どもは多いものです。ご家庭でも「どうしてもうつ伏せ寝になってしまう…」「抱っこしたまま横になって、胸に抱えたまま一緒に寝てしまう」という方も多いのではないでしょうか。

園ではSIDS対策として、寝かしつけの段階から仰向けで寝かせるように心がけています。抱っこやおんぶで寝てしまった子ども達も、安全面を考慮し長時間そのままの体勢ではなく、そーっと布団におろし、仰向けで寝るようにしています。

しかし、「いかなるときも、何がなんでも仰向けのみ!!」「寝返りを打って横向きになっても絶対仰向けに!」というわけではありません。口元がしっかり見え、胸元がゆったりしていれば、寝返りを打って横を向いてもそのまま見守ります。「安全の保証」と共に「睡眠の保証」も大切にしたいと考えています。

 

5〜10分おきに触れて確認

国や各自治体のガイドラインで、0歳児:5分おき/1.2歳児:10分おきのチェックが求められています。

しかし、先述しました通り、バタバタとしている時間帯の午睡だと、頻繁に確認することをどうしても忘れてしまいがちになってしまいます。

研修後、ましゅまろはうすのiPadで小さい音量でのオルゴールのアラームを設定し、5分おきの午睡確認を行いました。バタバタしていると「もう5分!?」と思ってしまいがちでも、子ども達の命を守るのにはとても大切なこと。“5分の感覚“が身についたのは、とても重要で大きな収穫となりました。

また、ただ見るだけではなく、きちんとその子に触れて確認してあげることが重要です。呼吸が浅くなってしまいがちな子どもは、パッと見るだけでは「息してる!?」とびっくりしてしまうこともあります。しっかり肌に触れ、胸の動きや顔色、肌のあたたかさ、呼吸の確認を行うことを大切にしています。

 

他にも…

・窒息防止のために、スタイは外す。かけ布団やバスタオルなども口元に被らないように、適宜確認し口元から離す。

・「ごちそうさま」後の水分補給や手洗い、着替えの際に、口の中に食材が残っていないかを確認する。

・鼻水や咳が酷い場合は、呼吸がしやすいようにクッションなどを入れて、上半身の高さを上げる。クッションからずり落ちていくと顔が前に下がり気道が狭くなりやすいので、見守りに気を付ける。

・室温は、子どもの高さで管理し、寒すぎない・温めすぎないようにしながら、湿度にも気を付ける。(20℃~23℃・湿度40%~60%が適切と言われています)

・ベビーベッドの柵はしっかりとロックを掛ける。

・子どもの表情が確認できるよう、室内真っ暗にはせず、消灯してカーテンを閉める程度の薄暗さにする。

・午睡の時間は、あくまでも”身体を休める時間”と考え、無理に寝かせず、子どもの様子に合わせる。

このような取り組みを行っています。

子ども達のペースはそれぞれですので、午睡時間だけではなく、午前中や夕方に眠る子どももいます。その時も同じポイントのもと、見守りを行っています。

たとえ活動中であっても、給食中であっても、眠たそうにしていたら無理矢理起こすことはしていません。その子が眠たいと感じたタイミングで眠ることを大切にしています。

 

また、子ども達の様子を見守るときに、『いつもの状態』を知っていることはとても重要です。保護者の方からの些細な情報が、見守りの大きな材料になります。

「なんだかいつもと違うな」と感じることがありましたら、些細なことでも構いませんので、ぜひ教えてくださいね。

 

人間にとってとても大切な『睡眠』。特に、心と身体をつくる乳幼児期の睡眠は重要です。

一日の多くの時間をこども園で過ごす子ども達にとって、安全な環境のもと、心地よい睡眠が保証されることは、私達保育者の大きな役割の一つ。

大切な命をお預かりしているという意識を常に持ち続けていきます。

 

 

参考:保育の安全研究センター ~睡眠の安全 https://daycaresafety.org/safety_3_1_sleep_safety.html

 

文責:迫田

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