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2023.12.27

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ありがとう!旧園舎!!

園舎に引っ越して、1ヶ月が経ちました。子どもも大人も少しずつ、現園舎での生活に慣れてきました。

先日、「この園舎の中でお気に入りの場所はどこ?」と年長組の子供達に聞いてみたところ、「テラス!ランチルーム!!回転釜が見える窓!!!」などなど、意見がたくさんでした。旧園舎を離れる頃には寂しそうにしていた子どもも、新生活を楽しんでくれているようで、嬉しくほっとしています。

 

さて、旧園舎についてこれまで折に触れ、お伝えしてきましたが、改めて振り返ってみたいと思います。

旧園舎の建築は、1978年だったと記録が残っています。

外壁の色はベージュとえび茶色のツートーン。周りの木々も小さい!昔懐かしい地球儀型の遊具がありますね。1階のあんず組や2階のきいちご組があったところは、階段だったようですね。この頃の吉野地域は、交通量も少なく園バスも持っていませんでした。地域の子どもたちは、保護者送迎が主で、バス通園したい子どもたちは路線バスを使って登園していたそうです。残されている航空写真をみてみると、園の周りは辺り一面、畑・畑・畑!

今の外壁の色に変わったのは、およそ25年くらい前のことです。のはら園のデザイナーでもある佐藤健吾エリオさんのデザインでした。子どもたちの幸せを願い、叡智溢れる園でありますようにとの願いを表現したカラーでした。いくつか候補がある中から当時の職員と話し合って色を決めたことを記憶しています。そのほかにも、壁紙や床の張り替え、トイレ改修。2階テラスに窓がつきました。少しずつ修繕を重ねながら古いながらも大切に使ってきた園舎でした。ですが、経年劣化が進み、いよいよ引っ越しをする前の年の夏には、台風時に大規模な雨漏りもありました。そういう背景からの新園舎建設でした。

引っ越しを前に。。。

11月のある日。年長組の女の子とこんな会話を交わしました。
私:「もうすぐ引っ越しだねー!楽しみだな。夜になると電気がとてもきれいなの。デッキから桜島も見えるって。」
Aちゃん:「私はね。引っ越し嫌なの。小さいころからここにいて、この園舎やお部屋が好き。」

私は、子どもたちから「楽しみだねー」という言葉を期待しての会話でしたので、少し拍子抜けしました。あ、そうなんだ。子どもたちって言葉にこそしなかったけど心の中ではこんなことを思っていたんだ!と驚きました。私はこの言葉をきっかけにしてこれまでの園舎での日々を思い返してみました。

旧園舎での思い出

私が入職したのは、1999年4月。ビオトープができた年です。のはら園はこの頃から子どもたちに人気でした。池のメダカを橋から観察したり、川に笹舟を流したり、季節に合わせてどんな遊びがあるか、子どもも大人も一緒になって遊びを模索している時でした。園舎では、毎日楽しく歌を歌ったり、子ども達とデッキでお弁当を食べたり、日向ぼっこをしたり。春夏秋冬、テラスから見えるのはら園が、大好きでした。風に舞う桜の花びら、耳を澄ますと、落ち葉のカサカサ乾いた音。寒い冬は雪化粧をした桜島が見え、ロケットの打ち上げも子どもたちと応援したこともありました。きっと、Aちゃんも思い出す場面は違っても、私と同じ気持ちであったり、思い出を心の中で再生していたのかもしれません。ね。。

ありがとうの会

12月1・2日の2日に渡ってありがとうの会を開きました。旧園舎へ、地域の皆様へ、建築に携わってくださった皆様へ「ありがとう!」を伝える会でした。旧園舎で好きなところを絵に描いて発表をしたり、園歌をうたったり、竣工記念の手ぬぐいを渡したり。子ども達も会の趣旨を理解しているのか、終始温かい雰囲気の会で「ありがとう」の気持ちに包まれていました。

その後。。。

子どもたちは、取り壊しに向けて姿を変えていく旧園舎を毎日眺めています。2歳児の子どもはデッキから「こわさないで~!」と叫んでみたり、「壊れていくね。。。」としみじみとつぶやく年長組がいたり。引っ越し後程なくして旧園舎にありがとうを伝えるために、窓枠や黒板にもありがとうメッセージを書きにも行きました。先日は、まふぃん錦ヶ丘の子どもたちが、旧園舎にお手紙を書いて、貼ってくれました。

いろんな形でありったけの「ありがとうの気持ち」を伝えた、この1ヶ月。古いながらも楽しい思い出がたくさん溢れている旧園舎。今はまだ、形があるので実感が湧きませんが、本格的に取り壊しが始まるとまた、違う気持ちが生まれてくるのだろうと思います。あの園舎からたくさん巣立っていった子どもたちの中には、現在、お父さんやお母さんとなり帰ってきてくれいてる保護者の方や「ここでの園生活が楽しかったから」と言って保育士を志し、実習生として園に訪れる学生もいます。きっと、今の園舎でも楽しいことをどんどん見つけて、卒園しても「また行きたい!」と帰ってくれるのかな?と思います。また、そういう園でもありたいとも思います。

旧園舎、ありがとう!新園舎、よろしくね!

 

文責:後藤

 

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