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2024.06.29

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就学に向けて 5歳児(年長組)

 

年長組がスタートし、約3カ月が過ぎました。子ども達の会話の中で、ランドセル「見に行った!」「もう決めたよ!」などという声も聞かれるようになりました。

まだまだと思っていても、少しずつ就学に向けての準備が始まる季節。園でも就学へ向けて、少しずつ取り組んでいます。

先日参加した、「就学教育相談説明会」の中で鹿児島市教育委員会の先生がお話しされた内容を聞き、私自身が考えた事や保護者の方と共有したい内容も含め、今回は、就学へ向けてご家庭と共に考えていきたいことを紹介します。

 

生活の自立のために…

就学教育相談説明会の話の中で、「勇気くじきを無意識にしていませんか?」と投げかけがありました。

勇気くじき…って?どういうことなのでしょう。

例えば…

☆失敗させないために、最初から手を出していませんか?

☆子どもは、達成感を感じているのにダメ出しをしていませんか?

 

私自身、子育て中の一保護者として、「はっ!」とした内容でもありました。

我が子が困らないために…と先回りしてしまう事は、子どもの為には良くない事だったのかもしれない‥‥と感じました。

 

子ども達が感じる達成感や満足感は必ずしも大人が感じている物と同じではない事があります。自信満々で、「見て見て!」と見せてくれた作品や絵、内心(これは何だろう…)(完成しているのかな?)という場面もあります。そんなときも私たち大人は、「どこが難しかった?」「どんなところを工夫したの?」と子ども達の気持ちに寄り添うことを心掛け、「自分で作れた!」「がんばったらできた」「認めてもらえた」と子ども自身が思えるような関わり方をしています。

私たち大人ができる事は、子どもの力を信じて見守る事です。寄り添うことが勇気づけとなり、子ども達が安心して生活するための力を付けていく事なのだと改めて感じました。

 

 

園での取り組み

園では、どのような事に取り組んでいるのかというと…

◎靴の脱ぎ履きや着替えは立って行う

〇着替え・・床に座って着替える事も多い子ども達ですが、小学生になると自分の机で着替えをします。ゆくゆくは園でも机を準備して、場所を限定して着替えることができるように取り組んでいきます。

〇靴の脱ぎ履き・・園庭や散歩に出かける際など、立って靴を脱ぎ履きできるよう声を掛けています。だいぶん立って脱ぎ履きする姿も見られるようになってきました。

 

 

 

◎椅子に座って活動する

小学校では45分間、椅子に座って活動を行います。現在は、総合的な学習の中で教科を越えて学習が進められているので、初めから45分間ずっと座るわけではないのですが、少しずつその時間が長くなっていきます。

園でも机と椅子を出し、かるた・トランプ遊び等、文字や数字に関心をもてるような遊びを準備したり、植物などを見て観察しながら模写したりと様々な取り組みをしています。子ども達は、活動の中で花びらの形や枚数の違いに気づいたり、文章や絵で感じたことを表現するおもしろさを感じたりしているようです。

 

 

◎ランチルーム

椅子並べや他学年の配膳などの準備、自分の給食を食べる量を考えながら配膳しています。自分が食べられる量を考えることで、苦手な食材にもチャレンジしする姿も見られます。

また、みんなが集まるランチルームの準備を整えることで、「誰かの役に立っている!」という経験も子ども達の自信に繋がります。一緒に準備している保育者から「ありがとう!」「助かった!」と声を掛けられ、年少・年中の友達が食べる様子を見て嬉しそうにする姿も見られます。

 

 

今からできること

就学教育相談会の話で、私自身確かに!と改めて納得したことの一つに、「小学校まで歩く練習をぜひ今日からしてください!」という一言でした。これまでも「歩く練習はしてください!」と伝えていましたが、声を掛けるタイミングとして年度後半・年末ごろが多かったように感じます。

季節が変われば景色が変わりますね。

一人で歩くようになると、子ども達がどんなものに興味を持って、どこで足を止めるのか。就学までに、親子でぜひたくさん歩く機会を作ってください。

小学校までの道を覚え、四季折々の景色を親子で楽しみながら歩くことで、この季節にはこんな花が咲いているんだ。この季節はこの道は滑りやすいな。困ったことがあったらここに助けを求めればいいんだな。わが子はこんな事に興味があるんだななど、たくさんの発見があると思います。

 

就学に向けて必要な力

園では、今年度のアプローチカリキュラムを作成しているところです。就学に向けて必要な力とはどんなものがあるのか、いくつか取り上げてみたいと思います。

 

〇大切にする力…自分の思いを言葉で伝えられるようになる

〇生活する力…一日の生活に見通しを持って行動しようとする

〇学ぶ力…話を聞く必要性を感じ、意識して聞こうとする

関わる力…周囲の人の気持ちや思いに気づく

 

安心して生活するために、まずは「困った事など自分で伝えることができるようになること」「生活に必要な力をつけること」「話を聞き取る力をつけること」「自分の持ち物を管理できること」など少しずつ身につけることができればと考えています。

 

最後に、就学教育説明会で、「子ども達の良さをどのくらい言えますか?」と尋ねられた際、苦手な事はたくさん挙がっても、「良さ」と言われると、私も一人の親として少し考えてしまいました。謙遜という文化のある日本人の特性なのかもしれません。わが子のことを褒められると、つい謙遜して否定してしまいがちです。しかし、子ども達は謙遜するということを理解できているかと言うとそうではありません。

言葉のやりとりだけを受け取って「お母さんは違うって思っているんだ!」と受け取ってしまう事があるかもしれません。。せめてわが子の前では、素直に「ありがとう!」と受け入れる事、そして良さを挙げられる親になりたいと改めて感じました。

 

まだまだだと思っている小学校入学ですが、親子で楽しみながら、少しずつ小学校に向けての準備を進めていただけたらと思います。

私たちも、子ども達が就学を楽しみにできるよう見守り、サポートしていきたいと思います。

文責:田中

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