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2024.06.27

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五感を育てる梅しごと(3歳児・年少組)

すみれ組では、梅仕事の一つとして、さしす梅を作りました。子ども達は大きな梅や、色々な調味料に興味津々です。

今回は、その時の様子や、クッキングを通して育つ力をお伝えしていきます。

 

“さしす梅”とは完熟梅を、さ(砂糖)、し(塩)、す(酢)で漬けて干したものです。完熟梅は少し柔らかいので、優しく洗って拭いてあげてねと伝えると、子ども達は小さな手でそっと梅を包み込んで大切そうに扱っていました。触る中で梅の表面についている産毛のようなもの(もうじ)に気づいて「なんか、ふわふわするよ。」という子どもの姿がありました。

手元にあると梅の香りにも気付いたようで、鼻を近づけて「いい香りがする!」と教えてくれました。「桃みたいな匂いがするね。」という声もあり、香りから色々な記憶を思い出したのだろうなと感じました。梅に触れるだけでも、視覚、触覚、嗅覚などから色々なことを発見することができました。

洗って拭いた後は、爪楊枝を使って梅のヘタを取ります。梅を傷つけないようにヘタを取るのは難しいですが、皆、慎重に集中して取り組んでいました。指先を使ったり、力加減を考えたりすることは、手指の発達を促します。

しかし、さしす梅を作るのが初めの子どもが多く、難しそうに見える作業に前向きではない子どもの姿がありました。そこで、私たちは子どもの様子に合わせて「一緒にしてみる?」と声を掛けています。「できるかな・・・?」という不安な気持ちを受け止めたり、大人が少し介入したりすることで皆参加することができました。

梅のヘタをとり、瓶に入れて調味料を入れて一つの工程が終了します。子ども達が交代しながら、調味料を入れていきました。クッキングは、食への興味関心を高めることができます。

普段野菜が苦手な子でも、野菜を使ったクッキングすることで、少し食べてくれることもありました。クッキングと聞くと、ハードルが高く感じますが、食材を洗ったり、調味料を入れたり、混ぜ合わせる等、簡単な作業をお子様と一緒に是非やってみるのもおすすめです。

さしす梅は、土用干しをしなければならないので、これで完成ではありません。晴天の日に干すので、梅雨が明けるのを待ちます。なので、季節を感じることができます。待っている間も、梅の様子を見ながら「色が変わったね、しわしわになってる!」と、変化に気付くこともありました。

このように、梅仕事は五感を使うことで、様々な感覚を育てることができます。簡単な作業ではありませんが、丁寧に手作りをすることで、季節を感じながら、完成までの経過を待つのも楽しいものです。出来上がったさしす梅は、暑い夏の時期の塩分補給に活用したいと思います。さしす梅が、美味しくなりますように・・・・

文責:唐仁原

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