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2020.07.10

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子どもが主役 1歳児つくし組

認定こども園 錦ヶ丘の保育は、子どものつぶやきや興味を持っている事を保育教諭がしっかりと見つめ、保育室や環境、言葉かけにたくさんの仕掛けを作り、その仕掛けを子ども自身が発見し、「こんなことをしたい!」、「これってどうやったらこうなるの?」、「こうしたらいいかも!」と、子ども自身が能動的に動く、“常に子どもが主役の保育”です。

 

教育要領が改訂され、『非認知能力』への着目が挙げられています。非認知能力とは【読み・書き・計算】などの認知能力ではないもの、あるいは数値化しにくい能力の事をいいます。

  1. 何かに熱中・集中して取り組む姿勢
  2. 自分の気持ちをコントロールできること
  3. 他者とうまくコミュニケーションできること
  4. 自分を大切に思える事

こうした非認知能力を身に付けるためには、土台として、大切な大人との”アタッチメント”【不安な時にしっかりと大人にくっつき、確かな安心感を得る中で形成される情緒的な絆】が大切です。

 

 

最近の1歳児つくし組は、私達保育教諭との信頼関係が築かれ、「この人がいてくれるなら大丈夫」、「この人がいていてくれるから頑張る」という姿が見られるようになりました。私自身、長年“一斉保育”と呼ばれる、集団を重視した保育を展開してきた一人です。教育要領の改訂とともにあらゆる本を読み、教育要領を自分なりの言葉で理解し、これからを生きる子ども達の土台を育てるためにはどのような保育が良いのか考える毎日です。

 

それではここで“一斉保育”と呼ばれる保育について具体例を説明します。

テーマ:『さかな』(折り紙)

  • 材料準備:保育教諭
  • 作り方:保育教諭がひとつずつ説明しながら作る。
  • 子ども達:保育教諭の見本を見ながら作る。
  • 出来上がり:みんな同じもの
  • 保育士の見立て方:出来栄えや過程からその子の苦手とする部分を補っていこうとする

材料は折り紙、作り方は先生の折り方を見ながら折る。難しい子には近く寄り添って作る。完成した子は完成するまで待っている。

 

というものです。皆さんの幼少期もこのような保育ではありませんでしたか?折り紙を折るのが苦手な私にとっては、みんなで折り紙をする時間がとっても苦痛な時間でした。「また折り紙か…」、「雨が降っているからきっと今日は折り紙だ…」と、幼い子どもながらに思っていた記憶が鮮明に残っています。

 

 

それでは現在私達が行っている”主体的・応答的な保育”とはどういうものでしょうか。ここでも具体例を一つお伝えします。

  • テーマ:『さかな』
  • 材料準備:子ども自身が調べて準備
  • 作り方:子ども自身が調べてあらゆる方法で完成へ持っていく
  • 出来上がり:みんな違うもの、みんなでつくりあげたもの
  • 保育士の見立て方:今何に興味を持っているのか、専門的な視点で”幼児期に育ってほしい10の姿”(文部科学省が小学校入学までの幼児期に育ってほしい姿として示したもの)にあてはめながら今はこれを習得させてあげたいというものをあたかも子ども自身が発見したかのように準備し、作り上げていく過程を見極める。

 

というものです。同じ『さかな』というテーマでも、一斉保育と主体的・応答的な保育では主語が違います。

“一斉保育”は保育教諭、“主体的・応答的な保育”は子どもなのです。

 

過去の私が今の保育を経験するとしたら、折り紙が苦手だけど色合いは好き、折るのは苦手だけどハサミが得意という、自分の良さを生かして折り紙を切ったり貼ったりしながら作っていたかもしれません。

自分の“ストロングポイント”(長所・良さ)を生かせる毎日ってキラキラ輝いて見えませんか?

 

 

安心できる環境、安心できる人と一緒に遊ぶ子ども達。

安心できているからこそ新しい素材に触れ、自分で遊びを見つけ出してほしいという願いを込め、“おはながみ”の素材を準備し、保育教諭は素材に触れず、子ども達の姿を見守るという活動を行いました。

あえて4日間同じ“おはながみ”という素材に触れる中で、子ども自身が紙の特性をつかみ、“つかむ・やぶる・ちぎる・にぎる・つつむ”という様々な指先の動きを引き出すことが出来ました。そして、その経験から自然と言葉がうまれ、握る=「ぎゅっ」、やぶる=「びりびり」、つつむ=渡す・「どうぞ」という、行動に伴う言葉も引き出すことに成功しました。

 

 

私が『指先・手の動きを引き出す活動をしたい』という意図をもって準備した素材の“おはながみ”でしたが、その意図通り子ども達は自分で遊びを見つけ出し、様々な指先の動きや素材の使い方をしながら、「自分でできた!」、「みてみて!すごいでしょ!」という気持ちを育むことが出来たと感じています。

 

 

1歳児つくし組の保育は今後もどんどん変化します。

子ども達が毎日成長しているように子ども達の興味関心も日々変化します。その変化を敏感に感じ、私達も子ども達と一緒に成長する毎日です。

文責:水之浦

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