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2021.08.17

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一冊のお話から…(年少少2歳児 くるみ組)

『ハチドリのひとしずく ~今、私にできること~』 監修 辻 信一

 

理事長からの紹介で出会った1冊の本。

冒頭にアメリカの先住民に伝わるお話が描かれています。

ご存じの方もいるかもしれません、以前テレビドラマのモチーフとなった一冊でもあります。

 

私はこの本に出会い、「2歳の子ども達にどのように伝えたら、内容が伝わるだろうか…」と考えていました。

すると、保育士の一人が「紙芝居作って、今持っている!」ということで、見せてもらったのです。彼女の行動力と発想の豊かさには、日頃から、多くの刺激を受けていました。

 

早速、ある土曜日に、年少少・年少組の子ども達へ紙芝居を読んでもらいました。

子ども達はどのような事を感じるのだろう…

お話の本来の意味は伝わるのだろうか… といろいろなことを考えながら、様子を見守りました。

 

 

話を聞く様子から、子ども達は普段から色々な絵本に触れ、それぞれが色々な事を感じ取っていることが伝わってきていました。

普段手に取る絵本と比べると、絵のタッチにも特徴があり、子ども達が好むものではないかもしれません。

しかし、保育士が紙芝居を始めると、食い入るように見る子ども達の姿がありました。

 

 

紙芝居を終え、感じたことを伝え合ってみると…

 

「優しいね」と年少組の男の子。ハチドリの行動に優しさを感じ伝えてくれました。

またある子は「怖かった」。山火事の場面です。

他にも

「クリキンディがお水を運んでいた」

「たくさん動物がいた」子ども達の気付きがありました。

 

『皆だったらどうする?』という保育士の声に

「助けてあげる」

「よしよしする」

2~4歳の子ども達なりに理解が出来た瞬間だと、感じました。

保育士の思いが伝わった瞬間でもありました。

 

子ども達の主体性を大切にしながらの保育。しかし、主体性とは何なのか…。

自分がやりたい事、好きな物だけに触れ毎日を過ごしていると、出会いを逃すこともある。

そんな時に私達は、「私が好きなお話呼んでもいい?」「私これ大好きだから、みんなにも紹介したくて持って来たんだ」など、紹介する事ともしばしば。

一冊のお話を通して、思いやり、世界平和、「自分にできることもある!」「自分にしか出来ないこともある」ということに気付くことが出来たらと考えます。

 

ただ、このお話はクリキンディー(ハチドリ)だけが称えられるお話ではなく、助けなかった他の動物たちの背景にも注目されています。

助けることが出来なかった理由…

後ろに子どもを抱えていたのかもしれない…

火を消すすべを知らなかっただけかもしれない…

 

だからこそ「ただ、私にできることをしているだけ」なのだと私は受け取りました。

 

 

自分が出来る何かに気付くことが出来るようになる為には、多くの経験や考える力が必要です。

いま私たち保育士にできる事、それは、将来子ども達が気付き、考えることが出来るように色々なアイディアの種まきをすることだと考えます。

子ども達の明るい未来のために…。

 

文責:田中

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