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2022.01.21

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聞く大切さ、話す経験(5歳児 年長組)

3学期がいよいよ始まり、こども園での生活もあと少しとなりました。

こども園でやりたいことや、就学に向けて取り組みたい事など、子ども達と保育者がますます一体となって取り組んでいく事が多い学期です。大きな期待と少しの不安が混ざり合いながらも、子ども達は「小学校に行くんだ!」という意気込みが感じる今日この頃です。

 

その中でも、今まで取り組んできたことで、子ども達がとても伸びてきたなと感じた、聞くことと話すことをご紹介したいと思います。

 

 

サークルタイム


みんなで丸くなり、保育者からの簡単な質問に答えたり、自分の経験や思いを話したり、友達の話を聞く時間を、こども園では「サークルタイム」と呼んでいます。

単語だった発言も、2歳児くらいからは「○○したよ」と2語文で表現できるようになり、だんだんと自分の思った事や出来事を話せるようになってきます。

でも、「みんな話そうね」と無理強いする事はありません。まずは質問に手をあげて答えたり、発言してみたりと様々な方法で表現します。

中には、「話したくない」と思っている子ども達もいます。その子の気持ちを考え、無理強いすることはありません。そんな時には「話さない」という選択も受け入れつつ、一緒に友達の話を聞きます。

 

 

 

「話してみたいな」「聞いて欲しいな」


「話す」「話さない」を続けていきつつも、話したい時に話す経験を積んでいく事で、少しずつ自分の思いを言葉にしていけるようになります。

その経験から、どんどん表現できる子どももいれば、それでもなかなか自分から言い出せない子もいます。恥ずかしかったり、話したい気分でなかったり…理由は一人一人それぞれです。どうやって話していいか分からず、考える子もいます。

その時保育者は、前述とおり、自分の意思表示が出来たり選択できたりするような質問に変え、選んでもらうことから始めます。

次第に聞かれることや、選択すること、また、保育者や友達、周りの環境に慣れてきて、1対1での会話や友達との会話が弾んでくると、サークルタイムの時に少しずつ発話が増えてくるようになってきます。

そして、サークルタイムの経験を重ねることで、友達の話もしっかりと聞けるようになってきます。

まずは「話してみたいな」「聞いて欲しいな」という気持ちを引き出すことが目的です。

 

 

 

話せるようになったよ!


このようにこれまでサークルタイムを経験してきた年長組は、次第に「話さない・言わない」という選択をしなくなっていきました。

自分の事を、自分の言葉で話せるようになってきたのです。

 

年長進級時に、保護者の皆様にこう伝えています。

「親子での対話を大事にして欲しいです」

この言葉を聞いて、いつも話を聞いてるはずだけどなぁ…なぜそんなことを園の職員は言うのだろう…と思われた方もいらしゃるかもしれません。

 

お父さん、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃんなど、身近な家族としっかりとコミュニケーションを取り、自分の気持ちを表現したり、相手の話を聞いたりという基本こそが、家族以外の人に自分の気持ちを伝えたり、相手の話を聞いたりできるようになるということにつながります。

そしてそのような経験が、集団の一員となった時に自分の気持ちを表現する力になります。

 

もしかしたら「家ではすごく話すのに、みんなの前では話せない…」という方もいらっしゃるかもしれません。

でも、大丈夫です!身近な人に自分の思いを伝えることができていれば、自分のタイミングで、きっと他の人に伝えられたり、集団の前で発表できたりできるようになります!

そのような経験を通して、子ども達は、自分のことを伝えられるようになり、他の人の話を聞けるようになってくるのです。

 

 

 

次は…


サークルタイムで話せるようになった年長組の子ども達は、次のステップに進もうとしています。

「わたしは〇〇です。」

と、主語や述語を使い、文章にして伝えることができるようになってきていることです。

 

小学校に進学すると短いスピーチ、そして中学校以上になれば、面接で自分の事をアピール。

社会に出れば、もしかしたら自社製品をアピールするような職業につくかもしれません。

結婚になれば、自分の良さをたくさんアピールしないとゴールインできないかも!

…ちょっと飛躍し過ぎたかもしれませんが、人生を歩むにあたり、たくさん、自分を表現していかなければならない場を経験していく子ども達。

 

幼児期にこのように少しずつ自分を表現できる場を経験することで、きっと表現することを恐れず、自分をアピールし、生活出来るようになることでしょう。そして、子ども達の成長はそれぞれですが,その子の「よし」と思ったタイミングで、自分を表現できるようになっていきます。

このサークルタイムを通して、それぞれの成長を見せてくれ、「今」を大事にしてきたお陰で、自分なりの表現ができるようになったきた子ども達です。残りの園生活で、その成長を認め、共に喜びながら過ごしていきたいと思います。

 

 

文責:桑元

 

 

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