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2023.10.02

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みそこちゃんに出会えますように★(年長組)

毎年恒例の味噌づくりを年長クラスで行いました。

年長組で行う目的として、昔ながらの方法で手作りすることを通して、食の経験を豊かにすること。そして、給食の食材に興味を持ち材料や作り方を調べようとすることを設定していました。


まず、味噌の材料を知るところから始めました。

「何からできているのだろう、、、?」と子どもたちに尋ねると「麦!」と答えた子ども達。

「他には、どんなものを使っている?」と質問を繰り返しましたが、なかなか答えが出ず、「麦の他に米と麹、塩が必要なんだよ!」と伝えると、「お米も使うんだ!」と驚いている子どもたちでした。

また、「味噌作りは4日間!」子どもたちに工程を伝えると「時間かかりすぎ!」「めんどくさい」という声。

そこで、昔の人たちは機械もない時代なので、全部手作りだったことや、みんなのためにご飯を作ってくれる給食室の大人やお母さん、お父さんはこのように時間をかけて、みんなにご飯を作っているということを伝えました。すると、「大変なんだね」「ありがとうを伝えないとね」という温かい声に変わり、子どもたちの素直さを感じた場面でもありました。食育とは、食材を触ったり食べたりすることを楽しむことも一つですが、私は食材を作った人や料理を作ってくれた人への感謝の気持ちも大事にして欲しいなと感じていたので、思いが伝わり、とても嬉しく思いました。

私は祖母が味噌を手作りしていたので味噌づくりに必要なものはなんとなく覚えています。経験のない子どもたちにとって、途方もない活動のように感じたかもしれませんし、味噌は味噌という認識であり、様々な具材が混ざっているものという認識に結びつかなかったようでした。子どもたちにとって、今回の経験が大事な学びに繋がるといいなと思います。

 

さて、4日間のスケジュールは以下の通りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このスケジュール表があることで、子どもたちが「今日は混ぜる日だね」と、見通しと期待を持って活動していました。

 

一日目・・・麦と米を洗う。

普段から米炊きの経験があるので、洗う作業はお手の物。慣れた手つきで麦と米を洗いました。

 

二日目・・・洗って保存していた麦と米に麹を入れ混ぜる。

麹を均等に混ぜ入れました。少し膨らんだ麦と米の感触に驚きながらも、しっかり混ぜてくれました。

 

三日目・・・蒸して菌が繁殖している麦と米をほぐす。大豆を洗い、水に漬ける。

麹菌が繁殖し、鼻にツンとつく匂いに驚くとともに、麦と米が菌で真っ白に。

「臭ーい!」と言いながらも固まった麦と米を一生懸命バラバラにほぐしてくれました。

 

四日目・・・大豆を潰し、麦と米を混ぜる。味噌玉を作り、保存容器に入れる。

四日目は年長組のみんなで行いました。味噌づくりの一番大事な工程です。

今まで活動に興味を持てなかった子どもたちも膨らんでいる大豆や麹菌のにおいに興味津々。

蒸した大豆を指でつぶし、ぐちゃっとした感触を楽しんでいました。

そして、その中に麦と米を混ぜ入れ、大豆と合わせました。

味噌玉を作る工程では、いつも園庭で行っている泥団子作りの経験がとても生きていました。

ぎゅっぎゅと両手で空気が入らないように握るのは大人でも難しい事です。

 

 

味噌の出来上がりは11月頃です。それまで給食室の清潔な場所に保存します。


味噌作りをするにあたり、子どもたちと読んだ絵本があります。それは『みそこちゃん』(出版元:あかね書房 作絵:かとうまふみ)という絵本です。

その絵本では、味噌を寝かせている間に、味噌の妖精(みそこちゃん)が出てきて、一緒に完成を待ちます。

出来上がりの直前で消えてしまう妖精ですが、美味しい味噌になって帰ってくるという内容です。

 

「今日は味噌見に行ってみたいな~!」「出来上がりはまだかな~?」と完成を楽しみにしている子どもたち。

そんな子どもたちと、そして錦ヶ丘のみそこちゃんと、完成を待ちながら過ごしたいと思います。

今回の味噌づくりの経験を通して、昔ながらの作り方を知ったり、生産者や料理を作ってくれる方々に感謝の気持ちを抱いたりしてくれたらとても嬉しいなと思います。

 

今後、この味噌の使い道を子どもたちと話し合っていく予定です。

 

文責:中村

 

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