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2024.08.27

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幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿(年長 5歳児)

私たち保育者が子ども達と関わる中で大切にしている視点があります。

その中の1つが『幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿』です。

ブログの中でも「10の姿では〜」という言葉を見かけるのではないでしょうか。

 

『幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿』って何?

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」と聞くと、卒園するまでにできていないといけないと思われるかもしれませんが、到達するべき目標でも、「できた」「できない」で判断するためのものでもありません。

子どもにどのような資質、能力が育っているか、その子なりの育ちを読み取るための手立てとなるものです。

保育を行う上でのねらいと内容を「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5つに分類して示したものが「5領域」です。

「10の姿」は、この5領域それぞれの中から、年長の時期に特に伸張していく項目を10個選んで少し具体的に表しています。

今回のブログでは、「10の姿」の中から「自立心」「思考力の芽生え」「協同性」「社会生活との関わり」について、年長の活動を通して、育っている姿をお伝えします。

 

こども園の「遊び」や「生活」には、「10の姿」がいっぱい!

乳幼児期の子ども達は「遊び」や「生活」を通してたくさんのことを学んでいきます。

例えば、

・さまざまな体験を通して、感じたり、気づいたり、わかったり、できるようになる

・気づいたことやできるようになったことなどを使って、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする

・心情、意欲、態度(楽しいこと、おもしろいことをみつけること、熱中し、何度も試すこと、難しい事に粘り強く挑戦することなど)が育つ中で、よりよい生活を営もうとする

このように「遊び」や「生活」を通した学びが、小学校以降の学びや育ちに繋がっていきます。

 

上記の写真は、年長クラスで色水遊びをした時の写真です。

色水を作る前に子ども達は、色の組み合わせでどんな色ができるかを考え、予想をたてました。

そのあと、実際に絵の具を混ぜてみると、「思った通りになった!」という子どももいれば、「ちょっと違った」という子どももいました。

思い通りにいかなかった子どもも「思っていたのとは違ったけど、こんな色ができるんだ!」と気づいたり、「もう1回やってみる!」と納得いく色ができるまで試行錯誤する姿が見られました。

このように、遊びを通して、

身近な素材や道具を使って、自分で考えたり工夫したりして遊ぶ 「自立心」

物の特性や仕組みについて考えたり、予想したりして遊ぶ 「思考力の芽生え」 などが育っていきます。

 

上記の写真は、年長の子ども達が当番活動をおこなっているところです。

自分たちにできることを考え、掃除機を使って掃除をしています。

どのように掃除すれば部屋がきれいになるか2人で話し合い、協力しながら掃除機をかけていました。

活動を通して、

クラスの友達と協同して掃除を行い、充実感を味わう 「協同性」

人の役に立つ喜びを感じる 「社会生活との関わり」 などが育っていきます。

 

このように、こども園の活動の中には「10の姿」が育つ環境や活動がたくさんあります。

私たち保育者は、子ども達と対話しながら、子どもたちが何に興味関心を抱いているのか、何に意欲的に取り組んでいるのかなどを捉え、子どもの生活や発達を見通して活動を計画したり、環境を構成したりしています。

こういった遊びの積み重ねで育まれた力は、園訓にもうたわれている「強くたくましく、型にはまらない野性味溢るる子どもにそだてましょう」に繋がり、子どもたちを取り巻く環境が大きく変化していくなかでも、VUCAの時代(変動・不確実・複雑・曖昧な時代)を生き抜く力となっていきます。

 

最後に

人の育ちは、よく木に例えられます。

人の育ちで見てみると、根っこの部分は乳幼児期です。この時期に地面からたっぷりと栄養を吸収し、しっかりとした力強い根っこを育てることが大切になります。

根っこがしっかりしていると、木の幹が大きくなり、枝が広がり、たくさんの花や実がつきます。

しかし、木の根っこが外から見えないように、人の根っこである育ちもなかなか目には見えません。

国語や算数のように「○点」と数値化されるものではないため、保護者の方の中にも「うちの子、大丈夫かな?」とお子さんの育ちに不安になられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで、子どもの育ちを見るための視点が冒頭で述べた「10の姿」になります。

10の姿をもとに子どもの成長を捉えると、子どもに育っている力が見えやすくなります。

また、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を手がかりに子どもの姿を共有することで、幼児教育と小学校教育の円滑な接続を図ることができ、今後の小学校生活へスムーズに移行する事にも繋がります。

これからも「10の姿」を通して、一人ひとりの育ちを大切に見守り、日々の保育を行っていきたいと思います。

 

文責:淵上

 

参考文献:幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説

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