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2024.11.28

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友達との関わりの中で(年長)

日常の保育の中で、友達との関わりについて考える機会が多くあります。

今回は、年長組の子ども達の発達は今どのような段階にあるのか、小学校就学に向けてどのような関わりが必要か、一緒に考えたいと思います。

コミュニケーションスキルって何?

コミュニケーションスキルと一言で言っても、「状況、言葉、非言語コミュニケーション」と「表現、体でのコミュニケーション」、「言葉でのコミュニケーション」があります。

状況、言葉、非言語でのコミュニケーションは、イメージを共有して遊ぶことができたり、友達の気持ちを推理しようとしたりする。

表現や身体でのコミュニケーションは、集団の決まり事を理解し従おうとする。泣くことが減り、泣くという感情表現を我慢しようとしたり隠そうとしたりする姿。ふざけたりおどけたりすることも5歳児の姿です。

言葉でのコミュニケーションは、交代で会話をしようとする。話に道筋をつけて会話しようとする。自分の気持ちやしたいことを話す、したくない事に対して「できない」「しない」と言えるようになるのもこの時期です。また、話題に合わない話が少なくなり、全て話さなくなる。話題を転換しようとするという姿も見られるようになる時期でもあります。

日常生活でも、「友達がこうした」「こう言った!」という言葉が多く聞かれます。この時期は、相手にも気持ちがあることはわかっていても、まだまだ聞き入れることができないこともあります。

年長組の話し合い活動の様子

自分の気持ちばかりを伝えることが多かった、クラスのサークルタイム。繰り返し経験する中で、相手の気持ちを考えたり、相手にわかる説明をしようとしたりする姿が見られるようになってきました。

しかし、大人数でのサークルタイムではなかなか気持ちを伝えることができない子ども達の姿が見られたことから、少人数でのサークルタイムやいろいろな友達との会話を楽しむ活動を取り入れ、友達に話を聞いてもらえる喜びや友達の気持ちを知る経験を多く持てるよう時間を作りました。

今月実施した、人権サークルタイムでは「みんな違ってみんないい」「それぞれの考えがあっていい」「自分の気持ちも相手の気持ちも大切にしよう」というような内容で話し合いました。このことをきっかけに、これまでは、何となく、友達がしているからと遊んでいた子ども達もいましたが、「自分がやりたい遊び」を選ぶようになったり、友だちの気持ちを聞いたりできるようになってきました。

また、会話の楽しさを感じてほしいという保育者の思いから、いつも一緒にいる友達ではなく、違う友達と一緒に「今日楽しかったこと」「好きな食べ物」など伝え合う活動を行いました。いつもはあまり発言をしない子ども達も積極的に話しする姿が見られ、保育者の「一緒に話をした友達はどんなことを話してた?」の問いに、友達から聞いたことを、詳しく発表する姿も見られました。自分のことを話してもらった子どもからは、「話を聞いてもらえて嬉しかった」「友達とおしゃべりして楽しかった」という意見も多く聞かれ、会話をする喜びや楽しさを感じることができたのだと感じました。

これから大切にしていきたい事

友達に話を聞いてもらえる経験を通して、自分の気持ちを伝えることの大切さや喜びを感じている子ども達。話を聞いてもらえる喜びから、コミュニケーションスキルも上がっていく事を期待しています。

コミュニケーションには、言葉で伝え合う以外に、スキンシップもあります。

友達と抱き合ったり、顔を近付けたりする姿もよく見られます。スキンシップを取ることは悪いことではありませんが、いつでもだれにでもべたべた触っていいというものでもありませんね。

園では、パーソナルスペースについて話をしています。話をするときや遊ぶ時の距離感について考え、友達の顔や体を勝手に触ることは良いことなのか…。自分は良くても、相手はどんな気持ちだろう…という視点を持って、相手との距離の摂り方について考えています。これから小学校に就学していく子ども達。お互いが気持ちよくかかわっていく方法をご家庭と一緒に考えていけたらと思います。

文責:田中

参考文献

郁洋社「保育内容 5領域の展開 保育の専門性に基づいて」髙山 静子

 

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