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2024.12.26

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救急救命研修を行いました。

今年度、9月から全職員を対象に誤嚥窒息を想定した救急救命研修を行いました。

昨今、乳幼児施設内での給食時の誤嚥窒息事故が報道されています。同じ年代のお子様をお預かりする施設職員として、とても胸を痛めています。

誤嚥窒息の発生件数を調べてみると、対象者は、0歳から14歳で、平成29年から令和3年の5年間で誤嚥窒息事故は418件あり、特に0歳児の事故が多く、ベッド内での窒息や絞首が125件、食べ物や物による誤嚥が222件あり他年齢児のより圧倒的に多いことが分かりました。このような痛ましい事故を起こさないために、園内研修として誤嚥窒息を防止する園の仕組みや環境について、有事の際の対応や職員間の連携について学びました。

事前研修として吉野分遣隊の救急救命士による誤嚥窒息時の救命講習を受けました。分遣隊の方から姶良市の誤嚥窒息事故についてお聞きし、お子さんを亡くされたご家族の思い、その場で子どもの命を救おうと対応した保育士の気持ち、周りにいた子どもたちは友達の様子が変わっていく様子をどんな気持ちで見ていたのだろう、、と色々なことを想像し、改めてこの研修の必要性を強く感じた機会になりました。

 

 

園内研修では、事前研修を元に今、園の職員の実態に合わせて以下の内容を研修しました。

・誤嚥窒息をおこさないための環境の工夫や見守りの視点

・実際に起きた時の救助法と職員の連携について

講師は、本園看護師の永江が務めました。職員は事前課題として、東京都と姶良市の誤嚥窒息事故報告書を読んでから参加しました。

 

誤嚥窒息をおこさない環境の工夫や見守りの視点

トイレットペーパーの芯を通るものは、窒息する可能性が高いものと言われています。

園庭や保育室には、子どもたちの発達を促すために、多種多様なおもちゃや素材があります。私たちは保育の中で、「事故を防ぐために与えない」ではなく、「どんな工夫すれば安全か」、「子どもたちに必要な環境を作るにはどんなことが必要か?」という視点で環境を整え、リスク管理の視点を持つようにしています。また、安全な見守りをするために職員同士で「ここの子どもたちを見ています。今、ここで○○の活動しています。ここは、こういう危険も伴うから、○○の視点で見守りをしましょう!」など、互いの思いを言葉にし、丁寧な見守りをするよう心がけています。

食事の場面でも、子どもの見守りの視点は変わりません。職員は視点を分散するために、子どもたちをぐるっと取り囲むように見守りをしています。その時に「詰めこんで食べるときは言葉を掛けよう」、「噛みにくそうにしている時は、咀嚼の経験を奪わない程度の大きさに切り、提供しよう」など、気を付ける視点を共有しています。

 

救助法と職員の連携

どんなに気を付けていても「もしも。。。」はあるかもしれません。有事の際に落ち着いて対応できるように、救助法と職員連携の在り方について学び、シミュレーションを行いました。

異物が詰まった場合には、背部殴打法や胸部突き上げ法で異物を取り除くことを試みる、異物が見えていても決して、指を口に入れない。子どもの反応がなくなったら心肺蘇生をする、119番通報をするなどを学び、いざ、シミュレーションへ。

設定は、「1歳児の子どもが給食中に食べ物をひっかけ、意識が朦朧としている。救急車到着までの10分間、どうしたらいいのか?」でした。

「姉妹法人と連携を図ろう」、「周りの子どもたちがショックを受けない様にするためのフォローをしよう」、「保護者の気が動転しない様に言葉に気を付けながら電話をしよう」と、真剣に取り組んだ10分間でした。「今日は人形だったけど、もしこれが本当に起きたら。。。」、「あっという間の10分だった。窒息している子どもを助けることに集中したけど、職員の連携があることで、救急隊に繋ぐまでにもできることがあると思った」など感想が聞かれ、学びが深まったことを感じました。

錦ヶ丘には、安全防災担当チームがあります。毎月、園内で起きたヒヤリハットについて分析、職員に共有し同じヒヤリハットを起こさない仕組み作りや、月に一度、設備管理を行う安全点検を行っています。不備がある場合はその都度修繕をし、幅広い視点で安全管理を行っています。危険因子をすべて取り除くことはできませんが、子どもたちの育ちを支える施設としてふさわしい環境を作るために、全職員で研修を重ねていきたいと思います。

 

文責:副園長 後藤

参考文献 こども家庭庁 「子どもの不慮の事故発生傾向」

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