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2023.02.07

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『虐待防止の取り組み』の研修を受けて

1月21日(土)に、社会福祉法人吾子の里きずな学園相談支援専門員の、浅田茂毅さんをお招きして まふぃん錦ヶ丘で行われた職員研修に、こども園からも2人参加させて頂きました。

今回の研修のテーマは『虐待防止の取り組み』。虐待防止というと、法律や組織の体制の話のイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?

法律等に限らず、今回の研修では、虐待そのものや虐待に繋がりかねない芽を見逃さないために、私たちがどのような工夫ができるのか?という視点を多く学び、普段の関わりを振り返ることができました。

 

私たちの仕事・立場について理解する

人と人が一緒に長い時間過ごす保育や介護などの福祉の現場は、沢山の人達の“感情“が交錯する空間です。

相手の感情に向き合いながら、自分の感情をコントロールしながら関わっていきますが、近い距離で一生懸命向き合えば向き合うほど、ものすごいパワーを使うのが事実です。

・保育に関わる自分たちは、利用者=子ども達の一番身近にいること。

・虐待や不適切な関わりをしかねない立場にいること。

・虐待や不適切な関わりを発見しやすい場所にいること。

これらの点を一人ひとりが自覚しておくことで、未然に防げるものがぐっと増えると浅田さんは仰っていました。

 

日頃の関わりの中でしていないかな?

自分達がそのような環境・立場で仕事をしているということを踏まえた時、私がハッとしたお話の一つに『無意識にしていることを見直す』というものがあります。

 

例えば、子ども達が遊んでいる場で「〇〇ちゃんウンチ出た?」「出てたよ!」というやり取り。保育現場では、当たり前のようにされる会話の一つです。

けれど、その会話を聞きながら「〇〇ちゃん」はどう思っているのでしょうか?

例え0歳児、1歳児だとしても、子ども達一人ひとりには人権があり、心があります。自分の排泄の話を、人前でされて良い気にはならないですよね。

 

また、「折り紙で鶴を折りましょう!」という浅田さんの声かけで、一斉にみんなで鶴を折ったワークがありました。

折り紙が得意な人、苦手な人、そもそも鶴ってどうやって折るんだっけ!?となっている人… いろんな姿がある中、浅田さんは「早く!人の手元を覗かないの!早くして!!」と急かす言葉をかけられました。

しばらくそのような声かけが続いた後、一転して「ゆっくりで大丈夫だよ、困った時は周りの人を頼っていいよ」と穏やかな言葉かけに変わりました。

それまでの焦りの気持ち、「浅田さんどうしちゃったんだ!?」という気持ちから、ホッとした気持ちへ。自分の心持ちが180度変わることを体感しました。

言葉のチョイスそのものだけではなく、勢いや表情、ペース、声量等、様々なものが混ざり合っての言葉かけであることを強く感じました。

 

『大人がされて嫌だと思うことは子どもにもしない』

着替え等で体に触れるときには必ず一言かける、「あなたのペースで、あなたのままで大丈夫だよ」と大人がゆったり構えて見守る等、日頃意識してはいますが、もっと心掛けられること、心掛けなければならないことは沢山あるのだと気付いたお話でした。

 

 

怒りとの付き合い

人と人が関わりながら過ごす時に起こる感情の一つ“怒り“。

怒りの感情が起こるのは、理想と現実の間のギャップ=「こうある“べき“」という考えがあるからと、浅田さんは仰っていました。

相手と自分とで全く同じ「べき」から、違いがあり許容ができる「べき」、違いもあるし許容もできない「べき」と、個人で感覚に違いがあるそうです。怒りの感情が湧いた時に、「私は〜と思ったけど、あの人は・・と思ったのか」とそれぞれの感覚の違いを全体に考えると、「こうある“べき”なのに!」という怒りも少しは和らぐのかもしれませんね。

 

また、怒りの感情が湧いた時に自分がどうなりやすくて、それにどう対処するのか!という自分が落ち着くためのプランを持っておくと良いですよ!とのことで、研修の中で少しプランを書いてみました。

他にも呼吸を意識したり、8秒数えてみたり…等、様々なクールダウンの方法があります。

皆さんもぜひ、やってみてください!

 

意識を共有する職場づくり

普段から錦ヶ丘でも、

「わたし代わるよ!」「ちょっと代わってほしい!」

「さっきの〇〇良かったよ!」「さっきの対応はどうだったかな?少し怖かったかもよ」

「今日なんか元気ないように感じるけど、少し調子悪い?無理していない?」

「わたし今日少しお腹が痛いから元気ないように見えるかも…(自己開示)」等と、職員間で声をかけあっています。

上司部下関係なく、お互いを認め合い、相手のことを知ることで防げるものが多くあると感じています。

 

 

『起こった時にどうするか』ではなく、『起こさないためには何ができるか』。虐待予防は、きっと、一人ではできないことです。

園全体が一つのチームとなって子ども達みんなを見守るために、子どもを真ん中にして、より良い・子どものための保育をもっともっと追求するために、これからもお互いに声をかけあっていきたいと思います。

 

参考

研修で教えていただいたものを2つご紹介します。お時間ありましたらぜひ!

*「手をつなぐ育成会」大阪支部作成の虐待予防啓発パンフレット(被虐待者向けにつくられたものでとてもわかりやすいです!) http://zen-iku.jp/wp-content/uploads/2016/05/02gyakutai_panf_web.pdf

* こころの耳『5分でできる職場のストレスチェック』 https://kokoro.mhlw.go.jp/check/

 

 

文責:迫田

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