お知らせ
2025.02.03
Blog
ダイバーシティーと私たち大人の関わり
ダイバーシティってご存じですか?
ダイバーシティ(Diversity)は、日本語で「多様性」と訳されます。人種・年齢・性別・能力・価値観などさまざまな違いを持った人々が組織や集団において共存している状態のことをいいます。それぞれが持つ違った能力を活かし、組織の競争力を高めようとする取り組みを指し、国際的にこのような取り組みが重要視されています。
日本の企業でも、私たちの園でも「多様性」の取組を推進しているところです。
ダイバーシティは大きく2種類
表層的ダイバーシティ~年齢、性別、国籍、人種、民族、障害の有無等の見た目で判別しやすく、自分の意思とはあまり関係がなく、基本的に自分の力で変えることができない違い
深層的ダイバーシティ~価値観、仕事観、宗教、学歴、職務経験、コミュニケーションの取り方、受けてきた教育(→人によってはデジタル格差もある)、第一言語、嗜好、組織上の役職や階層等の見た目では判断しにくい違い
どうしてダイバーシティが重要視されるのか
鹿児島では保育士不足や運転手不足が顕著ですが、社会構造の変化により、さまざまな業種で人手不足が起きています。今後も人口減少が続くと予想され、企業にとっては多様な人材を受容できる体制づくりをすることが課題といわれています。
消費市場も多様なニーズがあり、日本だけでなく世界を視野にいれた競争となっており、「みんなと同じ、今までこうしてきたから…」という考え方から脱却することの必要性があり、そこにダイバーシティの推進が重要視されてきています。
子ども達とダイバーシティの関係性
「子ども達とダイバーシティ」はどんな関係性があるの?と思われますよね。
15~20年後の社会で20歳~25歳になっているのが、私たちの目の前にいる子ども達です。
その頃の社会は、「ダイバーシティ」がもっと推進され、様々な多様性の中で仕事をし、家庭を築き、子育てをしていく時代です。
日本でジェンダー平等がもっと進み、女性が男性と同じように働くことが当たり前になってくる社会で生きていく子ども達が、例えば、母親が、仕事、家事も育児をして、父親が家事や育児を「手伝い」として関わっている状況を日々見て育つことで男女問わずどんな価値観を持つでしょう。どんな生き方をしていくでしょう。
私の幼少期を思い返してみると、父が外で仕事をして、母が専業主婦、父は仕事をしているからと威張り、母は家族のために日々過ごしていました。そんな中で育った私は、父の行動に子どもながらに違和感を感じながら育ちましたが、「女性は男性に仕えるもの」という価値観を持ったことは違いないですし、実際、結婚をした当時に、仕事をしながら、「家事まで自分がしないと」という義務感を持ち、自分が頑張っていたのを覚えています。ただ、母が私に幼少の時から「誰であっても自分で思ったことや疑問に思ったことは、自分の言葉で伝え、聞きなさい。」と子ども扱いせず、対等な人として大人(父)と対峙することを応援してくれたことは、今の自分の財産になっています。
子ども達は、0歳から大人が子どもにかける言葉や大人同士の会話を日々シャワーのように浴び、大人の関係性をしっかり見て、しっかり価値観を身に付け、成長しています。
3.4歳の会話の中に「〇〇くん、男の子なのにピンク色着ている~」とか「男の子は泣かないんだよ」という言葉がでてきます。まだ生まれてきて数年しかないのにアンコンシャスバイアス(※無意識の思い込み)を持っていることに驚きます。
「多様性」の中で生きていくだろう子ども達に、昔のこと、変わってきていること、今から大事になっていくことを伝え、関わっていきたいと感じる日々です。
大人もブラッシュアップ、アップデートを!!
本園では、「子どもと大人は対等」「子どもの主体性を大切に」とし、保育を進めています。しかし、私の言葉遣い、子どもへの関わり方、私と保育士との会話は「子どもと大人は対等、大人と大人も対等」「こどもの主体性を大切に」ができているだろうか?と感じることが年末に何回かありました。多くは「言葉」です。言葉には、自分の価値観が多く表出します。発した言葉が子ども達、同僚たちにどんな印象を与えただろうか…。自分の価値観の押し付けていたのではないか…。と考えました。
そこで今年の私の目標を「自分の価値観を疑ってみる」「言葉を丁寧に、考えて遣う。」を掲げました。
「自分の考えを信じつつも、常に疑いをもつ。そして、言葉を発する。」
大事なお子様をお預かりし、決して短時間とはいえない時間を共有していることを再認識し、自分をブラッシュアップ、アップデートしていきたいと思った年明けでした。
子ども達と今年も素敵な一年にしたいと思っています。今年も、どうぞよろしくお願いします。
文責)壽福