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2020.06.27
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子どもの成長を肌で感じて(つくし組)

つくし組担任水之浦です。錦ヶ丘で勤務して13年目になりました。月日が過ぎるのはあっという間です。
1年目に担任した子ども達は高校3年生になり、見違えるくらい立派な姿です。かわいかった子ども達の成長を感じると、嬉しいような照れくさいような気持ちになります。1年目の時に出会った保護者の方も私を見かけると「久しぶりだね!」と、今でも声を掛けてくださいます。あの頃は若かった私も、今では2児(1歳:女・3歳:男)の母です。
子育てをしながら保育をすると、若いころには感じなかった色々な気持ちに遭遇します。
お腹の中に赤ちゃんがいるお母さんの気持ち。
育児真っただ中の忙しい毎日、園に来るときは笑顔でいても実は夜泣きに一晩中付き合っていた…なんてこともありますよね。こども園に子ども達を送って仕事へ行くお母さん、家事を頑張っているお母さん、育児を頑張っているお母さん。色々なお母さんの姿を思い浮かべながら大切なお子様との時間を過ごす毎日です。
そんな私も育児真っ只中ですが、3歳の息子の成長を見てこれが錦ケ丘の保育だ!と感じる場面がありました。
息子は錦ヶ丘保育園に通っています。錦ヶ丘保育園とこども園は、“子ども達の無限の可能性を信じ、豊かな自然環境のもと子ども達の成長・発達に即して一人一人の個性に応じた支援を行う”という教育方針の下、
強くたくましく 型にはまらない 野性味溢るる子どもに育てましょう
という同じ園訓を掲げ、主体的・応答的な関りを大切に保育をしています。
先日行った給食アンケートの中に、“箸の持ち方を楽しく学べるような遊びを取り入れてほしい”という質問がありました。
回答としまして、“中鶴真人作業療法士のアドバイスをもらいながら、手指の筋肉・神経の発達を促すような遊びを取り入れていきます。エジソン箸と普通の端を使う時の筋肉は違うので、箸の練習としてエジソン箸の使用はお勧めしないとのことです”という回答をさせていただきました。。
この回答を見て、“本当にエジソン箸を使わなくて大丈夫…?”、“どうやって箸がつかえるようになるの?”、“出来るようになるタイミングがあるのかな?”と感じませんでしたか?
保育教諭という立場でこの文章を見ると、その通り!と大きくうなずきます。
でも、子育てとなると話は別です。私も我が子の成長を見ながら、どのタイミングで箸を渡せばいいの…?もう3歳なのに大丈夫かな…?という気持ちがなかったわけではありません。
それでは、私達が言う”タイミング”ということについてお話します。
錦ヶ丘では、『ウィルアシスト』という会社の、ユニバーサルデザインのスプーンを使用しています。このスプーンは、口にフィットする先端の丸み、柄の部分に重量感があり、手首の関節が曲がりにくくても使いやすいという特徴があります。本物に出会うことを大切にしている本園は、食器・カトラリー等にも一つ一つこだわりがあります。
このスプーンを0・1歳児から使用し、まずはテーブル全体がお皿という考えの下、思い切り手づかみ食べをさせてあげます。自分の手で食材を握る、様々な感覚、口に運ぶまでの手の使いなど自分で経験することで様々なことを学びます。
次にいよいよ出てくるのがスプーンやフォークといった道具です。
①スプーンを上からグー握りで持ちます。【上手持ち】
この時の感覚としては手と物が一体化していません。大人が初めてバトミントンをするとなかなか羽が打てませんよね。羽とラケットの距離感が分からない、手と物が一体化していない感覚を大人で例えるとこのような感じです。物がなかなかスプーンに入れられないことがイメージできるかと思います。
②スプーンを下握りで持ちます。【下手持ち】
このころになると少しずつ手首を使ってスプーンを動かし、スプーンの中に物が入れられるようになります。
③2本の指でスプーンを持ちます。【バーン持ち】
この持ち方は3本の指が出てきがちですが、声を掛けてあげると2本で持ち、集めたりすくったりすることがスムーズになります。
①②③の流れでスプーンの持ち方も徐々に成長を遂げますが、お子様の発達に合わせますと、「この時期だから絶対この持ち方で!」ということはありません。お子様ひとりひとりの食事の様子、自然に持ったスプーンの持ち方に応じて、保育教諭は必要に応じて声を掛けていきます。
保育教諭として子ども達と接するときは、お子様の発達や成長段階、興味を持っているものや性格など、様々な点に視野を広げ、みるということに力を入れます。みるも、“見る”・“観る”・“看る”…、様々なみるがありますね。
こう言いつつも、恥ずかしながら家庭ではなかなかそうもいきません。家事に追われ、早く寝かしつけなきゃ!でも食べる時間は一緒にいろんな会話をしたい。そう思うと、息子の小さな成長に気付くことが出来なかったように思います。
日曜日、外食をしようと立ち寄ったお店には、子ども用のスプーン・フォーク・箸の3点セットが用意されていました。息子は食事が来ると迷わず箸を取り出し、びっくりするほどきれいな持ち方で食事を始めたのです。それはそれは驚く姿でした。家庭でも箸を持ちたいといえば箸を出していましたが、いつの間にこんなに上手に持てるようになったのでしょう…。
これは個々の成長をとらえ、今!というタイミングで一人ひとりに合わせた関りを日々、保育士がしている賜物ではないでしょうか。
保育教諭としての見立て、母としての見立ては全く違うものだということを体験しました。家で見せる姿と園で見せる姿が違うのも、子どもたちなりに環境に適応しているからこそなのかもしれませんね。家庭は安心できる場所。子育てはお母さんお父さんが抱え込まなくても大丈夫。こども園にいる間は、私達保育教諭がお子様の成長をしっかりと見極め、専門的な視点で成長・発達を促す関りをしています。
いつも頑張っているお母さん、お父さん、私達には見えない家庭の様子があります。
つらいことも楽しいこともたくさんありますよね。
大切なお子様に関わらせていただく一人として、こども園に預けていただいている時間を素敵な時間にできるよう努めてまいります。
子ども達がこの世に産まれたあの尊い一瞬を感じながら。
文責:水之浦