お知らせ

2020.10.08

Blog

コーナー保育を通して(年長)

コーナー保育とは、部屋の中に異なる遊びの空間(コーナー)を作り、子ども達が選んで活動していく保育です。

9月は、学年合同でのコーナー保育を多く行いました。

 

1学期までのコーナー保育とは違い、それぞれのコーナーは、人数指定や広さの制限がしてあるため子ども達なりに考えながら遊びを選ぶ姿がありました。

コーナー保育とは、それぞれが好きな遊びを納得が出来るまで遊びこむことがその良さであると考えます。しかし、それぞれが思い思いやりたいように遊びを展開していくことは保育の中では良しとしません。なぜなら保育には必ず意図を持って活動を考え、展開しているからです。

 

コーナーは積み木遊び、折り紙、お絵かき、パズル、かずの木の5つのコーナーを作りました。

コーナー保育での約束事は、以下の通りです。

1.そら組の積み木コーナーに行く人数は最初の15人まで

2.にじ組のコーナーは、ござやマットの上、出されている椅子だけを使って遊ぶ。

3.遊びは途中で変わっても構わない。

 

 

朝のサークルタイムで説明を行い、初めに積み木遊びの15名を決め、それぞれの保育室へ分かれ遊び始めました。

 

 

にじ組では、折り紙・お絵描き共に、机1台に椅子は6脚のみ。かずの木とパズルは人数制限はありませんが、マットやござからはみ出さないように遊びます。

好きな遊びを選びますが椅子が空いていない初めは椅子を持ってこようとする姿見られました。でも、約束を思い出し、周りを見渡して「じゃあこっちにしようかな。」と移動する姿や空くまで待つ姿もありました。

 

また、席を離れたすきに違う友達に取られてしまい、残念そうにしたり怒ってしまったりという姿もありました。

経験する中で、待っているだけだとつまらないこと、他の友だちも同じようにいろいろな気持ちを持っていることに気付いていくと、気持ちに折り合いをつけて、空いているの中でやりたいものを選んでいきます。普段であれば、好きな遊びにばかり集中しがちですが、人数制限をする中で、どうしてもやりたい遊びができない状況が出来た際、いつもとは違うものを選びその面白さに気付く子ども達。そうすることで遊びの幅や経験値に変化が見られていきます。

 

空間を広げたり椅子を増やしたりすればいいじゃないか、好きな遊びが出来なくてかわいそうではないか…そういう声も聞こえてきます。

椅子を出したり、場所を広げることは簡単ですが、今回のコーナー保育の意図は、「決められた環境の中で自分の気持ちを調整しながら好きな遊びを見つけて遊ぶこと」なので、それはしません。

 

繰り返し活動をする中で、周りを見ながら「椅子が空いたよ」と声を掛けたり、新しい遊びにのめり込んでいったりという姿も。

譲り合い、教え合い、学び合い…前日譲れなかったAさんが、次の日はできた。昨日折り紙ができなくて、渋々かずの木をしていたBくんが今日は友達をリードしながら遊んでいる。その姿を見た時に私たちは、「よし!」と心の中でガッツポーズをします。

小学生になると、もちろん「やりたい活動だけ」とはいかなくなっていきます。算数は嫌だから校庭で遊ぶ。それは認められません。嫌いでも参加しなくてはならないのです。その経験の始まりとして、今回のような活動の在り方を取り入れています。少しずつ、気持ちの調整の仕方を身に付けて、限られた環境の中で好きな遊びを見つけ楽しむことをができればと思っています。

 

文責:田中

当園についてや入園に関しては
お気軽にお問い合わせください