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2021.01.04

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うどん作り 〜「五感」を使った学び〜 (年長)

12月最後の土曜日、年中・年長組合同でうどん作りを行いました。

普段から、小麦粉粘土等の遊びを通して小麦粉の感触を楽しんでいた子ども達。そら組が、教育実習生と一緒に小麦粉を使った遊びを経験したことをきっかけに、小麦粉で何を作ることが出来るのか考えました。調べてみると、パン・うどん・ピザ…色々な物が。にしきっこフェスタで年中組がパン作りをしていたことを思い出し、「僕たちも作ってみたい!」と、年長組の子ども達から声が上がったことをきっかけに活動がスタートしました。

小麦粉の感触や変化を楽しみながら、うどん作りの大変さにも触れた子ども達。自分たちで作ったうどんに大満足の子ども達でした。

 

 

 

きっかけは、そら組の教育実習生が行った小麦粉粘土の活動でした。

活動の中で、薄力粉・中力粉・強力粉 それぞれの粉で出来る物の説明を聞きましたが、その後、自分達でも小麦粉から何ができるのか調べてみました。

最終的に、「うどん作りをやってみたい」と、今回の活動に発展しました。

 

実施に当たり、以下の事を目的として活動を組み立てました。

①粉からうどんが出来るまでを知る。

②作る過程の大変さを知り、一生懸命に作る。

③うどんの生地を踏んでコシをつける体験をする。

④出汁を作る。

 

 

①粉からうどんが出来るまでを知る。


中力粉・塩・ぬるま湯でうどんができることを伝えると、半信半疑の子ども達。

過程を説明すると、うどん屋で作る光景を思い出子しながら思い思いの作り方を話し合い始めました。(考える力 思考力の芽生え)

 

うどんの材料を買いに行こう

材料やトッピングを話し合い、年中を含む4名で近くのスーパーへ買い物に行きました。

陳列棚を探しましたが、中々見付けられず… すると近くにいた店員さんに声をかけられ、小麦粉の場所を尋ねることが出来ました。(人と関わる力 社会生活との関わり)

 

 

作る過程の大変さを知り、一生懸命に作る


いよいよ生地作りがスタート!

材料を測りすべてジップロックへ。ボロボロボロとしていた状態から、だんだんまとまってきました。
A
君が、「僕には、まとまらない。塩水が足りないと思う。」と言い、少し加えるとまとまりました。
触る、疑問に思う、何が必要か考える、実際に試す。これが、学びや探究心へと繋がっている事が分かります。(考える力 言葉による伝え合い 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚)

 

うどんの生地を踏んでコシをつける


まとまると、いざ足で踏みます。
袋を二重にして、裸足になり消毒して踏みました。
足裏から感触を全身で感じ「気持ちがいい。」「ムニムニする。」と約15分間踏みました。

「うどんを作るってこんなに大変なんだね。」と口々に言っていました。(体を使う 健康な心と体 豊かな感性と表現)

 

生地を切る

1人ずつ生地を伸ばし、切りました。
固く切りにくかったので、職員と一緒に。怪我をしないように自分で考えながら、最後まで慎重に切っていました。

待つ時間もありましたが、誰一人諦めたり横入りしたりすることはありませんでした。
細く切ったり、大胆にきしめんのような太さに切ったり、個性豊かな麺ができあがりました。
(体を使う 健康な心と体 豊かな感性と表現)
(考える力 思考力の芽生え 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚)
(人と関わる力 道徳性・規範意識の芽生え)


 

 

出汁を作る


本物の味に出会うために、素材そのものを使って出汁作り。

今回は、2人の男の子と一緒に作りました。
その1人はA君です。
A君は、鍋から離れることもなく、静かに見ていました。
うどん作りの初めから少しずつ、楽しんできたA君でしたが、少しずつ香りがすると、「鰹の匂いがする。いい香り。」と表情が一変。

味見をすると、「美味しい。これだけでもいい。」とA君。旨味を出すために、醤油をや塩を入れました。

味の変化に気がつく2人。
体験からの気付き。少しの変化にも気付ける感覚。こういう感覚は、今後も大切にしたいですね。
(体を作る力 健康な心と体 自然との関わり・生命尊重 豊かな感性と表現)

 

こども園の出汁については、園のホームページに記載されていますので、このブログでは省略します。

錦ヶ丘の食へのこだわり。ぜひお読みください!→ 錦ヶ丘の食の取り組みについて

 

茹でる

鍋に入れ、沈んでいたうどんが、しばらくすると浮いてくるのに気付いた子ども達。
鍋の中の変化にも気づき、麺の太さが変わっている事にも気付くと、そのことを友達と共有しながら楽しむ姿が見られました。
目に見えわかりやすい、子ども達にとって大発見だったのだと思います。(人と関わる力 協同性 言葉の伝え合い)

 

食べよう!

初めて自分で作った、うどん。一口食べると、「おいしい。」と笑顔がこぼれました。
感触をたずねると「○○うどん屋のうどんみたい。」と言う子どもも。
麺は、太かったり、短かったり、団子みたいだったりと様々でしたが、残ることなく、みんなで美味しく食べました。
(体を使う力 健康な心と体 自然との関わり・生命尊重 豊かな感性と表現)

 

 

 

A君の姿


実はA君、最初の話し合いの時は「やりたくない」の一点張りでした。

保育者は必要以上に言葉を掛けず、A君の興味のスイッチが入るタイミングを待ちます。


初めは「やりたくない」と言っていたA君もでしたが、いざ活動が始まると、塩やぬるま湯も測り混ぜる工程から楽しみ始めました。

塩とぬるま湯が混ざると「塩水になった」と発見。小麦粉を混ぜ足で踏むころには、いきいきとした思いっきり良い表情。

どう踏んだらこしが出るのか悩みながら感触を感じる足。慎重にきり、茹で上がるのを見つめる眼差し。出汁の匂いや味を感じ、全身五感で感じる、出来立てのうどん。

 

初めは「やりたくない」と言っていたAくん。
実は、誰よりも興味があり、材料を図る、混ぜる、こねる、踏むなどしていくうちに、「美味しいうどんを作りたい」と、目をキラキラさせながら無我夢中で活動に取り組んでいました。

自分が「やってみたい!」と思ったタイミングで取り組む活動への意欲は凄いのだと、A君の様子から感じました。

 

 

 

 

保育では、感触遊びとして使われることが多い小麦粉。今回は、遊びと食育からの学びがありました。

どうなるのかな?と考え、
こうしようかな?と探究し、
こうなるんだ。と気づく。
この経験をする中で、多くの学びがありました。

このような経験をたくさんする中で、学ぶ喜びを知り、就学へ繋げていけたらと思います。

 

文責:堂園さおり

 

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