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2021.07.13
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レッツクッキング♪(年長組 5歳児そら組)

7月に入り、暑い日が続いています。
それでも、そら組の子ども達は、元気いっぱい園庭やのはら園を駆け回り、汗だくになりながら遊んでいます。水分補給をしっかりしながら遊ぶ姿から、私達は元気をもらってばかりです。
その元気の源は何だろうと考えた時、一番に思いつくのは、「食」でした。
自分自身「食べることは生きること」と考え、給食の時間や、休日に入る前にはいつも子ども達に、「しっかりとご飯を食べて元気にまた会おうね」と伝えています。園庭にちらほらと野菜を見かけるようになり、苗植えを経験した子ども達から、「食べたいな」との声も上がったことから、活動の中にクッキングを取り入れようと考えました。
なにをつくろうかな?
ご存じと思いますが、錦ヶ丘では食育活動の一環として園内の畑で季節の野菜を育てています。
早い子どもは年少少の頃から、旬の野菜に触れ、育つ様子を観察したり、水やりをしたりして、育った野菜を収穫し、その年齢に応じたクッキングを保育者と一緒に行ってきました。
5月中旬、夏野菜の苗を植えないかとお話があり、「やってみたい!」と言ってくれた子ども達で苗植えの手伝いをしました。
何の野菜の苗なのか、根っこにどれだけ土をかぶせればいいのかなど、初めて体験する苗植えに興味津々の子ども達でした。
その後は水やりに行ってみたり、実がついたら「大きくなってるよ!」と話したりしながら、収穫できるのを楽しみに待っている様子が見られました。(10の姿 自然との関わり・生命尊重)
そしていよいよ、収穫!
大きく実を付けた「なす」と「きゅうり」達! 「さぁ、どうする?」「どうやって食べる?」とグループ活動を通して、クッキングを行う事にしました。
さぁ、どうする?どうやって食べる?
幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿には、「言葉による伝え合い」という項目があります。
年長児だったらできるだろうと思われがちですが、自分の気持ちを伝えられる子ども、伝えることが難しい子どもと、一人ひとり様々な育ちが見られます。
年長組では、遊びの中での子ども達の実態を把握し、少人数のグループを作って活動しています。まずは少人数の中で、会話を通して自分の気持ちや考えを伝えることを目標に、様々な話し合い活動を行っているところです。
このクッキングでも、グループ活動のなかで、素材をどう調理するのか、どんな味付けにするのかをまず話し合いました。
すると、
「ぼくはこうしたい!」
「いや、これもあるよ」
など、自分の食べたい調理方法を言える子どももいれば、じっとその様子を見ている子どもと様々な様子が見られました。
しかし、最近の子ども達は自分の意見を通すのでなく、何も言わない友達に、「〇〇ちゃん、どう思う?」とよく問いかけてくれるようになってきています。自己主張もするけれど、みんなで考えないといけないとちゃんとわかっているのでしょう。
また、今回のグループは、”仲の良い友達の集団”というよりも、”もっといろんな友達と関わって欲しい!”を目的にグループを作っているので、友達の意見を聞こうとするこのような子ども達の関わり方は、保育者も「すごいな」と感じた所です。
それぞれの意見を尊重しながら、話し合いを進めていくことが出来ていましたよ。
レッツクッキング!
さぁ、いよいよクッキング開始です!
それぞれ必要な道具を準備し、洗ったり、切ったり、味付けしたり、これまでの経験から慣れた手つきで調理しました。味付けは用意した調味料のにおいを嗅いで、「しょうゆ」なのか「しお」なのか考えたり、どれくらいスプーンで入れたらいいのか考える姿もありました。
また、てんぷらを作るグループは、粉にどれくらい水を入れたらいいのかを、視覚や混ぜる感覚を使ってタネを作ることが出来ました。
私達保育者は、子ども達が考えて決めたことに、成功だったのか、失敗だったのかは判断しません。
子ども達が考えて、実践してみて、「もっとこうすればよかったかな?」「これくらいでだいじょうぶだったね」と経験を通して、学ぶ事に重きを置いています。
ですので、子ども達が実際に食した時の表情で、それぞれのクッキングが成功だったのか、ちょっと味が足りなかったのかが分かりました。
クッキングを通して子ども達が得た学び
このクッキングを通して、「どんな調理をしたいのか」「どんな味付けにしたいのか」「どれくらい調味料を入れたらいいのか」など、様々な疑問に対し、子ども達は会話を通して、自分の気持ちや考えを伝えることが出来るようになりました。
自分の意見をたくさん言った子どももいれば、決める時に「私はこれ!」と言っただけの子どももいるかもしれません。
ですが、まずは、少人数の中で自分の意思をはっきりと伝えられるようになってきている事。そして、一つの活動をグループでやり遂げられるようになったことが今回の大きな学びです。多少、しょっぱくても、しょうゆが辛くても、自分達が作った料理は、みんなきれいに食べることが出来ました。
現在、年長児は田植えを経験し、稲の成長する過程を見守ったり、テラスや園庭で育てている野菜の水やりを日常的にしたりしています。
これらの活動を通して、「命」が育まれ、その過程を見守り、最後に「命」をいただく経験をします。稲作体験は特別な体験ですが、日頃から身近で育てている野菜を収穫し、クッキングを行える事も、貴重な体験です。
このような経験が、子ども達の学びとなり、「食べられる」事の有難さをこれからも一緒に体験しながら感じ、過ごしていきたいと思います。
文責:桑元