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2021.07.31

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葛藤から生まれる育ち(1歳児 つくし組)

梅雨が明け、戸外では水や泥、氷など様々な素材に触れる中で満足げな表情を見せてくれます。

最近のつくし組の子ども達と保育者との会話の中で、「いやいや!」「しない!」といった言葉をよく耳にするようになりました。

保護者の方との話の中や連絡帳の中にも「これがイヤイヤ期なのかな…」「どう関わっていったらいいのかな…」という悩みやを頂いています。

そこで今回は、こんな時園ではどのように関わっているのか。イヤイヤ期やだだこねといった姿からどんな育ちがあるのか、子ども達のエピソードをもとに詳しくお伝えできたらと思います。

 

 

 

そもそも、なぜ「イヤイヤ」言いたくなるの?


1歳半頃を過ぎると子ども達は、「◯◯ではない、⬜︎⬜︎だ!」といった一次元可逆操作(自分の欲求を自分自身で理解することができ、他者の欲求とも区別ができる力)をもった自我が芽生えてきます。

 

例えば…

三輪車で遊んでいたけど保育者に「片付けの時間だよ」と声をかけられた。この時子ども達の中では「もっと三輪車で遊びたい!」という自分の欲求と「三輪車を片付ける」という他者の欲求から、双方を理解した上で“どうしようもならない気持ちの葛藤”をもちます。

その結果として、「いやだ!しない!」という言葉が飛び出たり泣いたりする姿が見られるのです。

 

 

 

「受け入れる」よりも「受け止める」


 

この頃の子ども達は、言葉の理解ができるようになるだけではなく、感受性が豊かになり大人の思いや考えもなんとなく感じるようになる時期です。

大人は頭ごなしに「違うでしょう!それしちゃダメ!」と言いたくなってしまいますが、その言葉が子ども達の葛藤をより混乱させてしまうこともあるのです。

園では「受け入れる」ではなく「受け止める」を大切に関わっています。「受け入れる」は子どもの要求をそのまま受け入れ叶えてあげること。「受け止める」は子どもの目線に立って理解したり、共感したりすることだと思っています。

 

 

 

満足感が気持ちを切り替えるきっかけに!


「〜しようね」と声をかけると「しない!いやだ!」と言われてしまうこと、あるかと思います。

そのような言葉を返されてしまうと、多少なりとも凹んでしまったり、落ち込んだりするものだと思います。私もその一人です。

 

つくし組の子ども達の姿を例に挙げますと、朝のおやつの時間の前にオムツを替えたくない!と嫌がったり泣いたりする子がいます。

オムツ替えの先に、”おやつ”という楽しみが待っていることが分かっていても、「もう少し遊びたいのに…でもおやつも食べたい…」と言った気持ちでいっぱいになり、葛藤しているのです。

そのような時は、今遊んでいる遊びに満足しきれていないことや、夢中になって遊び込んでいることが多くあります。そのため、子どもたちの集中が少し切れてきたかなという姿や遊び込めて満足している子どもたちから声を掛けると、「オムツを替えよう」という気持ちに、スムーズに切り替えやすくなります。

 

 

「イヤイヤ」と 駄々をこねる子ども達の姿が見られる時期や度合いには個人差がありますが、この姿は育て方や環境などは関係なく見られる子ども達の成長の証です。決してお父さんお母さんのことを全否定したり、嫌になっているわけではありません!

落ち込み悩んだ時や、こういう時ってどうしたらいいのかな?と思った時は、遠慮なく私たちにお声掛けくださいね。一緒に子どもたちの育ちについて考えていけたら嬉しいです。

 

 

参考文献:『やわらかい自我のつぼみ』著者 白石正久

文責:武田

 

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