お知らせ
2021.10.18
Blog
自然との関わり(1歳児 つくし組)

園の自然との触れ合い
十五夜の話を聞いたり、お供え物を見たりしたことをきっかけにして、秋の植物や食べ物などに興味をもった子ども達。
9月の気候の良い日に、こども園の大きな魅力の一つでもある、『のはら園』と『駐車場横の畑』へ散策しました。
初めて『お散歩リング』を持って、みんなで歩きました。赤いリングをしっかり持って歩くことができましたよ。
いつもは、自由に歩いていますが、お散歩リングを持って歩く時には周りの子ども達と歩調を合わせないとうまく歩くことができません。
こんな時、つい大人が「周りのお友達と一緒に歩いてね。」と言いたくなりがちですが、私達保育者はあえてそのような言葉を掛けません。
その理由は、子ども達自身が気づいて、考えて、行動できるようになってほしいと考えているからです。
もちろん、しっかり見守りをします。また、歩調が合わせやすいように「1,2,1,2,」と掛け声を掛けたり「さんぽ」の歌をうたったりして、歩きやすいよう様々な工夫をしています。
まず、園の駐車場横にある畑へ行きました。5月につくし組の子ども達が植えたさつまいもの苗の成長を見るためです。
出発前に植えた時の写真を見た子ども達は、苗の様子に興味津々でしたよ。葉やつるを触ったり、土の上を歩く『あり』に気づいたりと大興奮でした。
土を少しだけ掘り起こすとさつまいもが見えてきました。十五夜のお供え物で見た芋と一緒だということに気づく子ども達もいました。
正門から大好きなバスや車が道路を走る様子を見た後は、のはら園へ。
葉っぱを拾って「葉っぱ!」、「大きい!」などと言葉で伝えたり、ビオトープの中を覗き込んで、めだかがいることに気づいて「魚!」と教えてくれたりしました。
保育者から「ここに◯◯があるよ。見て!」と発信するのではなく、子ども達自身の発見や気づきを大切にすることで、子どもの主体性が育つような関わり方に気をつけています。
『あおむし』との出会い
ビオトープの周辺で遊んでいると、錦坤館から主任が飼育ケースの掃除のためにケースを持って出てきました。その様子にすぐに気づいた子ども達は、「何?なに?」とばかりにすぐに近づいて行きました。
「見てみる?」と聞かれて大きく頷くと、早速飼育ケースの中を覗き込みました。
中を覗くと、もぞもぞと動く生き物が…。びっくりして、後ずさりする子ども、手を伸ばして触る子ども、触れなくても興味があって友達が触る様子をじっと見守る子ども、と様々な姿が見られました。
子ども達が自分より小さな生き物に興味をもったこの瞬間を大切にしたいと考え、つくし組の保育室でも2匹飼育することにしました。
小さな飼育ケースをみんなで大切につくし組まで運びました。棚の上に置くと見る場所を奪うようにして観察を始めましたよ。
あおむしが動く様子を興味深く見ながら、「あおむし」「虫」「怖い」など、感じたことを言葉や身体全体で表現していました。
また、葉を食べている様子を見て、一緒に口をモグモグ動かす子どももいました。子ども達の感性の素晴らしさを改めて感じ、大切にしていきたいと思う場面でした。
いつの間にか飼育ケースの底に黒い丸い物が大量に!あおむしがうんちをすることも知りました。
あおむしがさなぎに変身!
数日経つと、いつの間にかさなぎになっていました。
昨日まで動いていたあおむしがいない事に気付き、子ども達は驚いていました。保育者が図鑑を持ってきてみんなであおむしのページを見ました。あおむしから蝶になるまでの写真が載っています。もちろん、さなぎも。
子ども達からは、「一緒!」「蝶々!」と気づいたことを言葉にする姿が見られました。
『1歳児が図鑑?』と思われるかもしれませんが、日頃から絵本に親しんでいる子ども達はすぐに興味を持ちましたよ。また、図鑑に小さい頃から触れておくことで、何か調べたいと思った時に図鑑で調べられることを知っていることは子ども達の強みになります。
今回のような活動が図鑑に興味を持ち、『自分で考え、自分で調べる』という探求心の土台のきっかけになれば良いなと思います。
蝶々がいる!
ある朝のこと、子ども達が登園する頃にはまださなぎだった1匹が、いつの間にか黒いアゲハ蝶になっていました。
飼育ケースの中にいつの間にかいる、大きなアゲハ蝶に子ども達は大興奮!
羽化したばかりの蝶が横たわり、起き上がれない事に心配そうな表情をする子どももいました。小さな生き物の命を感じた瞬間だったように思います。
数時間後、飼育ケースの中が狭いとばかりにパタパタ羽を動かしているアゲハ蝶を、みんなで窓から空へと放ちました。
すぐに飛び立った蝶に「バイバーイ」と手を振っていました。
今回は、羽化する瞬間を見ることができませんでしたが、もう1匹は見ることができるといいなと思っています。生命の神秘をぜひ感じて欲しいからです。
「蝶って◯◯なんだよ。」と教えるのではなく、子ども自身の気づきを大切にしながらの飼育でした。
こども園には、身近にたくさんの小さな生き物や植物があります。子ども達自らが主体的に関わり、自然や命を大切にできるように見守っていきたいと思います。
文責:川宿田