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2021.12.23

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見えない力について(1歳児 つくし組)

平成30年に幼稚園教育要領・保育指針等が改訂され、「子ども主体の保育」「非認知能力の重要性」をよく耳にするようになりました。

錦ヶ丘でも、改定に伴い「子ども達の本当にやりたいってなんだろう?」「もっと知りたい、やってみたい」という気持ちを大切に過ごしています。

 

先日、『10年後の子どもに必要な「見えない学力」の育て方』という本を読みました。

今回は、「見えない力:非認知能力と、大人の関わりの重要性」についてお伝えしようと思います。

 

 

見えない力とは?


例えば「テストで100点を取った!」などの、点数で測ることができることは「見える力(学力)」と言います。もちろん必要ですが、この力ばかり高めようとしても、AI技術が発展してる今を生き抜いていくことは少し難しいかもしれません。

今、大切とされている力(非認知能力)は、10年後の社会を生き抜くために必要な力と言われ、下記の大きく3つに分けられます。

①「自分の考えを持つ力:主体性」

②「自分を表現する力:自分の言葉で話し、相手の表現を聞く」

③「チャレンジする力:忍耐力」

 

 

考える力


大人はついつい、「こうしたらいいんじゃない?」「○○は~だと思うよ」と子ども達に先に答えを出してしまいがちです。そうすると、確かに早く解決に導くことができますし、悩んでいた子ども達もスッキリするかもしれません。

ですが、同時に子ども達は問題に直面したとき「考える」という事をしなくなります。

こども園では、「○○でしょう!」と決めるつけるのではなく、「あなたはどう思う?」「どうしたかった?」と問いかけるようにしています。

このやりとりを繰り返すことで、「私だったらどうするかな?」と考える力も身につきますし「この人は僕、私の気持ちを聞いてくれる人、本音で話しても大丈夫だ」と信頼関係を築くことにも繋がっていきます。

 

 

表現する力


表現する力は、フェスタでも『作品や子どもたちの表情、呟き』などを通してお伝えできたのではないかと思います。

この本では、自分の言葉で思いを伝えたり、なりたい自分になって自分に自信を持ち、自分を大切にして、社会に出た時に活躍するため。自分が主体的に社会を作る一人として生きていくための”手段”として身につけるべき力と語られています。

 

 

チャレンジする力


チャレンジする力(忍耐力)は、「失敗をしない力」よりも「ピンチを切り抜けたり、あきらめずに踏ん張る力」が必要です。

そのためには、何度上手くいかなくても、”もう一回やりたい”と思える環境や「失敗=怒られる経験」と意欲を抑制するのではなく、見守り「大丈夫?どうする?」と一言声をかけるような大人の関わりが大切だと思っています。

最近つくし組の子どもたちを見ていると、遊びの中で上手くいかない時もできるまで繰り返し続けたり「できた!」と遊び終えた後も「もう一回!」と粘り強く活動に参加する姿を多く見かけるようになりました。見守っている私達もとても嬉しくなる場面です。

 

見える成長ばかりに目がいきがちですが、物事ができるようになるまで、見えない心の中で子どもたちなりに悩んだりもがいたりしています。

「できた!」を一緒に喜びながらも、できるようになるまでの過程や素敵な姿にも目を向けながら過ごしていきたいと思います。

 

 

文責:武田

 

参考文献:『10年後の子どもに必要な「見えない学力」の育て方』 木村 泰子 著

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