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2022.01.22

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園内研修 映画『食の安全を守る人々』自主上映会

1月14・15日(金・土)、園内研修『食の安全を守る人々』自主上映会を行いました。農薬のこと、遺伝子組み換え作物のこと、韓国での学校給食食材有機転換の政策、初めて知る内容も多かったです。

栄養士2名は昨年中この映画をガーデンズシネマで視聴したあと、より多くの方々へ食の安全についてお伝えしたい!、参加者1人1人にできることを考えていただきたい!、食を通じてより安心安全なこどもの未来の為に園で何ができるか考えるきっかけにしたい!という思いを抱きました。映画の内容だけでなく、医師の理事長の思いも詰まった、「錦ヶ丘の食」について関連法人等多くの人に知っていただくため、栄養士はじめ、こども園職員・保育園・まふぃん・ナガヤタワーの職員そして保護者と幅広い対象者が参加した研修会でした。足を運んでくださった保護者の皆様、ありがとうございました。

 

研修のねらい


福元栄養士を中心に、両園の栄養士3人で以下のねらいをたてて準備に取り組んできました。

【研修のねらい】

・農薬や遺伝子組み換え作物等が身体にどのような影響をもたらす可能性があるのか知ってもらう。

・錦ヶ丘で行っている“食”の取り組みを知ってもらう。

・では何故そのような取り組みを行うべきなのか知ってもらう。

・“食”について改めて考える機会にしてもらうとともに、未来の子どもたちのために全員で考えていく必要があることを理解してもらう

 

映画『食の安全を守る人々』


この映画は、日本と海外の農業と食を題材にしたドキュメンタリー映画で、元農林水産大臣の山田正彦氏が主となり日本のみならず世界各国を取材します。

普段私たちがホームセンター等でも目にする機会の多い除草剤の使用が、海外では規制強化の動きになっているのに対して日本では逆に規制緩和へと動いていること。ゲノム編集食品や遺伝子組み換え作物がその記載無しに出回るようになるかもしれないこと。

メディア等であまり触れられることがない日本の食の危機が訴えられており、私たちが取り組んでいくべき“食の安全”とは何か?改めて考えることができる映画です。

 

栄養士より


映画上映終了後、栄養士より、錦ヶ丘ですでに行っている取り組みと今後行っていきたい取り組みについて、映画の内容を踏まえながらプレゼンテーションを行いました。

皆様も農薬や遺伝子組み換え作物がもたらす影響について、メディア等で見かける機会も今まであったのではないかと思います。それらがあまり良いものではないというイメージを持っていたとしても、日常生活の中で強い危機感を持っている人はそれほど多くないのではないでしょうか。

それは、“今すぐ”何かしら自分の身に弊害が起きるという実感がないからではないかと思うのです。だからこそ、安全基準の中であれば農薬を使うこと、遺伝子組み換え作物を作ることが当たり前になっているのではないかとも感じます。ところが、“今すぐ”でなくても、“孫やひ孫の代”で影響が起きる可能性が高い(映画より)となると、また、違った考えなければならないことであると思います。

 

「髪の毛1本も食事から」

これは錦ヶ丘で20数年前から掲げている食に対する理念です。当たり前ですが、自らが口にした食べ物が身体をつくることを改めて考えると、この理念に基づいた給食への取り組みをしていかなければならないと感じると同時に、多くの方々にも錦ヶ丘の理念を丁寧にお伝えしていきたいと感じました。

映画の後のプレゼンテーションでは、まず映画でも大々的に取り上げられていた“有機野菜・無農薬野菜”についてお話しました。私たち栄養士も、映画をきっかけに改めて有機野菜・無農薬野菜について調べ、理解を深めました。次に、給食食材について説明しました。橋口農園やにこにこ畑の有機野菜・無農薬野菜、合鴨農法で無農薬栽培されている澤田農園のお米、こだわりをもって作られている黒豚と野菜からできたゆうかり学園の餃子、必要最低限の添加物で作られた南州農場の加工肉など、まだまだありますが、錦ヶ丘ではより良い食材を信頼できる業者さんから厳選して仕入れ、給食に使用していることを説明しました。

錦ヶ丘が強いこだわりをもって「体を作る食」に取り組んでいるのは、“子どもたち”のことを第一に考えているからです。今の子どもたちの食を考えることは、これから先の未来まで考えた取り組みへと繋がることとなり、錦ヶ丘はそれを行っていく存在でありたいと考えています。

15日の午前の部には、橋口農園の橋口さんも参加してくださいました。橋口さんは、どうして有機野菜を育てようと思ったのかについてお話してくださいました。水俣に近い出水のご出身である橋口さんは、自分の毛髪から基準値以上の残留水銀が検出されたことに驚き「人に悪影響を及ぼすものを出さない農業がしたい」と40年前から有機栽培に取り組み始めたとおっしゃっていました。私たち給食室も子どもたちに悪影響のあるものを出したくありません。同じ考えをもつ生産者の方々から食材を仕入れさせていただけることに改めて感謝し、私たち調理する側もその思いを無駄にすることなく大切に子どもたちのもとへ届けていきたいと感じました。

 

今後は調理する私たち自身が給食食材の生産地を見学するなどして、“ゼロ”から見える食材の使用を増やし、有機野菜・無農薬野菜をより多く給食に取り入れるための工夫をしてまいります。今はコロナの影響で実施できていませんが、錦ヶ丘の食に対する考え方をより多くの方々へ直接お伝えしていく活動に力を入れていきたいと考えております。新園舎ができ、広くなる園庭では畑を作ったりしたいとワクワクしています。

 

今回の映画上映会を通して、私たち栄養士も多くのことを学びました。ですが、まだまだ学ぶことはたくさんあります。

知っていれば変わる意識もあれば、知らなければ何も変わらない・変えられないかもしれません。だからこそ、食について興味を持ち、様々な視点で考えられるようにしておくことが大切なのではないかと思います。

研修の最後にもお伝えしたように、私たち栄養士だけでなく、全職員・子どもたち・保護者の皆様とともに更に食に学びを深めていきたいです。

文責:こども園栄養士 米澤

保育園栄養士 大西

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