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2022.02.01

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子ども達の世界を広げる環境づくり

先日の土曜日、19時までの勤務の時に、18時のおやつを食べた後に子ども達と夜ののはら園に出かけました。

 

 

 

夜ののはら園


おやつを食べながら、この後何して過ごす?という話になった年少の女の子と年中の男の子、そして私たち2人の職員。

「お迎えまでまだ結構時間あるね」

「2人だけだし何かしたいね」

「星を見に行ってみる?」「月出てるかな?」

「のはら園でも行ってみる?」という話から、のはら園に散歩に行くことが決まりました。

 

そうと決まれば上着を着て、こあら組でお仕事中の園長のもとへ。

ちょっぴりドキドキした表情で、部屋に入った2人。わたしたちは「自分達で言えるかな?」と見守ります。

すると年中の男の子が言いました。

 

「のはら園に“探検“に行ってきます」

 

 

それから30分程、ライトを片手にのはら園をぐるぐる探検した2人。

 

土管のトンネル、築山の頂上、小川の中…

昼間何度も何度も遊んでいるのはら園が、よほど違った景色に見えたのでしょう。

 

ライトを照らし、「これ何だろう!?」と興味津々に見つける一つ一つは、夜だから見られる特別なものではありませんでした。実際は普段から何気なく風景に紛れている、葉っぱの切れ端や小枝。

けれど、暗闇の中で見つけるそれらは、彼らにとって、『いつもとは何かが違うとっても“特別“なもの』に見えていたのだと感じます。

 

2人の子ども達にとっては、単なる“散歩“ではなく、彼が最初に園長に伝えたように、まさに“探検“だったのだと気付かされました。

 

 

 

子どもは環境を通して学び、育つ


 

私たちにはそれぞれ“五感“があります。

「一つの感覚を遮られると、他の感覚が研ぎ澄まされる」ということを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この のはら園の探検も、暗闇という“視覚“が少し遮られた環境が、彼らの他の身体の感覚を研ぎ澄ませ、見慣れた景色が新しいものに感じたり、何か新しいものを見出そうとしたりしたのだと思います。

 

それはまさに、好奇心のはじまり。

日常の環境に少し工夫を加えることで、子ども達の好奇心、興味・関心、その先にある「どうして?」「なぜ?」の学びに向かう心の土台につながります。

 

 

『幼保連携型認定こども園 教育・保育要領』のなかでも、以下のように環境の大切さが述べられています。

保育の環境には、保育士等や子どもなどの人的環境、施設や遊具などの物的環境、更には自然や社会の事象などがある。

保育所は、こうした人、物、場などの環境が相互に関連し合い、子どもの生活が豊かなものとなるよう、次の事項に留意しつつ、計画的に環境を構成し、工夫して保育しなければならない。

 

 

子ども達は、環境を通して学び、育ちます。

子ども達の行動や感覚は、環境によって大きく変わります。

保育者の言葉や表情などの人的環境、保育室、準備される玩具、光や音などの物的環境、それぞれの要素が合わさって、一つの環境がつくられます。

どれもとても大切な要素です。

 

だからこそ私たちは、子ども達のどんな姿を引き出したいかを明確にしながら、環境を適宜見直し、工夫していくことが重要なのです。

 

 

先日のランチボックスもその一つ。

「給食をより楽しんでほしい!」という給食室スタッフの思い、そしてその思いを受け取り、天気や子ども達の様子を踏まえて環境を工夫する保育者の思いや意図が合わさって、特別な時間となりました。

ちょっぴり違う特別な時間は、大人もワクワクしますよね(^^)

 

 

30分弱ののはら園の探検の時間は、夜ならではの特別な虫に出会うこともなく、曇り空のため星も月も見えませんでした。

しかし、のはら園という日常の環境の中でも、感覚を研ぎ澄ませ、いつもは見つけられない不思議さに出会えた時間は、子ども達にとって未知の世界と出会う“探検“のひと時。

 

大人が思う以上に、子ども達にとって環境の影響って大きいんだなぁと感じると共に、一つ一つの環境を大切につくっていきたいと感じる時間になりました。

 

 

一つ一つの環境に大切に向き合いながら、子ども達の心の育ちにつながる環境づくりにこれからも努めていきたいと思います。

 

 

文責:迫田

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