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2022.02.24

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知ることからはじめたい~児童虐待の研修を受けて~

先日、「児童虐待予防」に関するZoom研修に参加させていただく機会がありました。

私は、今回の研修を受けて、知識を入れ、そこから見えてくるものがある事を知りました。

加えて、知ることは自分の持っている知識を、もう一度アウトプットする機会になることも改めて感じています。

 

 

 

児童虐待について


児童虐待の種類としては、①身体的虐待②心理的虐待③ネグレクト④性的虐待、の4つです。

②心理的虐待には、子どもの目の前で配偶者に暴力的行為を見せつけることも含まれています。③ネグレクトには、保護者以外の同居人による身体的・性的・心理的虐待と同様の行為を保護者が放置することも含まれます。

(高齢者や障害者の場合は、この4つに加えて⑤経済的虐待が含まれます。)

 

虐待によって、脳に与えられたダメージは、感情や欲求のコントロール役である前頭前野を萎縮させます。そのため、本能的な欲求や行動のコントロールが効かなくなるという例があります。

また、暴言は「聴覚野」を一部拡大させ、それに伴って、会話する際に余計な負荷がかかり言語機能に影響を与えることがあります。

 

 

 

子どもに関する法律・条約


子どもに関する法律として、”児童福祉法”があります。

以前までは、この児童福祉法の中に、児童の虐待に関する項目がいくつかありましたが、あまりうまく機能されていないこともあり、2000年11月に『児童虐待防止法』が施行されています。

 

また、世界に目を向けてみると、ユニセフ協会が1989年に児童の権利に関する条約が採択されています。日本は、1990年に採択(決定)し、1994年に批准(正式に同意)しています。この児童に関する条約では、18歳未満の児童を権利を持つ主体として位置づけ、一人の人間としての人権を認めています。

 

他にも様々な法律・条約があり、加えて改正されてきた内容等を覗くと、日本や世界の児童福祉に関する過程が見えてきました。

 

 

 

愛着(アタッチメント)


愛着”とは、養育者との子どもとの間に生まれる特別な絆をいいます。

アタッチメント”という言葉で聞いたことがある人もいるかもしれません。

イギリスの児童精神科医であるボウルビィが命名したものです。

 

ここでは、具体的に2つ紹介します。

 

保護者 こども
暴力的 暴力によって自分の感情・要求を表現。警戒心が強く、相手の言動に過剰反応する。
感情のやり取りが少ない 気持ちをうまく相手に伝えられない。他者とのつながりに気付けず、孤立しやすい。

※あくまでテンプレートです。

 

 

 

また、アメリカの心理学者であるハーロウという方をご存知でしょうか。

 

ハーロウもボウルビィと同様に愛着に注目しています。

有名なのはアカゲザルの実験です。

アカゲザルの赤ちゃんの前に、2つの代理母を用意します。

1つは哺乳瓶が付いている針金製の母親。

もう1つは、哺乳瓶はついていない柔らかい布の母親。

 

→どちらの母親に親しみをもつか観察したところ、哺乳瓶はついていないけど温かみのある布製の母親に親しみを持っていました。

この実験からハーロウは「接触の快適さが重要だ」とスキンシップの大切さを述べています。

 

 

 

要保護児童対策地域協議会


『要対協』はニュース等でもよく耳にしますね。

正式には、要保護児童対策地域協議会(以下 要対協)といいます。これは、2000年に児童虐待防止法が制定されてから4年後の、2004年児童福祉法改正時に法定化されています。

要対協は、要保護児童に関する情報の交換や支援を行うために、協議を行う場として位置づけられました。(要保護児童とは、保護者に監護させることが不適当であると認められる児童、保護者のない児童、虐待を受けた児童だけでなく、障害を持った子ども、不良行為 (非行、犯罪行為含む)をする、またはする恐れのある児童をいう。)

 

 

要対協の中で、どのような意見が出されているのか私も気になり調べてみました。

ぜひ、気になる方がいらっしゃれば参考までに。

http://www.city.kagoshima.lg.jp/kodomoshien/jisoukenntouiinnkai/documents/sannkoushiryou4.pdf(要保護児童対策地域協議会の中で出された意見等)

 

 

 

虹って何色(ナンショク)?


皆さんは虹の色を聞かれると、いくつ思い浮かべますか。

私は多くの人がこたえるであろう、7色が浮かびます。

 

しかし、日本以外の国では、7色ではないという話、御存じでしたか?

私は研修を受けてびっくりしました。

 

アメリカでは8色、ドイツでは5色、台湾では3色だという事です。

国によって色を表す言葉の数も異なりますし、見え方も異なります。

色の境界線って決まってはいないんですね。

 

虹の見方が様々なように、“どのように見えるか”はそれぞれ。また、日本以外の虹の見方を知り、“どう見ようとするか”で他の国の虹の見方を理解できました。

子ども達に対してもきっと同じです。大人が子どもの気持ちを“どのように理解し”“どう理解しようとするか”で変わってくると思います。

 

「いやだいやだ!」の言葉の裏には、どんな気持ちが隠れているかな?

『悔しかったね  さみしかったね

怒りたくもなるよね  友達がうらやましかったね』

 

 

 

この研修を受けて、子ども達の気持ちをたくさん言葉にする努力をもっともっとしていきたい、と心から思いました。

そして、今回の研修で様々な事を知ったことで、より勉強していきたいと思いました。

知ることからはじまること。これから先もたくさんあるのだろう、と機会を見逃さないようにしていきたいと思います。

 

 

文責:社会福祉士 新村

 

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