お知らせ

2022.04.28

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子ども達の命を守るために~戸外の過ごし方・ヒヤリハット・避難訓練~

先日、広島で保育園の5歳児が園から抜け出し、川で亡くなるという痛ましい事故があったことは、皆様もご存知のことと思います。

この事故を踏まえて、園での安全対策の見直しを行ったことを、保護者の皆様にはお知らせしました。

 

普段、保育で子ども達と過ごす中で、保育者が具体的にどのような安全管理を行っているのか、今回は3つの点からお伝えしたいと思います。

 

 

戸外の活動では


”のはら園(ビオトープ)”は、沢山の草花や木々があります。木の根が張り出していたり、子ども達の目線の高さよりも高くまで草が伸びていたりすることは当たり前の光景です。

 

ビオトープとは、ギリシャ語の「bios(生物)」と「topos(場所)」の合成語で、生物が自然な状態で生息している空間のことを意味します。自然保護のあり方を示すドイツの言葉で、環境保全や野生生物保護を目的として、森林や池などを整備したのがはじまりだそうです。

錦ヶ丘ののはら園も、できる限り自然の状態を大切に、あまり人の手を加えないようにしています。しかし、「草が伸びすぎて足元が見えにくくなり池に落ちてしまいそう」「子どもの目線の高さに枝が伸びていて顔に当たりそう」など、危険度が高い場合は営繕職員を中心にすぐ対応しています。

 

 

ありのままの自然環境を大切にしているのはら園なので、木の小道から池の裏側にまわると、このような光景が広がります。

大人の目線

 

これは、大人の目線の高さの光景。同じ場所で子どもの目線にすると…

子どもの目線

 

このような景色になります。

 

 

自然いっぱいののはら園は、死角が多いという側面も持ち合わせています。

そのため、保育者は見守りの際、活動の範囲を限定したり、散らばって声を掛け合ったりと、緊張感をもって見守りを行っています。

また、こまめに人数確認を行い、子ども達が全員、元気に安全に活動をしているかを複数人で把握するようにしています。

保育園も遊びに来ているので、尚更カラー帽子をもとにした人数確認が重要です!!

 

 

暑くなるこれからの季節は、熱中症対策も十分気を付けなければなりません。

衣服の調整、帽子着用の徹底、こまめな水分・塩分補給や休息、日陰で遊ぶことに努め、そして、「そもそも戸外で遊んで大丈夫か?」を職員一人ひとりが考えていきたいと思います。

 

 

 

 

ヒヤリハットは1いいね!


『ヒヤリハット』とは、『大きな事故やケガには至らなかったものの、事故になっていた可能性のある、一歩手前の出来事のこと』です。

保護者の方の中にも、様々な場面でお子様のことで”ヒヤッ”としたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

また、ヒヤリハットを考えるにあたり『ハインリッヒの法則』というものがあります。

『1件の大きな事故の後ろには、29件の軽微な事故が、そしてその後ろには300件のヒヤリハットがある』と言われています。

 

画像引用:木崎洋技術士事務所

 

 

0~5歳児まで沢山の子ども達が過ごすこども園。子ども達にとっては社会生活の場です。

近い年齢の子ども達が一緒にいるからこその気持ちのぶつかり合いや、未だ身体を上手にコントロールできない時期だからこその怪我などが日常的にあり、それは子ども達の育ちにとって欠かせないものです。

大きな事故にはならなかったけれど、ヒヤッとした出来事を日常的に職員間で共有し、『ただ起こった出来事』ではなく『自分事・クラスの事として』捉え、次起こらないためにはどうすればいいのか、考えることに努めています。

 

 

ヒヤリハットは、職員も防げなかったことを悔いたり、自分を責めたりする気持ちになることも少なくありません。しかし、新年度に向けた全職員が集まった会議では、「ヒヤリハットは1いいね!のつもりで、全職員でどんどん出していきましょう」と共通認識を持ちました。

こども園内はもちろん、保育園・まふぃんとも各施設のヒヤリハットを共有し、また、月末の職員会議では昨年度に起きた次月のヒヤリハットを振り返って、事前に気を付ける視点を共有するようにしています。

 

 

避難訓練


こども園では、地震・火災・台風(弱~強程度)・竜巻・火山爆発等、様々な災害を想定した避難訓練を、月に1回、

また、「ミミちゃんの時間です」の合言葉をもとに不審者から身を守るための防犯訓練を、半年に1回、それぞれ行っています。

 

4月28日は、今年度初めての避難訓練でした。

「避難訓練ってなに??」ということを知り、非常ベルの音を聞いて、その後実際に園庭に避難してみました。

今回の避難完了までの時間は2分5秒!子ども達も大人の話をよく聞き、手が空いている職員は未満児の避難のフォローに行く等、連携を図ることでスムーズに避難することができました。

昨年度の経験から『お・か・し・も』の約束をしっかり覚えている子どもも沢山いましたよ。

 

 

 

 

体調不良時の対応、怪我の対応、室内の安全管理、水の事故を防ぐ、バスの安全管理等… 他にも沢山の視点で日々の危機管理・安全管理を行っています。

沢山の子ども達の命をお預かりしている責任ある立場として、これからも「なにができるか」を考え、職員間での情報共有や見直し、改善に努めていきます。

 

【参考/引用ホームページ・文献】

・ビオトープとは? https://horti.jp/25575

・子どもの「命」の守り方  著/掛札 逸美 エイデル研究所

 

 

文責:迫田

 

 

 

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