お知らせ
2022.06.16
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楽しみにしていた梅しごと ~梅ジャム~ 4歳児(たんぽぽ組)
4月の進級当初、「年中組になってやってみたいことは?」の中で出てきたことの一つが、『梅しごと』でした。
今回は、
①どんな梅しごとをしたいかの話し合い、作り方について考えたり調べたりする
②実際に作る様子
③できあがった梅ジャムを食べる
までの子ども達の様子について、お伝えしたいと思います。
園に梅が届いたよ
5月になると、職員の庭でとれた「青梅」が園に届きました。毎日よく見ていると、少しずつ色が変化し、完熟していきます。子ども達に気づいて欲しいと思いつつ、子ども自身の気づきを待ちました。
「いい匂い」「いつ、梅しごとができるかな」と期待も膨らみ、ワクワクしていましたよ。
梅で何を作る?
いよいよ話し合いの日。
保育者から「梅を使って何を作りたい?」の問いかけに
・梅ジュース(梅シロップ)
・梅ジャム
・梅干し という声があがりました。
昨年の年長・年中組の子どもたちが梅仕事をしていたことをよく覚えているのだな、と感心させられました。
また、「家で作ったことがある」「食べたことがある」と経験を話をしてくれた子どももいました。
さて、どうやって梅ジャムに決まったかと言うと、
それぞれの作りたい物について、みんなの前で「〇〇がいいよね」と自分が作りたい思いを伝えたり、近くに座っている友達と「作りたいよね」「○○食べたいよね」などと思いを共有したりしていく中で決まりました。
これらの活動を通して、『幼児期までに育ってほしい姿』の中の次のような姿が見られました。
〇思考力の芽生え~どうやったら梅ジャムを作れるか、調べ、考える。
〇言葉による伝え合い~自分の思いやしらべたこと、過去に経験したことなどを友達と共有するために言葉にして伝えようとする。
〇協同性~梅を使ってクッキングしたいというイメージを共有し、そのためには、どうしたらよいかを考え、話し合う。
保育者は、なるべく子ども自身が考えたり、友達にと思いを伝え合ったりできるように見守りました。
梅ジャム作り
本園の栄養士に、梅ジャム作りに決まったこと、完熟梅を注文して欲しいことを伝えた、数日後…。
「給食のメニューに、梅ジャムを使おうと思うのですが、みんなの分を作りませんか?」と思っても見ない提案を受けました。
子どもたちに相談すると、「作る‼」とますますはりきっていましたよ。
いよいよ当日。
給食室から運ばれてきた、完熟梅やきび糖、調理器具に興味津々で、いつもよりもとても早く、片づけ・集まることができた子どもたちでした。
動画やポートフォリオで作り方を確認しながら、スタート!
梅を手に取ると「いい匂い」と口々に話していました。私も匂いを嗅いだのですが、完熟したものは、すもものような甘い香りがしましたよ。
真剣な表情で、爪楊枝を使って梅のへそを取り、水洗いすると早速煮ました。
時計とにらめっこしながら「もうすぐ長い針が5になるよ。」「もういんんじゃない?」と待ちきれない様子。
遊びながら待つ子ども、鍋の様子をじっと見つめている子どもと興味の高さや持続性は様々ですが、子どもたち一人ひとりの興味や関心のタイミングを捉えながら経験を積み重ねていけたらいいなと思っています。
煮えた梅を鍋から取り出すと、スプーンを使って、種を取り、実をつぶしました。
種に実が残らないようにスプーンを上手に使っていましたよ。
子どもたちから「食べてみたい‼」の声が上がり、ちょっと味見をしました。子どもたちの反応は、「すっぱーい!」でした。
また、煮汁も飲みたいというリクエストがありました。一瞬びっくりしましたが、まずは私が味見。むせるくらいに味が濃く、すっぱかったです。
お湯を足し、氷で冷やして飲みました。「オレンジジュースみたい!」と見た目の色から張り切って飲んだ子どもたちでしたが、感想は、「すっぱい」「少し甘い」「おいしい」と様々でした。
最後の工程は、つぶした梅ときび糖を鍋に入れて煮詰める。
またまた、時計とにらめっこ。
やっと完成すると、早速「食べたい」ということで、指先にほんのちょっと載せて食べました。感想は、「さっきよりも甘い」「おいしい」「すっぱいけどおいしい」とやはり様々なでした。
まだまだたくさん食べたかった子どもたちでしたが、給食の日までがまんがまん。
自分の五感で感じたことで、『幼児期までに育ってほしい姿』の中の次のような姿が見られました。
〇豊かな感性と表現~自分の五感で感じたことを言葉や表情、全身で表す。
〇言葉による伝え合い~自分の思いや感じたことを言葉にして、伝える。
〇自然との関わり~梅を触り、クッキングする中で、自然への関心を高める。
待ちに待った給食の日
年少組の保育室へ行って、梅ジャムの紹介をしました。少し、照れたり、恥ずかしがったりしていましたが、『自分たちが作った梅ジャムが給食になった』という喜びや自信に満ちていました。
とっても美味しかったようで、大満足の子どもたちでした。
自分達のしたことが、誰かの役に立つ、みんなに喜んでもらえたという経験は、普段なかなか感じることができない貴重な経験でした。
この経験を今度は、どのような活動に活かしてくれるのか楽しみに見守りつつ、保育者自身もどのような経験に繋げていけばよいのか考えていきたいと思います。
文責:川宿田