お知らせ
2022.08.16
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自分で!(1歳児 つくし組)
4・5・6・7月といろいろな経験を通して少しずつできる事が増えてきたつくし組の子ども達。
その中で、食事、着替え、場面の切り替えなど「自分で!(やりたい!)」「いや!」など自分の思いを主張する姿も見られるようになってきました。
集団生活の中で、子どもが素直に自分の気持ちを表現することは、「自分の思いを分かってくれる大人がいる!」という安心できる環境があるからこその姿であり、とても喜ばしい成長だと感じています。
連絡帳の中でも「いよいよイヤイヤ期?」「どうすればいいのか困っています。」などの声を頂いています。今回はいわゆる「イヤイヤ期」についてお伝えしようと思います。
どうしてイヤイヤするの?
その1 言葉でうまく伝えられない
「本当はこうしたいのにうまく伝えられない」という気持ちの現れ。その伝えられないもどかしい気持ち、苛立ちから「イヤ」と言ってしまう。
その2 思い通りにならない
自分はこうしたいのにうまくできない。理想と現実のギャップからストレスがたまり「イヤ」と言ってしまう。
その3 体調が悪い
眠たいけどまだ遊びたい、疲れたからお家に帰りたい、体調が悪い時には機嫌が悪くなり、「イヤイヤ」が悪化してしまう。
その4 甘えたい
まだまだ甘えたい時期。構ってほしくて注意を引こうとする「イヤイヤ」。大人が反応してくれることが嬉しくてわざと大人が嫌がることしてしまう。
イヤイヤ期には脳も発達しています
小さな子どもは脳が未発達です。イヤイヤ期には自分の気持ちを表現できるようになってきますが、まだ伝える力は不十分で、自分を制御する力も備わっていません。
そのため、「イヤ」という言葉を使ったり、泣いたり、かんしゃくを起こすことで自分の気持ちを主張しようとします。
しかし、イヤイヤ期を経ることで子どもは様々な経験をすることができます。
自分の本能に任せるだけでなく、ルールを守ったり、周りの人の気持ちに気づいたり、考えて行動できるようになっていくのです。
これは、脳が発達し、自制心が身に付いてきた証拠です。
自己肯定感が高まり、思いやりの気持ちが育つ
子どもの「イヤイヤ」は自分の気持ちを素直に表現しているだけで、大人を困らせようとしているわけではありません。
子どもの気持ちや思いを、大人が受けとめてくれることで自己肯定感が高まり、自分に自信を持つことができると言われています。
自分に自信のある子は積極的にチャレンジし、失敗してもまた挑戦することができます。
また、自分がしてもらったことは他の人にもできるようになっていくので、大人が子どもの気持ちに寄り添っていく事で思いやりの
気持ちが育まれます。
自己主張を受けとめることで自立につながる
イヤイヤ期は、これから子どもが自立していくための第一歩です!!
気持ちを受け止めてもらえると、自分の意見を素直に言えるようになります。
でも、怒ったり、子どもを押さえつけてしまうと子どもを否定することになり、その結果、自分で物事を決められなくなったり、困った時に助けを求められなくなってしまいます。
園では、イヤイヤする子どもに対しては、まずは「こういう気持ちなんだね」と子どもの気持ちを受けてあげることを大切にしています。
自分の気持ちを受け止めてもらえたことで、子どもたちは少しずつ気持ちを切り替えられるようになってきています。
ただ、「気持ちを受け止める」ことと「わがまま放題にする」「子どものやりたいようにさせる」というのは違います。
無理な事、ルールはきちんと伝え、やって良いこと、やってはいけないことを学ぶ機会をつくっています。
自分を主語にし、自分の気持ちを伝えるアイメッセージを意識すると子どもの気持ちを否定せずに話ができると思います。
また、子どもは大人の対応や言動をしっかり見ています。「どこまで許してくれるのか」「自分のことが本当に好きなのか?」などといったことを確かめたくて
行動する場合もあります。
イヤイヤ期は必要な成長過程である。そうはわかっていても、忙しかったり、自分に余裕がなかったり、現実はうまくいかない事もあると思います。
毎日イヤイヤ期の子どもと向き合っていくのは大変です。「こんな時はどうしたらいいの?」など困った事、疑問に思ったことなどありましたらいつでもお話しください。
お子様の成長のためにできること、一緒に考えていけたらと思っています。
文責:淵上