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2023.01.25

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字に親しむ活動が始まりました!(5歳児・年長)

新しい年がスタートして、もう半月が経ちました。

年長組の子どもたちは1月16日から、来たる4月の就学を意識して字に親しむ活動(運筆)をスタートさせました。

園で準備した、1人にひとつの筆箱、鉛筆、消しゴムに、心が躍る子もいたようです。もうすぐピカピカの1年生なんだ!とさらに就学への期待が高まったのではないでしょうか。

現在、子どもたちは平仮名の練習を始める前の準備段階として、線や曲線をなぞる練習(運筆)をしています。書くときの姿勢や、力の入れ方などに苦戦することもありながら、

一生懸命目の前のプリントに取り組む姿が素敵だなぁと感心しています。

「書くこと」が苦手意識になることも…

昨年度までカウンセラーとして勤務していたいくつかの小学校では、

「字を書くこと(書字)が苦手で授業が楽しくない。」「漢字の宿題が嫌だから学校に行きたくない。」

といった子どもや保護者からの相談を担当していました。

幼児期の子どもたちは、「とにかく新しいことを覚えて書けることが楽しい!」と平仮名への興味関心で溢れていますが、実際に小学校に入学してみると、「上手に書きたいのに思う通りに書けない」というもどかしい気持ちから苦手意識が芽生えることもあるようです。

こういった場合、何度も書いて練習させれば字を書くことが好きになるというケースは稀で、練習させればさせるほどストレスとなり、苦手意識が強くなっていくこともあります。

 

苦手は遊ぶことで補える

私は「書字」への苦手意識や手先の不器用さを改善する試みの一つとして、「しっかり身体を動かして遊ぶこと」をオススメしています。

特に、発達の初期段階の動き(寝返り、ずり這い、ハイハイ)をしっかりと行うことが字を書く上でとても大切となります。これらの動きを十分に行うことで、字を書くために座る力(体幹)、鉛筆を持つ力、鉛筆を持っている手を支える力などが育ちます。

さらに、小学校に入ると黒板に書かれてあることを書き写すために、“ 顔を上げて字を見る → それを手元のノートに書き写す ”という作業が入ってきます。目や首の動きを支える力もまた、発達初期の動きで培うことができます。

 

錦ヶ丘では、日々の保育の中で「リズム」を行っています。このリズムはまさに、寝返り・ずり這い・ハイハイの要素を組み込んだ最高の運動遊びであると私は考えています。

その他にも、年長組ではハイハイの動きを使ったゲームや、雑巾がけのお手伝いなど、床に手をつく動きを多く取り入れ、楽しく身体を育てています。実際、ハイハイを使った遊びをした日に運筆のプリントを実施したところ、「書きやすくなった」と報告してくれる子も数名おり、やはり子どもは遊びの中で育っていくんだなぁと実感しているところです。

綺麗に書けなくても大丈夫!

字に親しむ活動(運筆)を始める前に、クラス担任から子どもたちにこんな説明がされました。

「字に親しむ活動は、小学校に行くためだけにやっているんじゃないんだよ。綺麗に書くことや、早く書けることも大切かもしれないけど、それよりもみんなが 『書くことって楽しいな』『ひらがなっておもしろいな』って思ってくれることを大切にしたいな。」

子どもたちは今、1人ひとり違うペースでじっくりと紙に向かって練習を重ねています。

私たち保育者は、普段の遊びと同じように、子どもたちそれぞれのペースで、それぞれの心の向かう方向や興味関心を大切にしながら字に親しむ活動に取り組んでいけたらと考えています。

卒園までの間、字に親しむ活動(運筆)を通してまたひとつ子どもたちが成長していく姿が楽しみです。

 

文責:津田

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