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2023.03.30

Blog

錦ヶ丘の目指す園児像

錦ヶ丘の園訓『強くたくましく型にはまらない 野性味溢るゝ子どもに育てましょう』。

今年度は、この園訓と3つの目指す園児像について、学年毎にディスカッションする時間を設け、年度当初に設定した保育のテーマと共に折々で自分達の保育を振り返る時間を大切にしてきました。

 

 

今回のブログでは、その中でも目指す園児像について、保育を振り返りながら考えてみたいと思います。

 

 

個性ある一個の人として尊ばれる子

皆さんは『個性』と聞くとどのようなイメージをお持ちになりますか?

個性 個人または個体・個物に備わった、そのもの特有の性質。個人性。パーソナリティー。(デジタル大辞泉より)

ここから考えると、その人そのものが持っているもの、その人自身のことを個性と言うのだと、私は解釈します。

家庭から飛び出して様々な人と関わる社会生活を経験していく中で、社会の中でのルールや立ち居振る舞い方を学んでいくと、良くも悪くも個性は薄くなっていくのかもしれません。だからこそ、「わたしは、わたし」「ぼくはこんな人!」と安心して発揮できる場は、とても大切であると感じます。

『個性』と聞いて、私が錦ヶ丘の保育でパッと思いつくのは、12月に行われた“にしきっこフェスタ”です。

“子どもにとっては生活そのものが表現である”と、職員間で子どもの表現の捉え方を揃えて準備を進めていったフェスタ。一人ひとりの好きなこと、見せる表情、呟きを丁寧に掬い取り、日常の姿を見て頂く機会として実施しました。

フェスタに限らずではありますが、「ぼくはこれがやりたい」「わたしはこんな風にやってみたよ」と、一人ひとりの思いを受け止めながら日常が紡がれていくのが錦ヶ丘です。思いが伝えられるのは、受け止めてもらえる存在がいてこそ。子どもも大人も、一人ひとり違って当たり前。その“個性”が集まって、錦ヶ丘の毎日は創られています。

一人ひとりの思い=個性が発揮される環境づくりにこれからも努めていきます。

 

 

学ぶことは楽しいと思える子

錦ヶ丘の戸外でよく見られる光景の一つが『泥団子作り』です。年下の子どもたちが、年長さんの姿を見て、手元で作られていくピカピカな泥団子や大きな泥団子にキラキラとした目を向けています。

憧れや興味は、学びに向かう力の第一歩だと、私は考えています。

「ぼくもあんな風になりたいな」「どうやったら、あんなに素敵なものができるんだろう」「わたしのと何が違うんだろう?」「真似してみよう」そんな気持ちが、試行錯誤する力や探求心を育んでいきます。

また、図鑑や絵本が好きな子どもが多いのも大きな特徴です。

のはら園や食育活動を通して、沢山の“本物”と出会える環境がある錦ヶ丘。体験を通して出会ったものや知った知識を図鑑や絵本を見て結び付けることは、知る楽しや文字や数量、図形への興味にもつながっていきます。

幼児教育は、小学校以降の学びに向かう力の基礎となる力を身に付ける時期です。錦ヶ丘で育った子たちは、きっと「知るって楽しい!」「考えるって、試すっておもしろい!」と感じてくれているのではないかなと、子ども達の姿を見て思います。

 

 

自己肯定感をもてる子

「日本人は自己肯定感が低い」というのを聞いたことがある方も多いと思います。その背景には、謙虚さや真面目さ、「みんなと同じ」を求められやすい昔からの風土が強く影響しているといわれています。

 

では、自己肯定感をもつことは何故大事なのでしょうか?

 

錦ヶ丘では、大人が必ず子ども達の思いを受け止めることを意識しています。

集団生活の中で、子ども同士の気持ちのぶつかり合いから噛みつきや手が出て怪我をしてしまうこと、暴言を言ってしまうことは、防ぎたい気持ちを持ちながら見守りを行いますが、止めきれないのも事実です。望まない行動そのものは「いけないよ」としっかり伝えつつ、大人も「そこまでさせてしまってつらかったね、ごめんね」という気持ちになりながら、双方の思いをしっかり受け止めていきます。

感情が動いて行う行動には必ず理由があります。行動の背景にある思いを受け止めることは、子どもの心をまるっと受け止めること。どんな感情も受け止める存在がいることが、自分を大切にできる第一歩になるのだと思います。

 

私は、自己肯定感は『自分を大切にする気持ち』だと考えています。

これからの人生で、どこかの場面で必ず「自分ってどんな人だろう?」と考えることがあると思います。そんなとき、どうしても「私のこんな部分が嫌だなぁ」「もっとこうなりたいな」と思う部分は浮かびやすいですが、その中で一つでも自分の素敵だと思えるところや「ここだけは自慢できるぞ!」と自信を持てるところがあれば、十分だと思うのです。

そんな“自分の強み”が、きっとこれから先、くじけそうな時に自分を救ってくれたり、励ましてくれたり、また、「十分がんばったから、一回休もう」と、自分を大切にするきっかけになるのではと思いますし、そうなってほしいと強く願っています。

「なんだかんだ色々あるけど、でもわたし、頑張った」。そんな風に自分で自分を応援してあげられる、そういう意味で自己肯定感をもった人になってほしいなと思っています。

そのために、心を大きく育てているこの乳幼児期で、一人でも多くの大人が「あなたのその気持ち、ちゃんとわかっているよ」と肯定的に受け止めていく関わりをしていきたいなと思います。

 

 

子ども達から学ぶ

日頃子ども達と過ごしていると、私たち大人が学ぶべきは子ども達の姿だと、感じる場面が沢山あります。

自分の思いを言葉で伝えること、粘り強く挑戦すること、感情を表現すること… 子どもって本当にすごい!!と感じる毎日です。

 

そんな中で、今回お伝えした3つの目指す園児像を紐解いていくと、子ども達はもちろんですが、私たち大人こそ大切にしていきたい、身に着けたい力であることを強く感じます。

一人ひとりが自分を発揮し、学び続けることを楽しみながら、仲間も自分もきちんと認めていくこと。とても難しいことです。

けれど、そこを目指していくことで、より高め合えるチームになれるのではないかと思っています。

 

令和4年度が終わり、いよいよ令和5年度が始まります。

全ては子ども達の為に!来年度も引き続き、チーム錦ヶ丘、職員一同努力を重ねてまいります!

 

文責:迫田

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