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2024.03.21

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「デートDV」って?

昨年度、「思春期保健相談士」の資格を取得後、令和5年4月から6月にかけて研修を受け、デートDVプログラム ファシリテーターの資格を取得しました。

デートDVや男女共同参画、性の理解について小・中・高校・大学生・保護者向けにお話をすることができるようになり、鹿児島市立武岡中学校を皮切りに、他中学校4校(喜入中学校 鹿児島玉龍中学校 重富中学校、吉田北中学校)、高等学校4校(鹿児島玉龍高校 鹿児島川内商工高校 曽於高校 隼人工業高校)計9校と枕崎市で働いている20代の方28人にお話をしてきました。

「デートDV」のテーマでは以下のような内容の話をします。

〇DVって何?デートDVっ何?

まずは、DVやデートDVっと知っていますか?という問いかけから始まり、どんな暴力であるか、4つの暴力の種類があることやストーカーやデジタル性暴力等もその暴力に含まれること、どれぐらいの割合でどんな人が被害にあってあるか、どんな罪になるのか?等の話を具体的にします。

私が、特にその中で大切にしているのが、性のグラデーションや性を捉える概念「SOGIE」について詳しく話をし、理解を深めることです。「LGBTQ+」は特別な人と捉えるのではなく、一人ひとりの4つの性の組み合わせ等によって、一人ひとりが全員違い、みんなが多様な性の一員であることを説明します。

話を聞いた学生さんや大人の反応は、「そんな話聞いたこともない。知らなかった。」「父と母の関係を見ていたら、男性の言うことを聞いて、自分の意見を言わないことが女性の役割で、それが交際だと思っていた。これってデートDVなんですね。(女性談)」「LGBTQ+が特別な人ではなく、SOGIEの話を聞くと、自分たちも性の多様性の中の一員であることが分かった。」等の感想がありました。

〇DVやデートDVがおこるのはなぜ?

みなさんはどうしてDVやデートDVが起こると思いますか?

3つの背景があります。

①2人の間での様々な出来事を経ていく中で、力によって支配しようとする関係性ができている。

②2人の間で、理由があったらさまざまな暴力をしてもいいという暴力を容認の意識がある。

③男だから〇〇でないといけない、女性は〇〇であるべきだ等の男女の性差による役割の決めつけがある。

日本の歴史の中に、女性に選挙権がない、女性は勉強しなくてもいいと言われる、女の子だけが家庭科を学ぶ、その逆に男性は、学力または体力的に優れていること、強いこと、泣かないこと、稼げることを求められてきた時代がありました。また、しつけ、教育と称した体罰等の暴力、言ってもわからないから暴力は仕方ないんだ等暴力容認の時代もありました。

みなさんの意識や決めつけはどうですか?

〇ジェンダー平等な社会、暴力を容認しない社会に!

なぜ、本園が「0歳からの性教育」「子どもの権利」「人権意識」に力をいれて、推進していると思いますか?「どうしてだろう」と考えたことがありますか?

本園には、理念とめざす子ども像があり、それは一つ一つ深い意味があります。私たち保育士が、人権を根底にした「0歳からの性教育」や「子どもの権利」について考え、態度や行動、意識を変容させることが子どもへの教育だと考えて、学び、子どもへの接し方を考え、日々保育を進めています。

私は、本園に通うこどもたちに、男だから、女だからという理由で自分がしたいことを断念したり、自分の能力を思う存分発揮できないというような人生を歩んでほしくないと思います。

また、これまでの歴史の中での「結婚をしないと一人前じゃない」「結婚したらこどもを産むのはあたりまえ」等の慣習に自分の人生を惑わされてほしくないとも思います。

自分の大切な人が自分の思うようにならないからと言って暴力をふるう人にもなってほしくないですし、いかなる理由があっても暴力をふるわれる人にもなってほしくないです。

意見の違う人がいたら「対話」をし、自分の思っていることを伝え、相手の思っていることも聞き、どうしたらいいか一緒に考えられる人になってほしいです。

みなさんはお子さんにどんな人生を歩んでほしいと思いますか?

〇わが子がデートDVの被害者、加害者、傍観者にならないために

昔は、「夫婦喧嘩は犬も食わん」と言われたり、夫婦喧嘩をして警察を呼んでも、民事不介入として家のことは家で解決してと言われていましたが、今は違います。

DV、デートDVは刑罰の対象になるための法律がしっかり整備されていますし、改正もされて、時代にあった法律に改善されていきます。

また、「セックス」をする際に「同意」を確認しあうことも大切なこととなっています。最近「不同意性交罪」という言葉を新聞やニュースでよく見聞きしませんか?

私たち大人もこのことを知らない人も多いです。このようなことを知らずに、小さい頃からの「暴力容認」のしつけ、シャワーのように「女の子は………」「男の子は………」と浴びせ続けられる、家庭での役割分担に性差があることを見て育つことでどんな影響があるでしょうか?

わが子がデートDVの被害者、加害者、傍観者にならない人権意識をもった大人に成長していくためにはどんな環境が必要か考えてみませんか?

〇「0歳からの性教育」と私たち大人の認識を変えることが大切です。

今の日本は世界ジェンダー指数で146か国中125位というジェンダー平等後進国です。

私は、本園の子ども達が20歳になるときに、ジェンダー平等が進んで、人権意識が高まり、地位とか男女差とか関係なく、自分の意見や思いを伝え、相手の意見も大切にできるような「対話」ができるような時代になっていてほしいと考えています。

そのためには、私たち大人がまずは少しずつ学び、意識、認識を変えることが大切だと思っていますし、私は今後も学び続け、自分の決めつけや意識をアップデートしながら、0歳からの性教育の推進、デートDV予防や男女共同参画推進の活動を継続していきます。

 来年度は、保護者の方々が「性教育について」「性の多様性」「ジェンダー平等」「人権」を勉強したり、考えたりすることできるような機会を設けたいと考えています。

 きっと子育てだけではなく、自分の生き方、自分の仕事にも活かせる内容となると思っておりますので、ぜひ楽しみにお待ちください。

 

文責)壽福

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