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2023.09.02

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ビオトープ”のはら園”の 大変身!

以前、園庭とビオトープ“のはら園”の遊びについてのブログの中でもお伝えした、のはら園の整備が、この8月に行われました。

これまでののはら園

25年前に造られた、幼稚園(現こども園)と保育園(現こども園プラス+)両園にまたがるビオトープ“のはら園”。造作当初は小さかった木々も月日をかけて大きく育ち、今では私たち人間や地域に暮らす生き物に、木陰や季節の花、実をプレゼントしてくれるまでになりました。

ビオトープ造作から10年が経ったころから生態系が安定し始め、沢山の方の目に触れていただくようになり、全国のビオトープコンクールで賞をいただいたり、鹿児島市の自然百選にも選定されたりと、名実ともに認めていただくビオトープに成長しました。

 

そんなビオトープの“創成期”、ここ数年少しずつ環境が変わってきていました。その大きな原因となったのが、以下の2つです。

① 地面が踏み固められ雑草が生えなくなったこと

子ども達の遊びは様々で、大人の想像や予想を超えてくることもしばしば!身体を動かすことが大好きな子ども達、のはら園で走り回ることも日常です。

地面が踏み固められることで、雑草が生えにくくなり、カマキリやバッタなどの陸上生物が減少していました。

 

② ザリガニが混入したこと

近年、ニュース等でも特定外来生物のアメリカザリガニやミシシッピアカミミガメによる被害が報道されているのを、皆さんもご存じでしょうか…。実は、錦ヶ丘でも同様の事態が起こっていました。生態系が変わった、一番大きな原因と言っても過言ではありません。どこかからやってきたザリガニが小川の中で繁殖し、メダカやエビ、ヤゴを食べてしまっていました。

これらの課題を解消し、より豊かなのはら園にするために、ビオトープ管理士の資格をお持ちである(株)青楓緑化さんによる木々の剪定・整備や、まふぃん錦ヶ丘の放課後等デイサービスの子ども達による、お手伝い隊「ザリガニバスターズ」の活動等の取り組みを行ってきました。

その中でもこの8月ののはら園整備は、ビオトープの“創成期”である1期から、より豊かに深め広げていく2期の始まりとして、大きなプロジェクトになっているのです。

 

のはら園、ここが変わりました!

ビオトープが造作された25年前は3~5歳児が過ごす“幼稚園”。今では0~5歳児までが過ごす“こども園”になりました。どの年齢の子ども達ものびのびと過ごすための環境の見直しとして、今回ののはら園整備は、園庭担当職員の話し合いの中で「子ども達のこんな遊びにつなげたいから、こうなったらいいな!」の思いをお伝えし、理事長・園長と一緒に(株)青楓緑化さんとの打ち合わせを重ねて実現しました。

 

ここからは、大きく変わったポイントを3つご紹介します!

 

① 築山の高さが低くなり、傾斜が緩やかになりました

まだ足取りがおぼつかない0・1歳児の子ども達にとっても、傾斜やデコボコの環境は体幹を鍛え身体を作る絶好の場。とはいっても、戸外となると少し話は変わってきます。明るさや触感、音等の他の刺激も室内より多く、広さがある分大人の見守りも難しくなり、予測をこえた怪我が起きる可能性が高くなります。

雨により築山の上辺りの土が流れ、年月をかけて少しずつ急な傾斜になっていた部分を整備し、高さを全体的に少し下げ、大人も広い範囲の見守りがしやすくなりました。

また、ショベルカーで土を掘り起こしてくださり、ふかふかの地面になりました。思わず「ここに住む虫になりたい!」と言ってしまうほどのふかふかさ。土や草の香りがふわっと広がる、とてもすてきな空間になりました。

 

② アスレチックを解体し、木陰でじっくり遊べる空間ができました

登ってみると眺めがよく、大きなせんだんの木がより近く感じられる空間だった木製アスレチック。高さがあったり、一ますが大きく低年齢の子ども達は抜け落ちてしまう可能性があったりして、安全面の不安から近年なかなか積極的に遊びに取り入れられなくなっていました。

腐食が進んでいたこともあり、思い切って解体。せんだんの木がつくる大きな木陰の下で遊ぶことができる空間になりました。

「ちょっと高いところからのはら園を眺められる場所は残したい!」という思いから、スロープは残すことに。高さの違いから目線が変わることで子ども達がどんなことを感じたり気付いたりするのか、楽しみです。

 

③ 土管のトンネルを抜きました

子ども達が大好きな土管のトンネル。狭くて暗い空間は、なんだかワクワクドキドキするものです。

そんな土管のトンネルですが、見守りの難しさから、子ども達が安全に自由に遊ぶことが難しい現状があったことから、土管を短くし、場所を少し変更できないかと、(株)青楓緑化さんにご相談しました。

「大丈夫ですよ!」とのお返事をいただき、土管を築山から引っこ抜く大規模作業がスタート!登降園時に通りかかってびっくりされた方も多いのではないでしょうか?

短くなり明るい場所に置かれた土管は、のぞき込むと向こう側の草木が見え、切り取った写真のよう。新しいワクワクを感じる空間ができました。ちょっと斜めになっている土管は、何かを転がし比べてみる中で、物理の不思議さを感じる空間になるかもしれません。

残った土管は、新園舎への引っ越し後、現園舎解体の跡地にて再利用の予定とのことです。どのように変身するのか、楽しみですね!

 

他にも、水路の月のモニュメント裏に堆肥場ができました。落ち葉や木の枝をここに集め、肥料にして使っていきます。ふかふかの堆肥ができると、カブトムシなどの甲虫類も誘致できるとのことです!

また、これから木製非常階段近くに溜め池と棚田が造られる計画にもなっています。

盛り沢山の、この夏ののはら園整備。この整備には、3歳以上の保護者の皆様から頂戴している特定保育料を活用させていただいています。近隣の皆様のご理解ご協力もいただき、たくさんの方々に感謝の気持ちでいっぱいです。

現園舎解体後の整備まで考えると、この先1年弱かけての大きな園庭・ビオトープ整備になります。まさに、広げ深めるためのビオトープ2期。このまま安全に整備が進むこと、そして、子ども達の自然の中での体験や心に刻まれる感情、目に焼き付く風景がより豊かなものになるよう、願っています。

 

保護者の皆様も、地域の皆様も、園にいらっしゃったときには、パワーアップしたのはら園をぜひ、歩いてみてくださいね!

 

文責:迫田

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