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2023.06.27

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園庭とビオトープ”のはら園”の遊び

錦ヶ丘の大きな柱の一つである「豊かな園庭環境」。本格的な夏が近づくにつれ、いろんな生き物も顔を出してくれるようになり、子ども達のワクワクも日に日に高まっています。

昨年度、園庭環境についてのシンポジウムを視聴したことをきっかけに、子ども達が生き生きと過ごす園庭環境について考えることが多くなりました。

今年度、園庭担当の職員で毎月集まり、遊びを豊かにするための園庭環境について考えています。

 

今の子ども達の遊び、どう??

話し合いが始まった5月、子ども達の園庭・のはら園での今の遊びについて考えてみました。そこで出てきたのは、「自然を取り入れて遊んでいるようで、実際はその場で遊んでいるだけであることも多いのでは?」という気付きでした。

例えば…

さくらんぼが実れば、さくらんぼを採って食べたり匂いを嗅いだりと、自然に触れています。しかし、さくらんぼを採り切ってしまうとのはら園の自然に触れながら遊ぶことはほとんどなくなってしまい、鬼ごっこや砂場遊び等のあまり自然を取り入れていない遊びが多くなっているのではないか、ということです。

その季節ならではの特別な自然物は子どもも大人も気付きやすいため、遊びに取り入れやすさがあります。しかし、“いつもすぐ近くにある”自然、いわゆる“雑草”と呼ばれる植物や、落ち葉、枝は、どうしても日常の景色になりやすいのかもしれません。

「自然を取り入れて遊ぶ」とは、決してその季節の特別なものだけを使って遊ぶことだけではありません。草花、実、枝、落ち葉等の自然物を使い、日常の環境の中で工夫して遊ぶことこそ、私たちが引き出したい子ども達の「自然を取り入れて遊ぶ」姿でした。

使い方が固定化されない素材だからこそ!

『遊びに取り入れるもの』と聞くと、ままごと道具やパズル、ミニカーなどの玩具が思い浮かぶ方は多いと思います。それらの“既成の玩具”は、手軽さやイメージが共有されやすいなどの良さがあります。

もちろん既成の玩具も良さがあるのですが、私たちが遊びの環境に取り入れたいものの一つに、“一つの遊び方・使い方に捉われない素材”があります。何故そのような素材を取り入れたいのかといいますと、遊び方が限定されない素材は、子ども達の豊かなイメージをさらに深め、広げていく力を持っているからです。十人いれば十通りの遊び方があり、見立てがあります。

自然物はまさに、この“一つの遊び方に捉われない素材”です。葉っぱ1枚がお面にも、髪飾りにも、切符にも、料理の材料にもなるのです。まさにイメージは無限大!子どもの表現はそれぞれです。

これらの素材のもつ力を発揮させるために、まずはよりリアルなもので遊びながらイメージを広げられるよう、本物の鍋やお椀等を準備することにしました。

 

広がる創造・想像の世界

職員から集めた、家庭で使わなくなった鍋やお椀、お玉などの調理器具。先日年長(5歳児)の保育に入る機会があり、子ども達に新しい玩具を出すことを伝えたうえで、これらの調理器具を園庭に出してみました。

すると、子ども達の遊びが今までと少し変わりました。

調理器具を使ってごはん作りをする子ども達は、自分のイメージを形にするために身近な草花を使う姿が多く見られるようになりました。使う草花も様々な種類のもの。形や大きさの違いを感じながら、遊びの中でそれを生かしていることを感じます。「もっと具を多くしたいのだけど、どんな草が必要かなぁ?」「この花使えそうじゃない?」等、友達とイメージを共有しながらのやり取りも盛んにおこなわれていました。

また、別の日は、大きなつわの葉をとり、目の部分が開くようにちぎって顔に当てると大喜びのくるみ組(2歳児)。「わたしも欲しい!」と体全体を使って葉をちぎり、お面を作って顔に当てながら「おばけだじょ~」となりきって遊んでいました。

その近くでは、他の子どもが顔の高さがあった葉っぱを手のひらいっぱいにちぎり、「えい!」と投げてひらひらとした感触を繰り返し楽しんでいました。

調理器具などのハード面、遊びのきっかけを作る大人の関わり等のソフト面。どちらも環境づくりには欠かせない視点です。

子ども達は遊びを通して、考える力や表現する力の基礎を育んでいきます。そのために必要な環境づくりを様々な視点で行っていくことが、身近な大人の大きな役割です。

日々変わる自然。日々変わるのはら園や園庭。その力を十分に生かしながら、子ども達の学びの場としての環境を引き続き考えていきます。

 

大改造も始まります!

現在建築中の新園舎への引っ越しが終わり、現園舎が解体されるとその跡地も園庭になります。そこも含め、どのような園庭環境にしていくか?まずは、今ののはら園の見直しから始まっています。早速この夏、3歳以上の保護者の皆様から頂戴している特定保育料を使って、のはら園の整備が始まる予定です!

子ども達の、より安全でより良い遊び=学び環境のために、進化し続けるのはら園・園庭に、乞うご期待ください!!

 

文責:迫田

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