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2024.08.10

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がまんする力をつける(3歳児:年少)

3歳のこの時期、さらに、自己主張が強くなり、思うようにならないと泣いて、怒って、屁理屈を言って…いつまでもイヤイヤ期が続き悪化しているように感じる事はありませんか?

そのような子どもの態度にどう対応したらいいのかな?と悩まれている家庭も多いようです。

先日、「がまんする力を育てる保育」今井寿美枝編著の本を読みました。
その中に、乳幼児期の①「生活のリズムの乱れ」と②子どもの「あれ嫌だ。」「これしたくない。」を優先した親の子育て(対応のしかた)が学童期にキレやすい子どもの背景にあるとありました。「がまんする力を育てる」には、私たち大人が子どもとどのように関わればよいのかご紹介します。

「がまんする力をつける」4つの関わり方のポイント

①「生活リズムを整える」
心穏やかにするためには、質の良い眠りが大事です。夜、暗くて静かな環境で眠ることで「メラトニン」というホルモン分泌され、心が穏やかになり、体も丈夫になります。

寝る1時間くらい前からテレビを消して、薄明りのなかで、親子で絵本の読み聞かせを楽しみ眠るための環境を大人が整えることを心掛け、朝は眠たさを感じながらも朝日の光を浴びて、気持ちよく起きれることで生活リズムが整い、心身ともに安定につながって「がまんする力」をつけることができるようです。

②「自分が大事にされている」という実感が持てるような関わり

乳幼児期は、保護者や周りの大人から「自分が大事にされている」と実感すると心が満たされ、自分に自信を持ち、優しさや思いやりの心が育まれるそうです。

子どもは、保護者の「愛情」をいつも求めています。
子どもと一緒に遊んだり、絵本を読んだり、散歩をするなど親子の時間は、子どもの心の安定につながります。

お手伝いをしたがる時期でもあるため、保護者と一緒に洗濯物を畳んだり、野菜を洗うなどのお手伝いを通して、「ありがとう!」という認められる経験や一緒に遊んだり、着替えたり、排せつしたりする時に「〇〇ができた!」という達成感を得られる経験を積み重ねていきましょう。例え上手くできなくても、「大丈夫だよ!」「一緒にやってみようね!」「お手伝いしようか?」「困ってるの?」と保護者からのあたたかな眼差しと声掛けの関りがあることで、「自分が大事にされている」という実感が持てます。

③「少しがまんする」を積み重ねよう!
幼児期から、大人が生活の中で「がまんすること」を少しずつ教えていく必要があります。
例えば、大人が会話をしている際に、割り込んでくる際は、「少し待っててね、お話が終わったら聞くからね。」と声を掛けて、少しがまんさせる。一人占めして食べたいお菓子があっても、兄弟や家族と分けて食べるというような少しがまんをする経験を積み重ねていきましょう。

④子どもの言いなりにならない!

子どもは、自分の要求を通そうと、泣いたり、怒ったりしながら大人の様子をよく見ています。

例えば、子どもと一緒に買い物に出かけた際、「あれが欲しい!」と予定していない物を欲しがり、駄々をこねて、泣いたり怒ったりすることがありませんか?泣かれるのは…という思いから、その場を穏便に済ませたくて、子どもの思いをつい受け入れ、子どもの言いなりになってしまうことはありませんか?

泣いて、怒って駄々をこねれば、大人は自分の思うように動いてくれるという誤学習から、様々な場面で駄々をこねて自分の要求を通す事を繰り返すようになります。

子どもに泣かれても譲らない強い意志を、大人が持つことがとても重要になってきます。

終わりに

乳幼児期の子どもに、「がまんする力」をつけるためには大人の忍耐力が大事になります。

園でも、保護者とお子様の関わりのなかで、打刻のタブレットやカードキーの操作をさせてほしいとせがまれながらも、「これは、大人がします」と毅然とした態度で対応している姿をみかけます。少しずつ社会の決まりやルールを守る経験を親子で重ねていくことが、子どもの「がまんする力」や協調性の根幹をつくる土台となります。

ここで大切なのが、対応の仕方です。

「しつけ」と称した身体的な暴力、怒鳴る等の精神的な暴力で社会の決まりやルールを教えるのではなく、4つの関わり方を基礎として、毅然とした態度でお子様に「だめな事はダメ」である事を言葉で伝えていくことが必要になります。

子どもとどこかに行って遊んで過ごすことも親子でのふれあいですが、短い時間でも、目と目をみて会話をしたり、お子さまの問いかけや話しかけに「ながら」ではなく、じっくり向き合ったりする等の子どもの気持ちを受け止める関わりを日々積み重ねることで、子どもの心が満たされ心の安定を図ることができると考えています。

私たちは、いつでも保護者の皆さまの子育てのパートナーです。お子さまのことで気になることやお悩みがある際は、ご相談ください。

 

参考文献:「がまんする力を育てる保育」今井寿美枝 編著

文責:山﨑

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