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2024.11.20

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錦ヶ丘の給食No.4☆1人ひとりによりそった離乳食

錦ヶ丘ならではの「こだわりの給食」

今年度錦ヶ丘に転職しました、栄養士の吉田です。錦ヶ丘の給食に携わり気づいたこと・驚いたことをシリーズ化してブログにまとめています。

4回目の今回は「1人ひとりに寄り添った離乳食」についてご紹介します。

今まで母乳やミルクですくすく育っていた子どもが初めて食材を口にする、貴重な時期です。

初めて食べる食べ物を口にするときは、子どもも大人もドキドキしますよね。

今までの職場で私が作ってきた離乳食と錦ヶ丘の離乳食の違いについてご紹介します。

 

初期・中期・後期・完了期…?

本屋やインターネットで離乳食を調べると、初期・中期・後期・完了期と提供する目安の時期が記されている場合が多いと思います。

初期だからペーストで、中期だからそろそろタンパンク質を取らなきゃいけない!?など初めての離乳食ならなおさら分からないことや不安もあり「情報通りにしないと!」と思ってしまいますよね。

私自身も、短大や今までの職場で「〇ヶ月だから〇期」という概念がありました。しかし、それがあくまでも目安だということを錦ヶ丘に入職してから改めて学びました。

発達に合わせた離乳食

本やインターネットを見ると、初期は5~6ヶ月頃でドロドロした形状を、中期は8~9ヶ月頃で舌で潰せる固さを、後期は10~11ヶ月頃で歯茎で潰せる固さを、完了期は12ヶ月以降で歯茎で噛める固さとされていますが、果たしてそれは本当にすべての子どもの発達に合っているのでしょうか。

一人ひとり個性があり、成長のペースもそれぞれなので、型に当てはめて食事を提供する必要はなく、離乳食もその子にあったペースで進めて行くことが大切です。

8ヶ月でもペーストを食べてもいいですし、スティックを食べてもいい、それぞれのペースに合わせて、まずは【食べ物を知る】【食べ物の世界を広げる】ことをねらいとしています。

離乳食を食べる経験を通して、食欲や食べる意欲の基礎を作り、少しずつ食べ物に親しみながら咀嚼と嚥下を体験していきます。

嚥下と咀嚼

そもそも嚥下と咀嚼とは?と感じた方もいるのではないでしょうか。簡単に言うと飲み込むという動作を嚥下、噛むという動作を咀嚼といいます。

母乳から離乳食に移行するうえで嚥下と咀嚼は重要で、その中でも嚥下機能は5つに分かれます。

1.先行期:食べ物を判断する時期(認知期)

2.準備期:食べ物を噛み細かくして食塊を作る時期(咀嚼期)

3.口腔期:食べ物を咽頭へ送り込む時期

4.咽頭期:食べ物を食道へ送り込む時期

5.食道期:食べ物を胃へ送り込む時期

1・2・3は、唇を閉じて食べることで口の中にどのような食材が入っているのかを認知し咀嚼します。これは、随意動作といい意識して起こる動作のことをいいます。

4・5は、嚥下反射によって行われ、食べ物が咽頭に入ることで起こる反射です。これは、約0.5秒で起こる反射です。

このように認知して食べるから反射で胃まで送り込む機能を【嚥下】といいます。

咀嚼は噛む力で考えると大人は50kg程度、幼児は10kg程度と言われています。

嚙む力が大人の1/5程度しかないので、大人より柔らかいも物から食べ始め、咀嚼に時間を要します。

しかし、いつまでも口の中に食べ物がある状況は誤嚥や窒息に繋がるので注意が必要です。また、硬い食べ物を食べる経験も必要ですが第1乳臼歯(1歳4か月ごろ)以降を目安に徐々に取り入れていきましょう。

主体性を育てる手づかみ食べ

また自分で食べたい意欲が出てきたら【手づかみ食べ】の経験を十分にさせてあげます。

指しゃぶり、おもちゃしゃぶりから手づかみ食べ、手づかみ食べから食具を使う練習をしています。

手づかみ食べは、食べ物を目で確かめて、物をつかんで、口まで運び、口に入れるという行動の発達です。

「自分で食べられた」という満足感を味わいながら食事を楽しむことで、より食に対する興味を引き出すことができます。

ご家庭ではなかなか時間がなかったり、状況によりできない時もあるかもしれませんが頑張りすぎず、大人も子どももゆとりがある時にぜひ取り入れてみてください🌟

 

錦ヶ丘の離乳食

錦ヶ丘ではできる限りオーダーメイドの離乳食を提供しています。

おかゆひとつとっても、おもゆ・ペースト・10倍粥・7倍粥・5倍粥・軟飯・普通ご飯の6種類

おかずは、ペースト・刻み・コロコロ(0.8mm角)、スティックの5種類あります。

これを咀嚼や嚥下、消化などの発達状態をみて、10倍粥とスティックの組み合わせ、普通ご飯とコロコロの組み合わせなど様々な組み合わせがあることから、出来る限りオーダーメイドで、1人ひとりに寄り添った離乳食を提供しています。

ステップアップのタイミング

月齢を頭に入れながら、発達の状態をみて離乳食を進めていきます。

首がすわり舌をあまり出さなくなったり、周囲の人たちの食事の様子をみて食べ物に興味を示していたりしていたら離乳食開始を考えるサインです。

離乳食を始めたばかりは嚥下の練習期、捕食機能獲得期とされています。上唇はあまり動かず、下唇はパクパク動かす様子がみられます。粒がなく、水分が多めのものから与えましょう。

 

この機能を習得したら、押しつぶし機能の獲得期へ移行していきます。舌と上顎で食べ物を押しつぶし、下顎、唇の動きは上下対象的になります。

口の角が左右対称にキュッキュッと引かれる口元の動きが見られます。舌で押しつぶせる程度の軟らかさのものから与えましょう。

 

その後は、すりつぶし機能の獲得期と移行します。咀嚼機能が発達し、下顎の上下、左右の運動は非対称で舌の左右運動が出てきます。噛んでいる方に口の角が縮んだり、噛んでいるほうに顎がずれる口の様子が見られます。歯茎で潰せる程度の軟らかさのものから与えましょう。

 

保護者にご家庭の食事の状況を聞き取り、次のステップに移行するかどうかを話し合います。ステップアップは、保護者の意向はもちろんのこと、保育士と栄養士も発達や摂食状況を確認したうえで行います。保護者の皆様との連携が大切なので、小さなことでもぜひ教えてください😊

離乳食を食べる時は・・・

〇テーブルも皿として使用しています

食べこぼしがたくさんあるのがこの時期です。テーブル全体を皿として考え、口に詰め込みすぎないように、好きなものを選んで食べられるように少量ずつ乗せています。

それを手先を器用に使い、【手づかみ食べ】をしています。

また、欲しい食べ物がある時は「ん!」と声を出したり机を叩いたりなどして「食べたい!」と意思表示をしてくれます。これも成長過程で見られる大切な言動ですね😊

〇食べる時は声をかけています♪

落ち着いた雰囲気作りや、こまやかな声かけを意識しています。

「今日のさつまいも甘いね」「綺麗な色の人参だね」と食材の名前や色、味を目と目を合わせ温かい言葉を伝えながら食べさせています。

そうすることで今何を食べているのか、どのような味がするのかを共感し合いながら食を楽しむことができます✨

また、きちんと咀嚼してもらえるよう「もぐもぐごっくんだよ」「がじがじしてね」と声掛けを行い、前歯でかじり取る経験をしつつ、丸のみを防いでいます。

その際は保育士も口元を見せて口の形を分かりやすく伝えており、実際の口の動きを見ることで離乳期の子ども達がその動作を取り入れやすくしています。

 

〇しっかり見守りをしています👀

スプーンで食べさせるときも、スプーンを口の中に入れすぎず下唇に当たるように意識し、子ども自身が上唇を下すまで待ちます。

そうすると、今何が口の中に入ったのか、どのくらいの固さの物が口に入るのかを認識することができます。

これらのポイントを押さえて詰め込みすぎないよう、咀嚼ができているか確認しながら食事を見守っています。

あってはならない事ですが、万が一誤嚥による窒息事故が起こった場合の対策や対応も職員がきちんと訓練を受け勉強しています。

食の世界への第一歩

離乳食は、母乳から離乳食を経て食べ物の世界を広げる大切な時期です。

初めて食べる物は大人でも抵抗があるように、子どもも抵抗があるのは当たり前です。焦らずゆっくりその子のペースで一緒に食事を楽しむ事で食への印象も変わっていきます。

新しい発見・新しい食べ物を一緒に楽しみながら、寄り添った離乳食を提供していきたいと思います😊

最後に

離乳食は栄養を摂ることが目的ではなく、食べる練習をするのが目的です。

一生懸命作った離乳食を投げられたり食べなかったりすると、とても悲しいですし、「栄養が不足するかも」と心配したりするかもしれません。

大人も何となく食欲がない日があるように、子ども達も理由なく食べたくない日もあるものです。

【食を楽しいと思える土台作り】の期間だと捉えて、「そんな日もあるさ!」と思ってください。

悲しい時や心配なことは、ぜひ私達にも共有してください。子ども達の最善の利益のために、一緒に考えていきましょう✨

 

参考文献:厚生労働省 食を通じた子どもの健全育成:上手に食べるために-発達を理解した支援-

文責:吉田

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