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2025.08.12

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手で感じて、心が動く(2歳児くるみ組)

こども園では、子どもたちが日常のなかでさまざまな素材や自然に触れ、自由に遊びを広げられる環境を大切にしています。

2歳児は特に手や足、体全体を使って感触を味わうことが心と体の発達につながる時期です。

例えば、泥遊びは単なる“汚れ遊び”ではなく、五感を育む大切な体験です。やわらかさ、冷たさ、重さ、形や感触の変化などの感触が、子どもたちの好奇心や創造力をひき出します。

くるみ組では今、季節や生活に合わせて感触遊びを取り入れています。その中で、自分で興味のある感触を見つけたり、大人と一緒に参加したりと、初めて活動にも慎重になりながらも少しずつ素材に触れていきます。

感触遊びとは?

感触遊びとは水や泥、氷、粘土、新聞紙、段ボール、食材などさまざまな素材に触れて、その感覚を楽しむ遊びのことです。

感触遊びをすることによって、言葉や表現力が豊かになり、触れた時の感覚を言葉で表すことで、感覚と言葉がつながっていきます。

例えば、絵の具遊びでは大きな画用紙に数色の絵の具を置き、その上からラップをかけて、指先でなぞったり、手のひらで押したりして色の混ざり合いや形の変化を楽しみました。

直接絵の具に触れないため、手に絵の具がつくことに抵抗がある子も安心して参加でき、「ぷよぷよしてる!」「色が混ざって黒くなった!」と、大人や周囲の友だちに伝えていました。

 

保育者のかかわり

人によって感覚は違うため、初めて触れる素材に慎重になる子どもたちもいます。

そのため、道具を介して間接的に触れる活動から始めるなど、今の子どもの姿に合わせながら環境を準備するようにしています。

園では、子どもの主体性を大切にする保育です。

感触遊びでも、大人が最初からやり方を教えるのではなく、子どもが自分の肌で試し、気付き、工夫する時間を大切にしています。そのため大人は「興味を深めるきっかけ」をさりげなく用意します。例えば、氷あそびでは、氷に関する本を置いてみたり馴染みのある自然物を氷の中に仕掛けてみたり、また、活動の中では「色をつけたらどうなるかな?」と提案して新たな発見へと繋げていきます。

子どもの手先や反応、表情をよく観察し、安心して挑戦できる環境を整えることが、大人の大切な役割です。

 

さいごに

このような感触あそびを通して、子どもたちは素材と向き合っています。

指先の感覚を研ぎ澄ませ「つめたい」「さらさらしてる」「気持ちいい」など、触れることを通して感情が芽生え、言葉にすることはまだ難しくても、表情豊かにその感情が溢れています。感触遊びは、単に‘’楽しい‘’だけの遊びではなく、子どもたちが五感を使って世界を知り、自分の気持ちに気付いていく大切な時間です。

また、4~5歳になると、友達と協力して遊んだり、作ったりという力が身についていきます。その中で1つの素材から「こんな風に作ってみよう」「もっと~やりたい」という気持ちも育まれます。

今はそっと見ているだけの姿も、その子なりの“今“の表現です。その違いを受けとめながら、これからも子どもたちが「おもしろい!」「もっとやってみたい!」と思える感触あそびの時間を大切にしていきたいと思います。感触遊びを通して、ひとりひとりの個性や育ちをていねいに受けとめ、関わっていきたいと思います。

文責:吉元

 

 

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