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2020.11.12

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童具(積み木)から学ぶこと (そら組)

年長組で童具での活動を集中して取り組む日がありました。

童具の活動を見ていると、好きな積み木で好きなものを作っているだけのように思いがちですが、そうではありません。

『子ども達は積み木で遊びながら、左右の高さを同じにするためにどうすればよいか、崩さないように高く積み上げるにはどうすればよいか、常に大きさやバランスに注意して、いつの間にか数量や形体に関する認識を深めています。』

この童具を発案した和久洋三先生の言葉です。子ども達は遊びの中で色々なことを学びます。そこには私たち保育者の意図もあります。私たちは、どんな遊びの中にも意図やねらいを持っています。

 

今回は童具の活動の中で、子ども達がどのような学びをしているのかをご紹介します。

 

 

【高く積む】


普段は安全面を考慮し「自分の身長より高く積まない」というルールでしていますが、時々、いろいろな工夫をしてとにかく高く積んでもよいというルールにすることもあります。6人ぐらいのグループを作り、まずは1人で積んでいきます。3分間という制限の中で集中して取り組みます。

次にグループの中で2人組になり2人で協力して高く積みます。「協力する」ということは子ども達にとっては、簡単なようで難しいものです。一人が指示してもう一人が積んでいくことが協力でしょうか?二人で交互に積んでいくことが協力でしょうか?「協力」とは、『力を合わせて、努力して事に当たること』となっています。どうやったら安定して高く積めるかを2人で考え、知恵を出し合いながら積んでいくことだと思います。

最後はグループのみんなで協力して高く積んでいきます。高さだけを追求するあまり、バランスを崩して壊れてしまうこともありました。“やっぱり年長の子ども達はすごいな”と思ったのは、今まで色々な経験をしてきているからこそ、壊れても友達を責めることもなく、すぐに積み直していたことです。積み木を積むという単純なことですが、その中に気付くこと、学ぶことがたくさん隠れています。

 

【かずの木】


童具の仲間に『かずの木』というものがあります。「数量学とアートが融合したかずの木。子ども達は積み木遊びを楽しみながら『数量の秩序』と『美』の関係を感じ取っていく」というものです。

 

《見たて遊び》

かずの木での最初の遊びは見たて遊びです。積み木やピック(短い竹ひごのようなもの)、ビーズを使って面白いものを作ります。ここで大切なことは大人の言葉のかけ方です。子ども達の作品を見て「上手だね」ではなく、「面白いものを作ったね」と言葉をかけます。“上手だね”という言葉をかけると上手に作ろうと頑張ってしまうからです。とにかく最初は楽しむことが大切です。楽しい→もっとやってみたい→新たな発見と続いていけるといいと思っています。

 

《かずの木タワー》

かずの木でタワーを作っていくのですが、そこにはルールがあります。ただ積み木を積むのではなく“組み合わせて”タワーにしていきます。組み合わせる時に斜めにならずに同じ高さに組み合わせながらタワーにしていきます。保育者はしっかりと見守り、ルールを守っていない時には「どんなルールがあったかな」と子ども達が自分で見直せるような言葉をかけます。

 

 

【片付け】


楽しく遊んだ後は片付けです。童具は片付け方にもルールがあります。積み木は同じ種類ごとに片付ける、かずの木は決まった向きで枠に入れる。ということです。次に使う人のことを考えてしっかりと片付けます。

 

 

積み木もかずの木も保育者の見守りがあれば誰でも遊ぶことができます。時には自由に自分のイメージしたもの、例えば、家、乗り物、動物園などを作ります。自分が“自由”に使えるということはみんなも“自由”に使えるということです。『自由=なんでもして良い』ではありません。『自由=責任』だと思います。みんなが自由に作ることができるように譲り合う、元あった場所に戻す、など一人一人が責任を持って行動するからこそ、自由ということができるのだと思います。

童具を使った活動は今後も続きます。子ども達の発想を大切にしつつ、遊び方を工夫し、私たちが意図をしっかり持って取り組んでいきます。

 

文責:久保田

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