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2020.06.29

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みんなの時間・それぞれの時間(主任より)

皆さんは、“幼稚園・こども園・保育園の保育”と聞くと、どんなことを思い浮かべられますか?
一般的なイメージとしてぱっと浮かぶのは、『友達や先生と一緒にいろんなものを作ったり、遊んだりする』という姿なのかなと思います。例えるなら、『クレヨンしんちゃん』のような、「ハサミ出して、まずは〇〇するよ」というような先生の声掛けでみんなで同じものを作ったり、砂場で遊んだり、というものです。(あくまでイメージですが…????)

この、みんなで一緒に同じことをする保育を、一斉保育と呼んでいます。

その一方で、錦ヶ丘は『子ども達それぞれのやりたいことをする』ことを重視しています。自由度が高いので、一般的には『自由保育』と言われることが多いですが、錦ヶ丘では、子ども達がそれぞれのペースでじっくり遊んだり、時にはお腹が空いた順番に帰ってきて給食を食べたりするこの保育をのびのび保育と呼んでいます。

 

 

保護者の方から、「錦ヶ丘は子どもの好きなことを思う存分させてもらえるのはありがたいけれど、いざという時にしっかり座って話が聞けるのか、小学校に行ったときに授業をきちんと受けられるのか心配です」という声を頂きました。

保育の見える化・プロとしての発信に努めてはいるものの、なかなか伝わっていない現状…。申し訳なく思っています。

 

少し難しい話ですが、

錦ヶ丘も数年前までは『一斉保育』がほとんどでした。この2年半くらいで、大きく保育が変わり、以前の錦ヶ丘の保育を知る保護者の皆様は、戸惑いが大きかったことと思います。自分たちも、本を読んだり研修に出たりと、新しい保育に関して勉強してきました。

保育が変わったのは、思い付きで独自に路線変更した訳ではありません。“2020教育改革”の先駆けとして、2018年に幼稚園教育要領と呼ばれる『国が示す幼児教育の方向性』が改訂されたのです。

“戦後最大の教育改革”と呼ばれる、2020年の教育改革。大学入試センター試験が変わることはご存知の方も多いと思います。今までの受け身的な知識重視の教育から、“どうしてだろう?と物事に興味をもち、学んでみたいと思う力”“持っている知識を結び付け、自分の考えを相手に伝える力”(思考力・表現力)“他者と一緒に協力して取り組む力”(協同性)を育てることが求められるようになってきています。それらは、能動的な学習『アクティブラーニング』で培われると言われています。その背景には、Society 5.0と呼ばれる、AI化が進んでいる大きな社会の変化があります。

 

 

 

10年前を思い返してみると、わたしは受験勉強真っ只中の高校生でした。ひたすら問題を解き、解説を読み、わからないところは質問に… まさに“知識重視”の学生生活。まだスマートフォンも全くと言っていいほど普及しておらず、大学生になって、一人の友達がiPhoneを使っていることにみんなでびっくりしたことを覚えています。もちろんAIという言葉も知らず、機械というよりはまだまだ人の力で物事が動いている世の中でした。

そう思うと、この10年で大きく社会は変わりました。多くの人がスマートフォンを持ち、支払いも電子決済、教科書も電子化が進み、タブレット端末を使ったり、会議や授業も遠隔で行われるようになりました。こんな世の中が10年前に想像できたでしょうか… 10年前の自分に、「2020年はこんな風になってるよ!」と伝えたとしたら、きっと困惑すると思います。それくらい、世の中がものすごいスピードで変わっていっているのです。

この変化の激しい世の中を生き抜くために必要な力・人間力を育てることを、この2020教育改革は目標としています。

 

 

難しい話になってしまいましたが、一言でまとめるならば、幼児期の教育はこれからの学びに向かう・生きていくための土台作りになるということです。小学校はもちろんですが、そのずっと先の姿も考えていかなければなりません。

それは、目に見えてできるようになったことというよりは、心の中での育ちが大きいと感じています。その育ちは、子ども達一人一人タイミングも異なります。一人一人違うからこそ、方法もそれぞれです。それぞれのタイミングを見逃さないように、方法となる環境を準備していくことが、私たち保育者の大きな役割です。

これから子ども達が生きていく世の中を見据え、いまこの子達に必要な経験は何か?を考えて環境を整え、日々の保育を行っていますので、一斉保育のような“みんなでの時間”と、個々の思いを重視した“それぞれの時間”、どちらの役割も大切に、それぞれを織り交ぜながら過ごしています。

 

 

“みんなの時間”といえば、サークルタイムや、始業式終業式・誕生会・避難訓練などの行事、他にも意図的に組んだクラス・グループ・学年での時間が挙げられます。朝の集まりや帰りの集まりもここに当てはまりますね!みんなで同じ時間を共有しながら、集団の中の自分を意識していきます。

みんなで…となると4・5歳のイメージがあるかもしれませんが、0歳児・1歳児でも、朝の集まりや“みんなでの時間”はあるんです!次のブログで紹介できたらと思います????

一方、“それぞれの時間”といえば、一人一人のやりたいことを思う存分楽しめる環境。好きなことに没頭し、お腹がすいたタイミングで給食を食べる。ぼく・わたしはこうなんだ!を発揮する時間です。もちろんみんなの時間でも発揮しますが、それはこの「自分でじっくり自分に向き合い、自分を大切にする時間」があってこそだと思います。

どちらの時間も共通しているのは子ども主体であること。子ども達が受け身ではなく、能動的であることを意識しながら保育を考えていきます。

 

 

変わり始めたばかりの日本の教育… 私たちも日々勉強です!!

少しずつ、錦ヶ丘の保育についてお伝えしていけたらと思います。知りたいことや疑問に思われることがありましたら、ぜひ教えてくださいね!

 

文責:迫田

【参考・引用 ★興味があったらぜひご覧ください★】

アクティブラーニングとは? https://career-ed-lab.mycampus.jp/career-column/69/

「2020教育改革」を知ろう https://mamatalk.hokkaido-np.co.jp/baby-kids/education/19443/

総まとめ!2020教育改革とは? https://studystudio.jp/contents/archives/36662

ソサエティ5.0 https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/

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