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2020.08.19

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体験から学ぶ~南日本新聞の記事から~(主任より)

保育の中でも何かと大活躍の新聞紙。

本来の新聞の役割である“読む”から、“文章を書く”にポイントを当てて、今年の夏、錦ヶ丘の職員は、南日本新聞社さんが行っている“文章力UP講座”を受講させていただいています。

 

この講座は、一般職員の単発講座と、リーダー職員の3回構成講座の2パターンがあり、それぞれの職務に応じて受講をさせて頂いています。(単発講座を受講した職員のブログは こちら )

 

リーダー向け講座は7月末に1回目が開催され、お盆明けの今から2回目・3回目が予定されています。まだ1回しか受講していませんが、私にとっては新聞を読む面白さを感じるには十分すぎるほどの時間で、講座受講後、毎日新聞を読むことが日課になりました。

 

地域のことから世界のことまでを日常の中で手軽に学べたり、いろんな人の思いを知ったり、社会のことを様々な角度から考えたりすることができる新聞のもつ力を感じています。

 

 

 

 

数日前、新聞を読みながら、ある記事が目に留まりました。

その記事には、錦ヶ丘の保育のキーワードが沢山散りばめられていましたので、今回、皆さんにも紹介させていただきます。

 

2020年8月12日 南日本新聞 12面(教育) 見出し:『「旅育」で生きる力を ―知識裏付け 体験に学ぶ 子どもの「積極性」養うー』

 

 

 

“旅育”という言葉を、ご存知でしたか?わたしはこの新聞記事で初めて知りました…

 

 

旅育について調べてみると、このようなことが書かれていました。

 


観光マーケティングを専門とする森下晶美教授(東洋大学)は、「旅育」を「旅は人間性の成長を促すとする考え方で、旅によって得られる知識や興味・価値観の広がり、共感力を人の成長に役立てようとするもの」だと定義しています。そして、「旅育」には以下の3要素があり、効果的な「旅育」を行うには、これらの要素を全て満たす必要があるとのことです。

 

①旅の体験(異文化・非日常体験、旅先での交流など)、

②人との時間共有(家族・友人との共通体験、想い出づくり、日常と比較した共有時間の長さなど)、

③旅を素材とした教育(職業教育、郷土教育、地理・歴史教育、国際化教育など)

(引用元:日本国際観光学会|“旅育”の現状と定義を考える)

 

普段とは違う場所に遠出して、さまざまな発見をした、という体験は多くの人に覚えがあるはずです。学校で実施されている社会科見学や修学旅行にも、上記のような教育意図が含まれているといえるでしょう。このような学習を家族単位で行うのが「旅育」なのです。


 

また、旅行ジャーナリストの村田和子さんは、「旅育」を実践するにあたって最も大切なことは「親の子どもへの関わり方」であり、「どこに行くか」よりも「何をするか」が重要と仰っています。

 

【紹介】村田和子さんが書かれた本です!

 

新聞記事に書かれていた「旅育」は、まさに“どこに行くかより、何をするか”ということを重視して、そこにどのように子ども達が関わったらいいのかが書かれています。

 

 

 

今年の夏は、コロナの影響で夏休みが短縮されたり、“おうち時間”が増えたりと、今までの夏とは過ごし方が大きく変わっています。そのような中での貴重なお出掛けをちょっと工夫して、子どもが主体的に参加できる場面をつくってあげることで、いつもの親子時間が一気に学びの場にもなる!という内容です。

 

見出しの中にある「体験に学ぶ」の文字。まさに、これからの教育のキーワードである“アクティブラーニング(能動的な学習)”のことです。

 

“能動的な学習”の土台には、子ども自身の興味関心があります。

記事の中で村田さんは、生後4か月から一緒に旅をしてきたご自身のお子さんの育ちについて触れられています。お子さんと旅をするにあたり、一番重視してきたのが「事前の準備」だそうです。「子どもの興味関心を尊重し、計画時から巻き込む」、「親が選択肢をつくって選んでもらい…」、「あらかじめ提示した条件内で考えてもらう」など、錦ヶ丘の保育とつながる言葉が沢山ありました。

 

 

この「事前の準備」は、錦ヶ丘の保育で言えば、毎日行われる“サークルタイム”や、活動の前の“話し合いの時間”だと私は考えます。

 

子ども達の話を聞きながら、保育者は活動を広げるヒントを探したり、逆にヒントとなる発言をしたりします。

意図的に発した言葉だけではなく、何気なく発した言葉から大きく広がることもあります。同じ活動でも、始まりは本当に様々です。

 

始まりは様々ですが、共通して土台にあるのは“子どもの興味関心からのスタートである”ということ。子ども自身が興味関心をもっているということは、子どもは主体的に、すなわち能動的に関わります。

 

実際の体験から学んだことや感じたことは、何にも代えがたい“本物”です。そのような点からも、体験を重視した活動を大切にしていきたいなと思います。

 

 

また、記事の中で村田さんは、「近場でも興味を持った場所であれば、子どもは主体的に関わる。(省略)子どもに任せると自信につながるという」と述べられています。

興味を持ち、主体的に関わることで、「やってみよう!」という一歩を踏み出すきっかけが生まれる。一歩踏み出して、“ちょっと頑張ればできること”を子どもに任せ、成功体験を積み重ねることで自信につながる、ということです。

 

 

ここには、まさに錦ヶ丘の保育で大切にしていることそのものが述べられています。

錦ヶ丘では、子どもの自信を育てるために、大きなプレッシャーや大きな舞台は必須ではないと考えています。日常の中で小さな成功体験を積み重ねて、それを自信につなげてあげることや、さらに「もっと!もっと!!」という積極性や小学校以降の学びに向かう土台となる気持ちを育んであげることを、私たちはねらいとしています。

 

 

 

この新聞記事を読み、「錦ヶ丘の保育が大切にしていることは子ども達の生きる力を育むことにつながる!!」と、自信を持ち、改めて日々の保育を大切にしていこうと気が引き締まる思いがしました。

今まさに行われている夏季保育中の保育はもちろん、もうすぐ始まる2学期も、子ども達の興味関心に寄り添い、能動的な体験を大切にした保育を展開していけるように職員皆で取り組んでいきたいと思います。

 

そして、今回のような新聞に親しむ機会を頂けたことにも感謝しながら、学びを少しでも還元できるよう、残りの講座も頑張ります!

 

文責:迫田

 

 

【参考・引用】

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