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2020.12.22

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稲がおいしいご飯になるまで(年長)

6月、下田町の田んぼをお借りして田植え・稲刈り体験をしようという事で計画しました。しかし、田植えは悪天候のため、中止。園内のビオトープに少しだけ田植えをしました。

せっかくならば!と、稲刈りは予定通り下田町の田んぼで実施することに。初めていく田んぼ、黄金色に染まる風景に感動し、田んぼや用水路に住む生き物に大興奮。稲の感触に触れ、食べるまでの工程を考えながら活動を進めていきました。

いつもは食べるだけのお米…稲刈り、脱穀、精米と工程に触れお米の有難さや農家の方の苦労を感じる機会となりました。自分達で精米まで行ったこともあり、ちょっぴり柔らかく炊けてしまったご飯も「おいしい!」と満面の笑み。子ども達にとって多くの事を考え、学ぶ体験となりました。

 

 

田植え


6月、計画していた田植えは悪天候のため実施できませんでしたが、いただいた苗をのはら園のビオトープと錦坤館前のバケツに植えました。

田植えに向けてのブログもご覧ください。

 

田植え&じゃがいも堀体験 

田植えって何でしょう?

 

 

稲刈り


10月、稲刈り(見学と手伝い)を体験。田んぼの持ち主のご厚意で、貴重な体験をすることができました。

田んぼへ向かうと、バスの窓から見える黄金色の景色に、思わず歓声があがりました。

こども園に持ち帰った稲を、日当たりの良いところにかけて天日干しします。美味しいお米になるようにと願いながら干しています。

 

 

脱穀


稲刈りを終えて、「この稲から、どうやったらお米になるのか?」ということを子ども達と一緒に調べました。(10の姿:自然との関わり・生命の尊重 思考力の芽生え)

脱穀、もみすり、精米という作業工程があることがわかりました。

 

まずは脱穀、どのようにすればよいのか、どんな道具を使えばよいのか、調べないといけないことがたくさん。

 


割り箸とコップを使って脱穀。どうやったらできるかな?1人では難しいので友達と協力をして作業を進めました。(10の姿:協同性)

 

脱穀した米(玄米)を集めます。こぼさないようにボトルに入れていきます。どれくらいの量の玄米になるのかワクワクしていました。(10の姿:数量や図形、標識や文字などへの関心)

 

 

 

籾摺り(もみすり)


にじ組はタブレットで、必要な道具ややり方を調べ準備しました。そら組はあえて調べず担任が様々な道具を準備し、「どの道具を使ってもいいので、一番いいと思う方法でもみすりをしよう」ということになりました。(10の姿:思考力の芽生え)

それぞれのクラスで、もみすりを実施。時間にして1時間以上…本当によく集中して頑張りました。いろいろな方法で、色々な道具を使ったらやりやすいのか試してみました。(10の姿:思考力の芽生え)

 

ざる、すり鉢、板や滑り止めマット、すりこぎや野球ボールなどを使って開始です。どの道具が一番使いやすく効率的だったかをこども達に聞いてみました。

答えは「ボール!」でした。自分たちで経験したからこその答えだと思います。そして、約4合の玄米になりました。

しかし、この時間だけでは終わらず、午後保育では年中さんにも手伝ってもらい、次の日にも「まだお米が残ってるよ!」と自主的に取り組む子ども達がいました。おかげさまで約4合ほどの玄米になりました。

 

 

精米


子ども達は「いよいよご飯が食べられる!」と思ったようですが、あともう一段階、「精米」という工程が残っていました。

給食室にある精米機で精米。園の給食と同じ「五分づき米」にしました。子ども達は玄米との色の違いに気付いくことが出来ました。

 

 

炊飯


お米を洗うことを別の表現では何というかを質問してみると、数人の子どもたちが「お米を研ぐだよ!」と答えていました。色々な表現の仕方があるということは日本語の素敵な部分でもありますね。(10の姿:豊かな感性と表現)

さぁ!いよいよご飯を炊く準備が出来ました。カセットコンロ、耐熱ガラス鍋、ボウル、しゃもじを運び、鍋やボウルを洗うグループ、お米をとぐグループ、それぞれの役割を果たして、コンロに火をつけました。ガラスの鍋を見つめていると、少しずつ水が沸騰し、ぐつぐつ言い始めました。

「お米が踊ってる!」と子ども達は大騒ぎです。出来上がったご飯はというと…

水加減を間違えてしまって、柔らかいご飯になってしまいましたが、自分たちが苦労して出来上がったご飯に「おいしい‼︎」と満足そうでした。

 

 

今回のことで、作物を育てるということの大変さと、育った作物が私たちの口に入るまでの行程の大変さを身をもって経験した子ども達。この経験を忘れずに、食べ物に関わった全ての方々に感謝の気持ちを持ち、食べ物の大切さを忘れないでいてほしいと思っています。

こども達の力で、稲が美味しいご飯になりました。あんなに沢山あった稲から、たった4合のお米しか取れなかったことにとても驚いていたこども達です。作物を育て、それが人の口に入るまでにどのような工程があるのかを知ることができました。(10の姿:道徳性・規範意識の芽生え)

 

 

残ったわらで…


園に残されたのは脱穀した後のわら。捨てずに保管していたわらを使って、クリスマスリースやしめ縄飾りを作ろうと話し合っています。どんな飾りになるのか楽しみです。

 

しめ縄、わらじ、最後まで大切に大切に使われている稲…日本の文化に大きく触れる活動となりました。

この経験が大人になった時に何かの形で活かされる日が来ると信じています。

 

 

文責:久保田

 

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