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2021.02.05

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運筆力(うんぴつりょく)から生まれる学習への意欲(年長)

前回 、塗り絵のお話をしました。その中に「運筆」という言葉が出てきました。

今回はその「運筆」について紹介いたします。

 

 

運筆力(うんぴつりょく)とは?


「運筆力」とは、自由自在に鉛筆を動かす力のことです。鉛筆の持ち方や動かし方を練習し、安定した字を書くための「筆圧」を調節していくことで高まります

就学の事を考えると「文字を読めることと書けることを先にした方が良いのでは?」と大人は考えがちですが、子ども達にとっては「スラスラ書けること」は学習への意欲を高める大事なことなのです。

そのための土台になるのが、運筆力です。

 

 

力を抜いて伸び伸びと書く


こども園でも、作業療法士の中鶴さんの指導の下、運筆の活動をしました。

活動の流れとしては、以下の3つがあります。

①横の棒線を書きます。右⇔左と往復します。

②縦の棒線を書きます。上⇔下と往復します。

③円を書きます。ぐるぐる書きます。

 

このシンプルな一連の活動には、間違いなどありません。“はみ出すこと”や“上手に書くこと”などは何も気にせず、伸び伸びと書くことができます。

力を抜くことで、手首が柔らかくなります。小学校の先生からも、「文字を書く時に大切なのは手首の柔らかさです」という話を聞きました。

 

 

 

運筆活動をする前に描いた絵と、運筆活動をした後に描いた絵


運筆活動を始める前に、子ども達にA4サイズの白い紙を配り、なんでも好きな絵を描いていいよと伝えました。

子ども達は思い思いに描いていました。中には、何を描こうか少し考えている子どもや、紙の端っこに小さく描いている子どももいました。

そして、次に運筆活動です。新聞紙にクレパスで棒線や円を描きます。

何を描こうか、どういう風に描こうかと悩む必要はありません。伸び伸びと描き、子ども達も笑顔になっていました。

運筆活動後、もう一度白い紙を配り、好きな絵を描いてもらいました。

すると、活動前とは違い、大きく伸び伸びと描く子ども達が増えました。

このように、運筆力は「書く・描く」ということと、切っても切れないものなのです。

 

 

 

塗り絵をしている子ども達を見ていると、集中して塗ってはいるけれど、線からはみ出している子どもがいます。

そのような子ども達の塗る姿をよく見てみると、色鉛筆やクレパスを動かす時に、手首ではなく腕が大きく動いているのです。

前回のブログで、『「少々はみ出してもいいんだよ」という言葉を掛ける』とお伝えしましたが、小学校以降もずっとそのままでいいわけではありません。

最終的に、線からはみ出さないで塗ることができることを目標にします。これは、小学校で、枠内に文字を書くということに繋がっていきます。

 

こども園では文字への興味を高めるために、書き方教室で文字を書く活動にも取り組んでいます。

今後も運筆活動を取り入れながら、子ども達が、更に「書くこと」や文字への興味が高まるようにしていきます。

 

 

文責:久保田

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