お知らせ

2022.10.15

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集団生活の中で(1歳児)

大きな声で鳴いていた蝉の声も聞こえなくなり、過ごしやすい日が増えてきました。

園庭やのはら園で木の実や秋の虫を見つけたり、音楽に合わせてダンスを踊ったり、毎日朝から夕方まで元気いっぱいに活動しています。

空を見上げた時に「雲、動いてる~」、日陰の土を踏んだ時に「冷たいね」草花の匂いをかいだ時に「いいにおい!」等、子どもたちは日々いろいろな事を感じ、私達に伝えてくれます。

子どもから今、この瞬間に出てくる素直な表現を大切に受けとめていきたいと感じる日々です。

 

つくし組の子どもは、1人でじっくり遊ぶ事を楽しみながらも友達や友達のしている事に興味を持ち、やりとりを楽しむ姿が見られるようになってきました。

そのなかで物や場所の取り合い、お互いの思いの違いによるぶつかり合いで噛みつきやひっかきが起こる事もあります

 

大好きな物は、友達に貸してあげられない時期

 

自我の芽生えを経て、自分の好きなものに執着するようになり、お気に入りの場所や人まで「自分の物」にしてしまいます。

この特定の物や人に対するこだわりは、裏を返せば「自分の大切にしたい物や人への愛着心」と考えられています。

また、自我が芽生えた子どもは「自分を尊敬してほしい」という欲求も持っています。

まだ「貸す」という言葉の意味(いったんは他人の物になるけど、また戻ってくる)がわからない子どもにとって、「貸して」と言われると「自分の物を取られてしまう」と感じるのかもしれません。

だから、今は使っていない物でも「イヤ!」と拒否するわけです。

 

でも、これは社会性を育むチャンスです。

ここでいう社会性の育ちとは早い時期から順番を守り、貸し借りがスムーズにできるよう集団生活のルールを身につけさせることではありません。

まず「それは○○ちゃんの大切なものなのね」と子どもが主張を受けとめられ、やがて他の子の存在に気づいていく事です。

錦ヶ丘では、奪い合いになった時も「取り合いはダメ!」と子どもの自己主張を押さえつけることはせず、危険のない範囲で見守り「おもちゃが欲しかったんだね」とまずはこどもの気持ちを受けとめます。

『〇〇君は貸してもらいたかったんだね!』『○○君は、貸したくないよね。使ってるからね!』と、大人が双方の気持ちを代弁していく事で、成長と共に物の貸し借りや譲り合いができるようになっていきます。

こども園では、同年齢の集団生活であるからこそ経験するぶつかり合いを大切にしています。

そのなかで、次第に自分の気持ちや相手の気持ちに気づき、人との関わり方を学び、社会性を身につけていく事を大切にしています

 

好きな物はみんな自分の物にしたいのです。「それが欲しい!」という気持ち(要求)を分かってもらえると、他の子にも「少しだけなら…」と貸してあげようという気持ちが生まれてきます。

 

子どもの思いを受けとめながら、子どもがお互いに関わり合いながら育っていく姿をしっかりと見守っていきたいと思います。

 

参考文献:育ちの理解と指導計画

 

文責:淵上

 

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