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2023.07.01

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心地よい保育のために…

最近、「不適切保育」という見出しの新聞記事やテレビ・インターネットニュースがよく報道されています。

不適切保育とは何でしょうか。

 

不適切保育とは、子どもに罰を与えたり、乱暴な関わりをしたり、身体的・心理的に深い傷を負わせる保育のことを指します。

引用:保育求人ラボ ‐ 不適切保育について https://hoiku-labo.com/news_432.html

子どもの人格を否定するこのような保育は、子どもの心と身体の健全な育成にふさわしくありません。

※ 現段階では、不適切保育という言葉は、『不適切な関わりを行った保育』という意味を持った造語のようです。

 

なぜ不適切な保育が起こるのか

確かに保育者は、子どもの日常生活における基本的生活習慣・他者との関わりの手助けなど、集団生活で大事なことを行っています。

しかし、それは保育者の思い通りなるために関わりをしているわけではありません。前述の太字のような対応は絶対に行ってはなりません。

それでも、不適切保育と言われる関わりが起きるのはどうしてだろう?そして起こさないためにはどうしてらいいのだろうと、錦ヶ丘では常々個々で考えたり、職員の園内研修を行ったりしています。

そこでよく話題に挙がるのは、『子どもも保育者も感情(気持ち)が動く場面がある』ということです。

 

例えば…

友達同士で玩具で遊んでる場面。

Aさんが使っていた玩具をBさんが取ろうとしました。

すると玩具の取り合いになり、BさんがAさんを叩こうとしました。

それに気づいた保育者は、その叩こうとした行動をすぐに止め、声を掛けます。

その玩具で遊びたかったBさんは、注意した保育者に怒りをぶつけ、保育者を叩いてしまいました。

 

そんな時、起こり得る事態は…

 

保育者も手が出てしまう…

謝らなければ活動に参加できないような状態にしてしまう…

謝ったり譲ったりすることができるまで長時間待たせたり、繰り返しさせたりする…

 

このような、子どもにとって罰になるようなことをしてしまう可能性もゼロではありません。報道に挙がるような保育につながる事があるかもしれないと思うと、私たちもぞっとします。

また、子ども達に叩かれても保育者は手を出し返すことはなくても、まれに感情が高ぶると、声を掛ける時の口調が強くなる時もあるかもしれません。

 

錦ヶ丘の保育者の関わり

私達は数年前からこれからの保育はどうあるべきかと、不適切保育をはじめ様々な研修を受講し、職員間で学びを共有しています。

特に、

「子どもの気持ちを受容する」

「子どもの気持ちに応答する」

「子どもの気持ちを代弁する」

「子ども達の人権を大事にする」

このような関わりを大事にしています。

 

前述のように、友達同士の関わりから、「叩く」「叩かれる」「叩きそうになる」などという事態になった時、

私達保育者は、

叩かれた子どもには「痛かったね。」と痛い気持ちを受容した後、気持ちが落ち着いたら、どうしたらよかったのかを一緒に考えます。

叩いた子には、「おもちゃ使いたかったんだね」と使いたかった気持ちを受容し、気持ちが落ち着いたら、どうしたらよかったのかを一緒に考えます。

叩きそうになった子には、事前に止められることができたことを認めつつ、「使いたい!」の気持ちを受容し、気持ちが落ち着いたら、どうしたらよかったのかを一緒に考えます。

心地良い保育ができるように

この関わりは、保育者にもあてはまります。保育者も一人の人間であり、感情が動く時(体調が悪い・家庭の事情など)があります。

子ども達の対応同様、保育者同士で、気持ちを受容・応答し、互いを尊重していく事で、感情に左右されずに子ども達に接することができるようになってきました。

もし、感情が動いたなと感じたり、他の保育者の目からも感情が動いていると気付いたりしたら、「大丈夫?」「代わろうか?」「今、対応を代わってもらってもいいですか?」などと声を掛け合いながら、保育を行っています。

 

子ども達にとって心地良い保育ができるようには、”まず保育者から”ということを大事にして取り組んでいます。

さらに今年からは心も身体もリフレッシュして欲しいという法人の考えから、「職員ウエルネスプログラム」が導入され、セルフメンテナンスの時間も取り入れています。

 

これからも子ども達がさらに心地よく過ごせるように、保育者も心も身体も健全に過ごすことを心がけ、相手の気持ちを思いやりながら保育を行っていきたいです。

文責:桑元

 

 

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