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2024.07.21
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なぜ噛みつくの?ひっかくの?(0、1歳児 ましゅまろ)

こども園で起こる友達への噛みつきやひっかき。
我が子が友達を噛んだ、友達から噛まれたと話を聞くと、心配や不安に思う保護者の方も多いと思います。
なぜ0、1歳児では噛みつきやひっかきが多いのでしょうか。
自分の気持ちを伝えたいけど言葉では表せない…
そんな子ども達の葛藤をそばで感じ、発達の過程である噛みつき・ひっかきについて、保護者の皆様と一緒に考えていきたいと思いました。
今回のブログでは子ども達の「噛みつき・ひっかき」についてお伝えします。
噛みつき・ひっかきが起こる理由
よくある噛みつきの原因には、
- おもちゃや場所の取り合い
- 思いを言葉に表すことが難しい
- 取られそうになったことへの防御
- 眠い、疲れたなどの体調不良
- 運動不足、環境の変化などによるストレス
- 思い通りにいかないストレス
- 仲良くなりたいなどの愛情表現 などが挙げられます。
1歳〜2歳は、友達が使っている物への関心が高く、同じ場を共有することが、友達と関わるきっかけに
なっていたり、乳歯が生えそろう3歳ごろまでは、口の中がムズムズし、何か起きたわけでもないのに
イライラしてしまったりして、つい噛みつく、ひっかくということもあります。
友達が使っている物を使いたい、なぜか分からないけどイライラしている時、大人なら
「これ使っていい?」
と一声かけたり、自分の気持ちをコントロールしたりすることができますが、まだ発語が少ない子ども達にとっては難しいことです。
噛みつき・ひっかきは、言葉による自己表現の力が十分に発達していない子ども達が、自分の気持ちや思いを表現するための手段の1つです。
園での対応
言葉が出ないから、噛みつき・ひっかきが起きやすい時期だから仕方ない、というわけではありません。
噛みついたり、噛みつかれたりということを防げるように園ではこのような対応をしています。
一つ目は
- 噛みつき・ひっかきが起きにくい環境にする
おもちゃや場所の取り合いが起きないよう、数が十分にあるおもちゃを出したり、一人ひとりがスペースを確保
できるよう広い空間で遊んだり、全体が見える位置で保育者が見守りをするようにしています。
また、物の取り合いが起きたり、大人数で場を共有している場面では保育者が側に近寄り、噛みつき・ひっかきを未然に防げるようにしています。
二つ目は
- 噛んでしまう気持ちを代弁する、噛まれてしまった時の気持ちを代弁する
うまく言葉にできない思いが、噛みつきにつながることもあります。
噛みつきがあったときは、まず、ダメなことはダメであると真剣な表情で伝えます。
そして噛むことはいけないことを伝えるのと同時に
「これが欲しかったんだね」
「これがイヤだったんだね」
と気持ちを代弁したり、
「噛むと痛いんだよ」
と相手の気持ちを伝えます。
また、噛まれてしまった子には
「相手もこれが欲しかったんだね」
「痛かったね」
と、気持ちを代弁したり、受容したりします。
言葉の意味が十分に理解できなくても、きちんと説明することによって、自分の考えや気持ちを言葉で表現する方法を少しずつ覚えていくことにつながります。
子どもの気持ちに思いを寄せる
噛みつきやひっかきをするとき、子ども達は
「友達を傷つけたい」
「意地悪したい」
という思いで手を出しているのではありません。
1人で遊んでいた子が、友達や周りの環境に関りを持とうとする、自分はこうしたい!と自分の気持ちを表そうとする姿は成長している証です。
噛みつきがあった、噛まれてしまったと聞くと、いつまで続くのだろうと不安に思い、我が子や相手のお子様を心配すると思います。
しかし、子ども達には噛みつくこと・ひっかくことでしか表現せざるを得ない深い思いがあり、今は自分の思いを、言葉に表す練習をしているのだと、その姿を温かく見守ってくださると嬉しいです。
文責 山元
参考文献
発達が分かれば子どもが見える 乳幼児保育研究会編著
0歳児から5歳児行動の意味とその対応 今井和子著
乳児保育の困りごと解決Book 波多野名奈 著