お知らせ
2025.01.16
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ルールのある遊びを通して(4歳児 こすもす組)
こすもす組の子どもたちは、今日も好きな遊びや興味のあることを友達と一緒に楽しんでいます。
進級当初より、子ども同士の関わりがさらに増え、自分一人ではなく、友達と一緒に遊びの世界を広げていく子どもたちに、大きな成長を感じます。
子どもたちは、関わる友達が増えるにつれて、時には思いや意見のぶつかり合いや葛藤を経験しながらも、自分だけではなく、友達の思いや考えに気付き、受け入れようとしたり、友達とのルールや約束を守ろうとしたりしながら、少しずつ社会性を身につけていきます。
今回は、ルールのある遊びを通して見えた子どもたちの姿について、お伝えします。
段ボール遊び(高さ比べ)の様子
グループに分かれて、時間制限がある中で段ボールをどれだけ積めるか高さ比べをしました。
- 友達と一緒に積む楽しさを味わう
段ボールを積むこと、制限時間内により高く、友達と共に積むことを楽しんだり喜んだりする子どもたち。
- ルールを知り、守らなければならないことに気付く
指定の場所から段ボールを取り、制限時間内に積んでいく子どもたち。
より高くしたい気持ちから、別のグループが積んだ段ボールを持って行ってしまい、友達に注意されたり、時間になっても積む手を止めずに大人に声を掛けられる場面もありました。
- 思い通りにならない悔しさを味わう
せっかく時間内に高く積んだのに、最後積んだ段ボールが崩れてしまって、高さ比べができなかった子どもたち。
あと一箱乗せたかったのに、時間がきて乗せられないグループもいました。
- 力を合わせる大切さを知る
勝つために大きな段ボールを下にしてみよう、そっと置いてみよう、二つ並べて大きくしてみようと短い時間で友達と考えながら試してみる子どもたち。
- 競い合う楽しさを味わい、互いに認め合おうとする
友達と力を合わせて一番になれた喜びを味わい、次も一番になるぞと張り切る子どもたち。一方で、「崩れちゃったなぁー!」「悔しい!」と悔しさを口にしながらも、「あのチームの段ボールが高い!」と指を差したり拍手したりする子どもたち。
このように、子どもたちはルールのある遊びを繰り返し経験する中で、思い通りにならない経験や葛藤を経験しながら、楽しく遊ぶためにはルールを守る必要があることを学んでいます。
保育者の配慮
今回の段ボール遊びでは、
・制限時間を設ける
・1人一箱は積む
・グループ分けを工夫する
・段ボールを取る場所、積む場所を指定する
など、いくつかルールや配慮がありました。
保育者は、ルールのある遊びが、楽しいことや思い通りにいくことばかりではなく、思うようにならないことやさまざまな葛藤を経験することができるように、発達段階やルールの難易度を考慮しながら、意図を持って子どもの組み合わせを考えたり、遊びのルールや内容を活動毎に変化させたりしています。
遊びの中で子どもたちの思いがぶつかり合うときや葛藤している場面では、自分たちなりに思いや考えを出し合う姿や、周りの子どもたちが一緒に考えている姿も大切にしながら、保育者は、状況を整理したり、双方の気持ちを代弁したりして関わります。
このような経験や関わりを重ねていくことで、徐々に相手にも思いや考えがあることに気付いたり、自分の思いを適切な形で表現する方法を知ったりしていきます。
この姿は、これから先、話し合いで物事を決めようとする姿や、意見を仲間で調整しようとする姿に繋がっていきます。
おわりに
子どもたちにとって、遊びは学びです。
保育者は、子ども一人一人がこれまで経験してきたことがさまざまであることを踏まえながら、これからも子どもたちの発達や興味関心、実態に沿った活動を積み重ね、遊びや生活を通して、子どもたちの学びや経験が豊かになるよう支えていきます。
参考文献:「子どもの把握と理解」、「保育内容5領域の展開」著/高山静子
文責:髙山