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2023.10.30

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「そこにいるのは子どもではない、一人の人間である」~錦ヶ丘が大切にしていること(人権)

現在、錦ヶ丘研修と題し、これまでの錦ヶ丘の歩みを学んだり、保育の3本柱や給食の特色を再確認したりして、錦ヶ丘で大切にしていることを中心に職員間で学びを深めています。

その中で私は人権に関する項目を担当し、特に最近頻繁に目にする「不適切な保育」に関して、これまで学んできた「人権」や「子どもアドボカシー」を織り交ぜながら研修を行いました。

そして再度、「なぜ不適切と言われることが起きてしまうのか」「そのような保育にならないためにはどう対応できるのか」という2点に着目して学び直しています。

今回のブログでは、実際に錦ヶ丘が実践していることをお伝えしたいと思います。

なぜ不適切な保育は起こるのか

まず研修の冒頭に、「子どもの権利条約」を元に、「人権」について説明しました。詳細はをこちらをご覧ください。➡ 子どもの人権 ※子どもの権利条約~日本ユニセフ協会より引用

 

人権に関して昨今様々な法律も整ってきています。人権は性別、人種など関係なく、全ての人が持っている権利です。

では、この「人権」とは、大人だけが持っているのでしょうか?

「子どもにも人権がある」と、『人権まるわかり』という本を読んでいるときに再確認することができました。それまで、人権と言葉では言っていても、なんとなく大人を基準に考えてしまってた私がいたことに気付きました。

また、その本の中でこのような言葉に出会いました。それは、「そこにいるのは子どもではない、一人の人間である」という言葉です。

子どもたちの成長には、大人(保護者)の関わりが必要ですが、私達大人が、「子どもだからできない」「言ってもわからないだろう」というような大人優位の考えで接していたら、前述した「不適切な保育」が行われ、子どもたちが自己肯定感を見出せずに成長していくのではないだろうか、とこの言葉を通して強く感じました。強烈な印象の言葉ですが、私たち保育者は子ども達を「一人の人間」として尊重し、接することがとても大事であることを再確認し、同じ保育者である仲間達に伝えた言葉の一つです。

 

不適切にならないために気をつけていること

では、「一人の人間」として、子ども達と関わりながら過ごす、私たち錦ヶ丘の大人たちが気をつけていることについてお伝えします。

①気持ちに共感し、受容する

②日頃から温かい声掛けをする

③善悪はしっかりと伝える

の3つです。

①気持ちに共感し、受容する

泣くことや喃語で気持ちを伝える0歳児から、会話を通して気持ちを伝え合える5歳児までいるこの保育環境では、共感と受容がとても大切です。

おもちゃの取り合いの中、相手に取られてしまった1歳児。

「使いたかったね」「もっと遊びたかったね」と、子ども達を抱きしめながら、子ども達の気持ちを代弁しながら気持ちを受け止めます。この代弁こそ「アドボカシー」の一つです。

 

②日頃から温かい声掛けをする

何か子どもがアクションを起こしたときや話しかけてくれた時、穏やかで温かく感じられる声のトーンで、「そうだったんだね」「教えてくれてありがとう」など、伝えてくれたことをに共感します。

これは、一緒にその喜びや驚きを分かち合い、または悔しさ、腹立たしさなどは子どもの感情の高ぶりを少しずつなだめていく関わりにもなります。

 

③善悪はしっかりと伝える

判断が難しい時もありますが、子ども達の言動から悪意を感じたら、すぐに止めます。

「たたいたら相手は痛いよ」「あなたの手も痛いよ」など、短い言葉で伝え、あわせて表情で伝えたり、声のトーンを低くするなどして必要に応じて繰り返し伝えます。

子ども達にとって善悪の判断は難しいと思われるかもしれませんが、幼児期から善悪について知り考えることは、『相手の気持ちを考えて行動する』という心を育てることに必要な経験だと思っています。

錦ヶ丘が大切にしていること

前述した3項目を私たち保育者が心に留め、日々子どもと接しています。皆がこのような気持ちで子ども達に接してほしいと考えていますが、大人も一人の人間。もちろん感情が揺れ動くときもあります。

感情的になっているなと感じたら、子ども達への対応を他の保育者に変わってもらうなど、不適切な言動・行動とならないように全職員で気を付けています。

ぜひ、ご家庭でも、「そこにいるのは子どもではない、一人の人間である」ということを、考えていただけたらと願っています。

参考文献:子どもの人権まるわかり 著/汐見稔幸・新保庄三・野澤祥子

文責:桑元

 

 

 

 

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