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2024.10.31

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「性教育」は生命を守る安全教育 

先日、子育て講座の中で、「乳幼児期の性教育」と題し、性教育についてお話をする機会がありました。

今回は子育て講座の内容をお伝えします。

現在の性教育事情

私達世代(30代~40台)が受けてきた性教育は、「生理」「性交渉(性交)」「避妊の方法」など、子どもの身体から大人の身体に変化していく上で必要な情報を「性教育」として、教えてこられたと思いますが、いかがでしょうか?

これからの性教育は、

「自分は大事な存在なんだ」

「自分の身は自分で守る」

「自分の身体は自分の物。人の身体は人の物」

というように、「生命を守る安全教育」と変化しています。

時代の流れに伴い、性教育の内容も変化してきています。その為、私達大人がしっかりと情報を正しくアップデートする必要があるのです。

 

なぜ、性教育が「生命を守る教育」なのか?

現在、SNSでの情報も増えてきていることもあり、性犯罪や性暴力は、昔と比べて多くなり、低年齢化してきています。

私達大人は、「性暴力」「性犯罪」から子ども達をしっかり守る為に、「生命を守る教育=性教育」をする必要性が高まっています。

性犯罪、性暴力の加害者・被害者・傍観者にならないようにするために、生命の尊さを学び、性暴力の根底にある誤った認識や行動、性暴力が及ぼす影響などを正しく理解した上で、生命を大切にする考えや、自分や相手、一人ひとりを尊重する態度等を、発達段階に応じて身に付ける必要があります。

 

「生命の安全教育」とは?

文部科学省が発表した報告書の中に、「生命の安全教育」でしなければならない4つの項目があります。どんな意味が込められているのか、何を伝えるのか。を併せてご紹介します。

①生命(いのち)の尊さや素晴らしさ = 自分を大事にする

あなたは生まれてきた大切な命であること、自分自身は生まれてきて良かった、大事にされているんだということを伝える。

②自分を尊重し、大事にすること = 被害者にならない

プライベートゾーンを知ることで、自分や相手の身体を大切にできる、嫌なことは嫌と言っても良い、大人に助けを求めてもいいということを伝える。

③相手を尊重し、大事にすること = 加害者にならない

相手が嫌がっているのに、無理やり身体を触ったりしない、自分の身体を許可なく触らせないで必ず同意を求める、「YES・NO」は自分で決めていいということを伝える。

④一人ひとりが大事な存在であること = 傍観者にならない・LGBTQ

男の子だから!女の子だから!と、性を決めつけない、性別と好みを結びつけない、自分の好きな洋服や色を好んでいいということを伝える。

 

私達大人が子ども達に伝えていきたいことは?

いざ大人になった時に、「プライベートゾーンを大切にしなさい」「嫌なことは嫌って言わないと!」「ホモ・レズって人に対して言ったらダメだよ」と突然言われても、中々できることではありません。だからこそ、私達大人は、小さい頃から子ども達に「自分が大切にされる体験」「あなたはどう思う?と聞かれる体験」「私は●●と思うと言える体験」を積み重ねていけるような対話をしていきます。

大人が答えにくいと感じる性に関する質問を子ども達は自然にしてくると思います。子どもは、素直に疑問を聞いているだけだからです。

その際の大人の対応も重要です。答えを濁すのではなく、正直に事を伝えてください。また、わからない場合は、「私もわからないから一緒に調べてみよう。」という答え方をしたり、直接的に伝えることが難しい時には、絵本やカルタで一緒に見たり遊んだりしながら「あなたはどう思う?」「私は●●と思うよ」と対話しながら学ぶことも良いですね♡

「0歳児からって、ちょっと早いんじゃないの?」「ちゃんとした事を伝えるのって恥ずかしい・・・」と、大人側の思い優先ではなく、子ども達が大人になった時の事を見据えて、是非親子で対話を大切にしながら取り組んでください。

子ども達が大人になる過程で『あの時しっかりと伝えていたから「助けて」が言えたのかな?』「自分の心や身体を大切にできているなぁ」「自分の思いを伝えてくれるなぁ。」「親に相談して、意見も聞いてくれるなぁ」ときっと感じることができると思います。

 

本園でも、0歳児から年長組まで、年齢に合わせて性教育をしています。「性教育をしたいが何から始めたらいいかわからない・・・」という時には、いつでも職員にお声掛けください。本の貸し出し等も行っていますよ。

参考:文部科学省の「令和2年度 性犯罪・性暴力の加害者・被害者・傍観者にならないための「生命の安全」調査研究事業」報告書~指導の手引き~

文責:播田

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