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2022.05.24

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南州農場 視察(栄養士)

5/12・13に、理事長・保育園園長・両園栄養士4名が南州農場に視察に行ってまいりました。

以前にも数回園長や栄養士で視察させていただき、保護者の皆様へも、南州農場の方に実際に園に来ていただき説明・試食の機会を設けさせていただいたこともありました。その後南州農場のハム・ソーセージの工場が新設されたことや本園も新しい職員が増えていることもあり、改めて、なぜわざわざ鹿屋にある南州農場からハム・ベーコン・ソーセージを仕入れているのか?その“なぜ”の部分を私達栄養士がしっかり理解した上で、調理を行うとともに、職員や保護者の皆様へも発信していけるよう、今回視察を計画しました。錦ヶ丘では、顔の見える生産者さんから新鮮で安全な食材を仕入れるためにこのように業者さんのご協力を頂いて見学をさせていただいています。

 

南州農場の一貫体制


豚の生産→処理→ハムやソーセージへの加工→販売という流れを全て自社で行っていらっしゃいます。(一貫での対応は「豚」のみとなります)

生産から処理までの流れが一貫体制のところは国内でも数えられる程度しかないそうで、さらに、加工、販売まで一貫しているところはもっともっと少ないそうです。

 

〇生産

南州黒豚・南州ナチュラルポーク・南州黒牛が育てられており、南州黒豚は鹿児島県黒豚生産者協議会で“かごしま黒豚”の承認を受けています。

黒豚は普通の白い豚と比べてより時間をかけて育てられることで甘みが増し、出荷約60日前からの飼料にさつま芋を10%加えることで、脂がべとつかずさっぱりとした味わいになるそうです。また、この豚や牛が育てられている農場は「農場HACCP」を取得しています。

南州農場くろぶたの丘 展示見学室より

 

〇処理

処理場は2015年1月にFSSC22000(食品安全システム認証)を取得しています。電気麻酔を使うところが多いそうですが、豚のストレスを最小限に抑えることや動物愛護の観点から、ガス麻酔を使ってと畜(家畜等を食肉に処理、解体すること)しています。ストレスがお肉の品質自体にも関わってくるのだそうです。

 

〇加工  ※全てのお肉が加工工場へ運ばれる訳ではございません

素早く処理されたお肉は、すぐに加工場へと運ばれていきます。ここで、給食に使用しているハムやソーセージ、ベーコンが作られています。ここで、市販のものとの大きな違いがあります!

【市販の場合】 ※全てのお肉が冷凍状態ではございません

使われる豚肉は加工場に来る際、冷凍の状態です。これを溶かす工程でドリップが出ますが、このドリップにはたんぱく質や旨味がたっぷり含まれています。これを補うために使うのが、リン酸塩等の添加物です。大量生産であの加工肉独特のプリっと感であったり、香り、旨味を補い、美味しくするには添加物が必要不可欠なんだそうです。

【南州農場の場合】  ※全てのお肉が温と体ではございません

処理場でと畜されると、2~3時間でお肉が硬くなる死後硬直が進みますが、死後硬直が進むと、お肉の結着性には欠かせないたんぱく質が別な物質へと変化していってしまいます。南州農場では処理されてまだ温かい状態のお肉に2時間以内に塩・水分・スパイス等を加えることで完全無添加ソーセージであったり、加工用原料ひき肉を作っています。超新鮮なお肉でないとできない製造方法であり、自社で処理したお肉をすぐに加工場へ運ぶことができるこの一貫体制が無添加を実現させているということですね!

 

小林良子 ドイツ食肉マイスター


南州農場では、日本唯一の女性ドイツ食肉マイスターの小林良子さんが中心となって加工品の製造が行われています。

ドイツでは、ものづくりの伝統を維持し、そのレベルを保持して後継者を育てるためのマイスター制度があり、厳しい訓練・教育・試験を乗り越えて初めて取得できる国家資格です。

本場ドイツで高い技術や専門知識を学び資格を取得された先代の小林武治郎マイスターが、現在のハム・ソーセージを監修しました。

そして、今現在はお嬢さんの小林良子マイスターに熱い思いが受け継がれ、ドイツの伝統技術はそのまま南州農場で継承されています。尚且つ新たな視点でものづくりをされています。

豚や牛は同じ環境の中で育っても、1頭1頭お肉の硬さや質、pH値が違うので、どのように加工していくのか、その個性を見極めるのもマイスターの大事な仕事の1つです。

初めは、スポーツ医学を学ばれていましたが、学ぶ中で芽生えたのは健康に欠かせない“食への探求心”だったそうです。そこから食に携わる道へと進まれました。

添加物と香辛料の会社にも勤めていたそうで、そこで研究を進めるにあたって添加物の働きに詳しくなったことで逆に添加物を使わずに作る方法を見つけ、それが南州農場の“ノン・アッド(何も添加していないという意味の造語)”製品の誕生に繋がっています。

 

健康につながる食事


小林良子マイスターが、人は“食べたものからできている”ということを仰っていました。

健康な食品(衛生管理が徹底されているもの、無添加・低添加なもの)だけでなく、美味しさであったり、見た目であったり、全てが健康につながる、その思いで日々様々なものを作ったり開発されているそうです。

無添加商品はどこか味気ないもののイメージがある方もいらっしゃるかもしれませんが、美味しさにもこだわっている南州農場のものは本当にどれも美味しく、これが無添加で作られているなんて!まだ食べたことのない方は是非食べてみられてください。美味しさに本当にびっくりされると思います。

一方で、添加物が全て悪いというわけではなく、大量生産では製造過程でどうしても必要となってくる添加物や、極々微量の添加物もあり、南州農場の一貫体制だからこそ実現できる“使わなくてよいものは使わない”という考えの下、製造・販売されています。食べる側がそれを理解した上で取捨選択していくことが大切なのではないかと仰っていました。

 

小林武治郎マイスターが自らデザインしたマークがあります。南州黒豚・塩・香辛料の3つしか使用していないノン・アッド製品にこのマークが付いています。

南州農場くろぶたの丘 工場より

このマークは、肉屋の主人が子どもに自分の作ったソーセージを渡している姿をモチーフに作られました。商品の製造者として、良いおもちゃや洋服よりも良い食べ物を与えることが一番の愛情ではないか、その思いが込められています。

そのような熱い思いで作っていただいていることに感銘を受けるとともに、ソーセージやハム、ベーコンを給食に使用させていただけること、改めて本当にありがたいことであると感じました。

安心安全で尚且つ美味しいものを食べてもらいたい、その考えは、錦ヶ丘の“髪の毛1本も食事から”の理念に通ずるものがあります。

熱い思いをもった業者さんのこだわりを聞き、改めて食への大きな責任を感じるとともに、栄養士としてのプロフェッショナルを極めなければならないと感じた貴重な1日となりました。

 

☆本当に美味しいものばかりですので、保護者の皆様も是非試してみてください!

南州農場公式オンラインショップ⇒https://www.nanshu-pork.com/

※マルヤガーデンズ地下でも購入できるそうです。

文責:こども園・保育園 栄養士

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