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2023.12.25

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ビオトープコンクール2023で、優秀賞を受賞しました!

錦ヶ丘のビオトープ『のはら園』が、全国学校・園庭ビオトープコンクール2023で五大賞に次ぐ“学校・園庭ビオトープ優秀賞“を受賞しました。

10年前のビオトープコンクールでは、五大賞の一つである“文部科学大臣賞“を受賞したのはら園。今までのビオトープコンクールは、こども園(当時の幼稚園)だけで書類を準備し、応募をしてきましたが、今年は初めて、プラスと連名で、また、まふぃんにも書類作成の協力をもらい、応募に挑戦しました。

 

今年のコンクール応募にあたって

こちらのブログでもご紹介した通り、ビオトープ造作から25年が経ち、今年度はさらに環境を深めるための大規模整備が行われました。

昨年度の自然観察会をきっかけに、のはら園の環境を見直したり、自然を使った遊びについて考えることが増えたりと、職員の意識にも変化がみられています。

のはら園の変革期である今年、ビオトープコンクールに応募するにあたり、わたし自身、のはら園ができた経緯やそこに込められた思いについて、改めて一から学び直しました。

のはら園は“命の園“

のはら園造作の大きなきっかけになったのが、1997年の神戸連続児童殺傷事件です。当時の私は今のこども園に通う子ども達と同じくらいのまだ幼い年齢でしたが、連日報道されていたショッキングな内容を今でもよく覚えています。

前理事長の堂園 晴彦はこの事件を知り、バーチャル世界での命の体験ではなく、リアルな命の体験の大切さを強く感じ、のはら園の造作に着手しました。当時の吉野はまだ緑が多かったことから、保護者や職員の中には「わざわざお金をかけて自然環境をつくる必要があるのか」と反発の声も多く上がり、200人ほどいた園児は一時130人ほどまで減少したそうです。

このような逆風の中でも、前理事長やのはら園を設計した佐藤健吾エリオさんは、「今は周りに緑が多くても、10年後は環境が全く変わっているはずだ」「子ども達が遊びの中で考えたり、試したりすることのできる、うるおいのある空間をつくることが大人の役割だ」と、10数年後の世の中・吉野の状況を予測し、思いを伝え続けたそうです。整備から25年、今の吉野は住宅や店が増え、どんどん山が切り開かれています。また、国の教育方針も、知識重視から思考力・判断力・表現力を大切に伸ばしたいという方向性に変わりました。前理事長や、佐藤さんの先見の明には心から脱帽だ…と感じます。

 

「子ども達の心に残る原風景をプレゼントしたい」

「そんな原風景は、特別なものではなく、日常の中にあるものだ」

 

“未来の子ども達のために“という強い思いが込められて1998年に整備されたビオトープは、ビオパルク“命の園 のはら園“と名付けられました。整備当時は80種類を超える木々や植物が植栽され、風車、水路、溜池、落ち葉溜まり等、様々な視点・感覚で自然や命に触れられる環境がつくられました。

10年前(2013年)のなたおれの木!もっさり!!

 

のはら園ってどこからどこまで?

皆さんは、「どこからどこまでがのはら園なの?」と聞かれたら、何と答えますか?

 

実はのはら園は、こども園だけではなく、隣の認定こども園錦ヶ丘プラス+ の園庭まで、そして、職員棟である錦坤館も含んでいます。
錦坤館は、両園の職員の交流を深めたいという思いで、当時3,900万円をかけて建築されました。私が入職して数年は、プラス(当時の保育園)の職員と話すことはほとんどなく、顔を合わせた際に挨拶をする程度だったのですが、幼保連携型移行に伴いプラスの0〜2歳児保育で研修させてもらったり、研修を一緒にしたりする中で交流が増え、今では行事を一緒に計画したり、日常の保育でも互いの園に遊びに行ったりと、双子の法人・姉妹園として強力なパートナーになりました。

そこで、職員も一つのチームになってきたこのタイミングのビオトープコンクールに、こども園・プラス連名で応募をすることにしました。

 

こども園側ののはら園は、起伏も大きく、広い範囲に大きな木が沢山植っているのが特徴ですが、プラス側ののはら園は、目が届きやすいコンパクトな範囲に子どもでも手が届きやすい浅い水路や、季節の実がなる果樹など様々な要素があるのが特徴です。応募書類では、それぞれののはら園の魅力を、それぞれの園の園庭担当が記載しました。

 

まふぃんも一緒に!

また、こののはら園の変革期を語る上で欠かせないのが、まふぃんの『ザリガニバスターズ』です。

応募書類に記載するザリガニバスターズの文章を、まふぃんに通う中学1年生の男の子(こども園の卒園生です!)にまとめてもらいました。

全国のコンクールに応募する文章、大体の文字数制限がある中で人に伝わる文章を作ることは大人でも緊張すること。彼もきっとドキドキしたと思いますが、まふぃんの大人や私にも何度も何度も相談をしてくれ、とてもわかりやすい紹介文を作成してくれました。

こども園・プラスだけではなく、まふぃんの活動や、保護者の方に自然の中での活動についてご理解を頂いていること、在園児対象の園庭開放や自然観察会等の取り組み、青楓緑化さんとの連携等、様々な人が関わっているからこそ保たれ深まっていくのが、錦ヶ丘のビオトープ“のはら園“です。

そして、地域の方にもその魅力や、のはら園に込められた思いを発信していくことが私たちの努めだと感じています。

今回の優秀賞受賞をきっかけに、よりのはら園について知って頂く工夫や、環境や遊びを深めていく努力を、みんなで考えていきたいと思います。

 

おまけ

新園舎に引っ越し、人の気配がぐっと少なくなったのはら園。

どんな様子なのでしょう?

木々は葉を落とし寒々しい姿になってしまいましたが、地面に目をやると色とりどりの落ち葉の絨毯が!

風で飛んでご近所さんのご迷惑にならないよう、けれど、自然の姿を無くさぬよう、塩梅を考えてお掃除中です。

 

二十四節季“大雪“や”冬至”も過ぎ、本格的に鹿児島の冬の景色に移ろってきました。

ここからまた、のはら園が どんな姿を見せていくのか、楽しみです!

文責:迫田

 

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